その他施工実例

2019.03.30 / その他施工実例 フルリノベから12年、ライフスタイルの変化に伴う全面更新リノベ

今回のお施主様はリボーンキューブがリノベーションを始めた当初である2005年に物件の購入からリノベーションまでをお任せいただいたお施主様です。その当時(作品名は「vista vista」です。)から12年が経過し、ご家族が増え、お子様の成長も伴い、使い勝手も変わってきたことから、再度フルリノベーションをご依頼いただきました。 本来であれば、フルリノベーションまで行わず、部分リノベーションでもよいかも知れませんが、その他にも理由があり、その理由からフルリノベーションをさせていただくに至りました。その理由は雨漏りです。毎回ではなく立地的に周りに遮るものがなく、そびえ立った様な建物であることから、風向きや雨の量(ゲリラ豪雨の際など)などによって雨漏りが発生するという状況でした。これはリノベーションを始めた当初に施工担当していた工務店が新築主体であったことからリノベーションの知識が少ないために起こったことでした。また、その工務店とは、リノベーション事業を立ち上げる際に提携事業として立ち上げたため、切り離すことができず、その工務店が施工するという事情がありました。ですが結果的にこの雨漏れが原因となり、提携を解消して現在に至っております。お施主様もこれらの経緯を全てご存じで、その後も誠意を持って対応をさせていただいことから、再度弊社にリノベーションをご依頼いただけることになりました。

 

それでは、具体的にどのようにリノベーションさせていただいたかについて、内容をご説明していきたいと思います。
まず、今回の建物は、4階建の小ぶりな一棟建物で1〜2階が賃貸マンション、3〜4階がご自宅というレイアウトになっています。そのため今回この3〜4階のご自宅部分をフルリノベーションさせていただきました。まず、一番目に今回のコンセプトとして、せっかくフルリノベーションされることから、今までのイメージを踏襲せず、全く違うイメージにされたいというご要望をいただき、明るいカラフルな北欧空間に変えたいというご要望でした。そしてそれを踏まえてゾーニングから変更していきました。まず、3階部分は広いLDKと寝室の2室のゾーニングでしたが、その広いLDKを少し狭くして、お子さんの個室を確保して3室にゾーニングを変更しました。 そして、以前は寝室にWICがありましたが、そのWICを取りやめ、その代わりに大容量のクローゼット収納を確保しました。また玄関も以前より広げて、オープンな収納力のあるシューズクローゼットを確保し、ご家族全員分の収納が賄えるようにしました。そして先程ご説明した、新たにゾーニングしたお子様の個室は、ミニマムですがベッドやデスクを置いてちょうどよいサイズ感の空間として確保しました。そしてLDKは今までよりも狭くなりましたが、その分奥様のご要望もあり、キッチンを壁付けにして鉄骨建の柱などをうまく取り込みレイアウトし、機能的で使いやすくシンプルに仕上げました。そして設置予定のダイニングテーブルのサイズを事前にお聞きした上で、窓際に地袋収納を取り、食器やリビングで必要な小物を効率的に収納いただけるように設えました。それから、玄関部分と3階トイレ、お子様の個室、寝室、LDKは、それぞれお施主様のお好みでカラーを設定いただき、アクセントカラーとして明るくポップでカラフルに設えさせていただきました。次に上階の4階部分ですが基本的にゾーニングは以前と同じとし、その他に改善しないといけない点が多々あったことから、そちらに重きを置きリノベーションさせていただきました。まず、大きくは4階の広いバルコニー部分の手摺を全て取替え、またバルコニー床部分の防水工事も全てやり替え、雨漏りの原因となる要因を全て取り除きました。また、その広いバルコニーに面した開口部分を木製建具で設えておりましたが、それを高性能なサッシに変更し、防水と陽ざし対策を施しました。これらの改修工事により完全かつ抜本的に雨漏りを解消することができました。そして4階の室内は、基本的に既存を活かしつつも、使い勝手を改善するようにしました。まず、水回りですが洗面室は、洗面ボウルや便器は既存利用として床を塩ビ系の耐水性のあるタイプに変更し、洗面台の高さなども変更して使いやすくしました。また浴室はそれまでの在来工法の浴室からユニットバスに変更し、広く使いやすく設えました。

 

