その他施工実例
2019.03.15 / その他施工実例防音の音楽室を備えた明るい空間へリノベーション
今回は、木屋町通りに面した築28年のこぢんまりとした佇まいの分譲マンションの一室をリノベーションさせていただきました。
改修前のお部屋の状況は、以前の所有者が事務所で使用されていた事もあり、間仕切りのないワンルームでしたが、何とも言えない実に殺風景な空間でした。また、バスルームも典型的な旧式の3点式ユニットバスで、使い勝手の良い状態ではありませんでした。
この専有面積43m2のワンルームのミニマム空間に、お施主様のご要望である音楽教室をするための完全防音の音楽室と、プライベートルーム、クラフト教室をするための大きなテーブルが置ける広めのリビングルームを配した2LDKのゾーニングをするという課題をもってプランニングをスタートしました。また、ふたつの教室をされることによって必然的に来客が多くなるため、3点式のユニットバスをプライバシーの保てるセパレートにしなければなりませんでした。
決して余裕のある空間ではありませんでしたので、様々な試行錯誤がありましたが、お施主様にもご要望の優先順位を決めていただきながら打合せを進めて行くことによって、結果的に出来る限りのご要望を反映することができたのではないかと思います。
最終的には、生徒さん達がそれぞれ楽器を演奏できる状態で3~4人を収容でき、さらにピアノと膨大な量の楽譜も収容できる音楽室と、プライベートなベッドルーム、そして大きなテーブルの置ける広めのリビングルームを確保した2LDKの空間を完成させることが出来ました。
全体のデザインに関しては、お施主様の方で特に強くご要望されるイメージやテイストをお持ちではなかったため、演奏家のお施主様が奏でられる楽器の音色のイメージから明るく爽やかな雰囲気の演出と、訪れた人にもミニマム空間であることを感じさせない空間を演出することをコンセプトに提案させていただきました。
また、お仕事柄たくさんの音楽CDや小物類を収納できるスペースが必要だったため、リビングにモザイクタイル貼りのワイドなカウンターを設け、上部は食事をしたり鉢植えやインテリア雑貨をディスプレイしたりと多目的にご使用いただける様にし、下部は市販のラック等を置いていただくことにより、CDや小物類を違和感なく納めていただける様にしました。
最後に「tone」と言う名前については、楽器の音色を表す「トーン」と、白を基調とした空間にひと際映える、パステルグリーンの壁面で構成された空間を表す色調の「トーン」のふたつの意味をイメージしてネーミングしました。
■物件概要/1979年新築(築後28年)・京都市中京区木屋町通二条下る・区分所有マンション・個人住宅リノベーション・床面積43.11m2・構造:RC造
■主要各部仕上および素材/壁面:PB下地AEP塗装仕上・天井:スケルトンAEP塗装 仕上・床材:無垢オークフローリング・バスルーム:造付のうえ床、壁面100角タイル 貼り・玄関:Pタイル貼り・建具:シナOS塗装仕上・キッチン:業務用流し台および ガス台(2口ガスコンロ)・リビングカウンター:造付のうえモザイクタイル貼り
■リノベーション期間/約2ヶ月(解体および防音室工事期間含む)