以上のように今回再度リボーンキューブで全面的にフルリノベーションさせていただいたことで、以前のリノベーションの際の不具合を全て更新して完全な状態へと変更させていただけました。
そして、これからは今までよりも安全で快適にお過ごしいただける空間に更新させていただけたと思っております。
そして次に、いつものように今回のネーミングについてですが、いくつかご提案させていただいた中から“一新“というキーワードを気に入っていただいたため、今回のテーマである北欧の言語の中からスウェーデン語を採用して” förnyelse(フォニールセ)“と命名させていただきました。まさに先程からの説明通り、今回のリノベーションのテーマにぴったりのネーミングではないかと思います。そして最後になりましたが、お施主様に今回12年目にして、再度リノベーションをご依頼いただき、多大な信頼をいただけたこと、そしてすべてお任せいただいたことに心から感謝して、お施主様が本当の意味で安心して快適にご家族で楽しくお住まいいただける空間を創ることができ、本当によかったと思っております。そして結果的にこのような素晴らしいリノベーション空間を創らせていただけたことに心から感謝と敬意の気持ちを込め締めくくらせていただきたいと思います。

 

■物件概要/1965年新築(築後53年)・京都市左京区・個人住宅リノベーション・延面積87.42m²・構造:鉄骨造4階建3〜4階部分

 

■主要各部仕上および素材/壁面:PBの上AEP塗装仕上・天井:PBの上AEP塗装仕上・床材:チェストナットユニ無垢フローリング仕上、デコリカクリック仕上げ(塩ビタイル)・バスルーム:タカラスタンダード製ユニットバス・建具:シナベニアの上ウレタン塗装仕上・キッチン:アイカ製キッチンパネル、サンワカンパニー製システムキッチン・便器:パナソニック製アラウーノ・その他:H&Hjapan製レンジフード、LIXIL製インプラス内窓、LED照明器具、真鍮製タオルレール、エアコン4基等

 

■リノベーション期間/約2.5ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.30 / その他施工実例 ラスティックテイストでシンプルなワンルーム空間の広い2階LDKを持つ一戸建リノベ

耐震リノベーションでプラス100年持たせる「Re:100(リ・ハンドレッド)」 の第1弾。
お施主様は物件の購入からご相談いただき、お話を進めておりましたが、ご自分でも並行して物件をお探しになっておられ、結果的にご自分で見つけられたため、リノベーションからのお手伝いとなりました。ですが、今回の物件購入に際して、近隣で売出されていた物件が2物件あり、どちらかで迷われていたことから、2物件ともご一緒に内覧させていただき、それぞれの物件毎でリノベーション内容が変わることから、それを現地でお伝えして、リノベーション後のイメージを膨らませていただきました。そして、最終的にお施主様のライフスタイルに合うであろう今回の物件の方をおすすめし、アドバイス通り受入れていただき、ご納得の上でご購入いただくこととなりました。

 

それでは、具体的なリノベーションの内容についてお話していきたいと思いますが、その前に、お施主様より今回強いご要望で「耐震」を前提に進めたいというご意向がありました。理由は、敢えてご説明するまでもないですが、昨今各地で大規模な地震が頻繁しており、ここ京都でもいつ大規模な地震が発生してもおかしくない状況からです。そのようなことから、古い建物(今回の物件は築後53年が経過)をリノベーションし、表面的にはおしゃれで快適に暮らせても、そのような事態に陥った時に生命の危機を感じるのは、心もとないということから、弊社で以前より、木造2階建の一戸建を「耐震+リノベーション」セットで施工するコンセプトプランがあることをお伝えしたところ、お施主様にとってもまさに「渡りに船」ということになり、とんとん拍子でお話を進めさせていただくことになりました。そして、この新規プロジェクトが「Re:100(リ・ハンドレッド)」と言うのですが、このプロジェクトは、おおよそ今回のお話の1年以上前から構想しており、まずはそのプロトタイプを造るため、自社で購入するべしで、物件を探しておりましたが、折からの物件価格高騰の煽りを受け、なかなか自社で実現することが難しい状態が続いておりました。そのため、並行してこのプロジェクトに賛同いただけるお施主様を探しており、コンセプトをお話しした上で実現できる機会をうかがっておりました。そのような折、今回のお施主様から耐震をぜひ考えたいというご要望をいただいたため、温めていたこのプロジェクトのプロトタイプを担っていただくことになりました。そして、お施主様に本プロジェクトのコンセプト、リノベーション+耐震工事を施すことで、「100年おしゃれで快適に住める家を目指そう!」というキャッチフレーズもお伝えしました。もちろん実際100年と一言で言っても、はるか先のことですし、100年後のことまでは、絶対大丈夫とは言えないことから、あくまで「目指そう!」というスタンスであることもお話ししました。ですが、本来弊社のリノベーションコンセプトは、「シンプルな素材を使用し経年変化を楽しむ」ということですし、年数が経過することで「味わいが増し、深みが出てくる」という考え方から、今回の様に耐震をプラスすることで、リノベーションした味わい深い建物をより長く快適にお住まいいただけるというのは、納得いただけるコンセプトだと感じておりました。それにここ京都では100年以上前から建っている所謂‟京町家“という建物がたくさんあることからも、木造建物が100年持つということは実証済みであると考えておりました。
・・・とだいぶ話が逸れてしまいましたが、このような経緯から、お施主様にご理解いただき「Re:100」の第1号プロトタイプとしてめでたくリノベーションさせていただくことになりました。それでは、具体的なリノベーション内容についてお話しさせていただきたいと思います。ではまず、お施主様のご要望ですが、ワンルームの広いリビングダイニングキッチンをご希望でした。そしてイメージ的には、新しさを感じるきれい目な空間ではなく、ラフ感のある古さを感じさせるラスティックな空間がご希望でした。

 

そして、このイメージに沿うよう、まずゾーニングにおいては、耐震を考慮することから、1階部分に寝室や子供部屋、そして水回りなど、空間をできるだけ小割りできるように、壁面が取れるレイアウトにさせていただきました。また、その分2階を1室空間にして、広く明るく使えるようにLDKをゾーニングさせていただきました。では、水回りから詳しくお伝えすると、洗面室は広めに確保し、収納もできるだけ取るようにカウンター下を収納としました。そして、洗面ボウルは、大きな実験用ボウルを採用し、ミラーも大きく取り、広く明るく清潔感のある空間に感じられるよう設えました。次に浴室は、お施主様のご要望で既存メーカーのユニットバスが好みでないということから、京都に本社のあるデザイン的にシンプルなユニットバスメーカーをご紹介し、採用いただくことになり、シンプルな1坪タイプユニットバスを設置させていただきました。また、トイレは、基調色をグレーで統一し、シンプルかつ機能的に仕上げさせていただきました。そして、玄関部分は出来る限り広めに確保し、オープンなシューズクローゼットとラフな木目が特徴的な大型ミラーを取付し、自転車を玄関内に置かれることから、自転車ラックも取付させていただきました。そして主寝室には、WICを設け、シンプルですが使い勝手の良い寝室に仕上げました。また、子供部屋もシンプルですが、充分な機能を満たしている様に設えしました。そしてメインの2階部分ですが、全体で約21帖ほどあり、階段室も空間として取り込むことで、壁面で区切られないため、広く開放的なLDKとしてゾーニングできました。そして、新規にて掃き出し窓から腰窓に入れ替えた部分は、床材をフローリングではなく、コンクリートタイル張りに仕上げ土間っぽくなることで、インナーテラスのように仕上がりました。そしてリビングに、書斎コーナーを設け、デスクと本棚を造り付けました。またLDKの床材はフローリングですが、今まで採用したことがなかったパーケット張りに仕上げ、経年変化とともにレトロ感を味わっていただけるように設えました。そして、キッチン部分は、シンプルに業務用キッチンを採用して、全体に黒を基調としてタイルをチョイスし、カウンター部分には、足場板を張りシンプルですが、少し無骨な雰囲気に仕上げさせていただきました。そして最後に外観は、全体を墨色に塗装し、落ち着いた色調ですが、角家のため、ひときわ存在感のある仕上がりとなりました。以上のような内容でリノベーションさせていただき、耐震と併せて、まさにオンリーワンな建物となりました。

そして次に、今回のネーミングについてですが、いくつか候補をご提案した中から、床材にちなんだ” Parquet(パーケット)“を採用いただきました。その意味は、前述でもご説明した通り、今回のメインである2階LDKに採用したフローリングの張り方からです。今まで、数多くリノベーション作品を手掛けさせていただき、フローリングもほとんどの作品で採用いただいておりますが、このパーケット貼りはなぜか今回が初めてでした。今後は、またこの作品をご覧になったお客様から採用希望をいただく機会が増えるのではないかと思っております。そして今後、経年変化することで深みと味わいが増していくのが楽しみです。そのような意味から、本当に今回の作品にぴったりなネーミングとなりました。そして、最後になりましたが、今回のリノベーションもお施主様と共に非常に楽しく進めさせていただき、そしてまた、今回の「Re:100」という新しい試みにも賛同いただき、意欲的な空間をリノベーションさせていただけたことに心から感謝して、締めくくらせていただきたいと思います。

 

■物件概要/1963年新築(築後54年)・左京区修学院・個人住宅リノベーション・延面積89.14m²・構造:木造瓦葺2階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面:PBの上AEP塗装仕上(一部クロス仕上)・天井:PBの上AEP塗装仕上(一部クロス仕上)・床材:パーケット無垢オークフローリング(一部パイン無垢フローリング)、コンクリートタイル仕上、タイルカーペット貼り仕上・バスルーム:スピリチュアルモード製ユニットバス・洗面室:大型ミラー、造り付け収納、TOTO製洗面ボウル・建具:米松無垢框戸(木格子スプルース製)OS塗装仕上、シナ建具(OSCL塗装仕上)・キッチン:タイル貼り仕上(200角馬目地・モザイク)、業務用オーダーキッチン、スチールフラットバー枠組み仕上、スチール製棚板・便器:INAX製・その他:H&Hjapan製レンジフード、照明器具一式、アイアン製タオルレール、アンティークドアノブ、リンナイ製4口ガスコンロ、キッチン水栓(アディソンタッチ製)、足場板(棚板・カウンター)、チェッカーガラス、自転車ラック、エアコン1基等

 

■リノベーション期間/約3ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.30 / その他施工実例 清水寺近く、露天風呂とガレージ付きの高級ゲストハウスに戸建リノベ

こちらの案件はリボーンキューブプロデュース第二弾の“ゲストハウス”リノベーションでした。また、こちらのお客さまは京都市内に幾つか賃貸物件をご所有されている方で、この1年くらい前にもそちらのリフォームのご相談で一度お目に掛かっていた方で、その際は結果的にご縁がなかったものの、その後も気に掛けていて下さり、この度の機会に改めてお声掛け頂いたのでした。

 

立地的には清水寺への道すがらである茶わん坂より少し入ったあたりで、まさに“ザ・京都!”な観光地に位置しており、これ以上ないゲストハウス向きの立地でした。(実際に当該物件の町内だけでもだけでも数件のゲストハウスが存在しております。それにしても観光者の数が圧倒的なエリアです。)

 

建物的には古民家工法の古い木造建築でしたが、かと言って京町家のカテゴリーに入る建物ではなく、そのため現状はそれほど建物に特徴があるものではありませんでしたので、外観的な佇まいも含めて、ある意味思い切って意匠変更することが出来ました。(お客さまからのリクエストとして、表の部屋を解体してガレージスペースをつくって欲しいと言う条件がありましたので、実際にも結構大幅な外観の変更となりました。)

 

打ち合わせについては、ゲストハウスとしての事業用案件ではあったものの、将来的に“ご子息の住まい”としても利用される想定があったため、その際の使い勝手等も含めてご要望を摺り合わせながら進めさせて頂きました。また、こちらの案件の特徴的な点と致しまして“露天風呂”の設置がありました。これは他のゲストハウスとの差別化を図る重要な要素として、ご相談当初よりガレージと並ぶ必須条件としてお伺いしておりましたので、役所の方へも事前に確認を取りながら進めさせて頂きました。(今回の案件でも、弊社にて旅館業の許可申請手続きの対応をさせて頂いたのですが、打ち合わせスタート当初は東山区役所の保健衛生課が担当窓口だったのが、計画途上で京都市が新たに創設した“医療衛生センター”へ代わり、それに伴って担当者が変更になるなど様々なハードルが立ちふさがりましたが、何とかクリアして行くことが出来たのでした・・・。)

 

そんなこんなで、見積もり予算オーバーとも格闘しつつ何とかイメージ通りのデザインおよび設備(特に露天風呂)による着工へと漕ぎ着け、完成と相成ったのでした・・・!こうして、清水のど真ん中にて、大変稀少な“露天風呂付き高級ゲストハウス”が誕生したのでした・・・!なお、今回の案件も作品名としてのネーミングはなく、お客さまが名付けられたゲストハウスの屋号をそのままで掲載させて頂いております。あと、写真の方もやはりゲストハウスとして開業された後の状態を撮影させて頂いておりますので、臨場感のあるビフォー・アフターをご覧頂けるものと思います。

 

■物件概要/築年数不詳・京都市東山区五条橋六丁目・一戸建ゲストハウスリノベーション・延べ面積約77.76m²・構造:木造瓦葺2階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面、天井仕上:PB貼りの上(一部天井材現し)クロス貼り仕上・1階リビング床仕上:無垢杉板貼り仕上(オスモクリア塗装仕上)および畳敷き仕上げ・2階客室床仕上:無垢杉板貼り仕上(オスモクリア塗装仕上)・ラバトリー:洗面台造り付けのうえ床Pタイル貼り仕上・浴室:タカラスタンダードユニットバス・トイレ:便器等既存利用のうえ床Pタイル貼り仕上・建具:シナOSCL塗装仕上・その他:木塀、ウッドデッキ施行、露天風呂設置、その他

 

■リノベーション期間/約2ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.30 / その他施工実例 斬新なRC造コートハウスの一戸建リノベ

こちらの案件は、物件購入のご決断をされる直前くらいの段階よりご相談頂きました。その段階で既に二度ほど内覧を済まされており、大変気に入っておられたものの、どのくらいの予算で、どの様なリノベーションが出来るのか?と言った点等に不安を抱えておられました。そのため最終決断を下す前に弊社へご相談頂いたのですが、場合によってはご希望予算内で他にもリノベーション向きの物件がないか?を当たってみることも含めてのお話しでした。と言うことで、まずは当該物件を一緒にご内覧させて頂いて、およその予算とその内容をお伝えしつつ、一方ではご希望エリアの左京区内を中心にひと通り物件情報を当たらせて頂きました。しかし、人気の下鴨〜松ヶ崎区画整理地区内の立地に加え、大変特徴的なデザインの希有なRC構造の当該物件に優る物件は他には見当たらず、そうした点も含めて最終的にご決断されたのでした。

 

建物的には、前述の通りRC構造の大変特徴的なデザインで、バブル末期の昭和63年に著名な建築家によって手掛けられたものでした。(K.ASSOCIATES ARCHITECTS代表の岸和郎さんと言う建築家さんです。)最も特徴的な点はガレージの奥にある表の入口を一歩くぐれば、10m近くもある高いコンクリート壁に囲まれた、いわゆる“コートハウス”になっており、それこそ素っ裸で敷地内を歩いても外部からは全く覗けない構造になっている点でした。(そのため、どの居室も全面ガラス張りでカーテン等も一切ない状況でした。)そうした、訪れた者を“アッ”と言わせる建物ではありましたが、内装的にはどうしても“老朽感”は否めず、リビングのデザインをはじめとしてバスルームなどの水回りに至るまで大幅な刷新が必要な状況でした。ただ、元々の建物の造形があまりに素晴らしかったため、リノベーションによってさらに素敵に生まれ変わることは容易にイメージ出来ました。

 

リノベーションに際しては、ゾーニング自体は構造上ほぼ変更出来ない状況だったことからも内装の刷新を中心とし、建物本来のコンセプトは崩さずに保持しつつ、好みのマテリアルとテイストを落とし込みながら“リ・デザイン”する形で打ち合わせを進めて行きました。特にラバトリーからバスルームのデザインには大変こだわられ、コートハウスのメリットを最大限に生かした“全面ガラス張り”のデザインを強く望まれました。2階にあるリビングも、より開放感を得られる様アイランドキッチンへと変更するなど、先の通り当該建物本来のコンセプトを踏襲しつつ新たな息吹を吹き込んで再生して行きました。

 

お見積もりの場面では、やはりこちらも他の多くの案件同様「取りあえず一度見積もりに入れて金額を見てみよう・・・」と言うことで、当初のご希望にプラスアルファしてアレコレと盛り込みつつ進めて行ったため、第一回目の金額は正直かなりオーバーするカタチで上がって参りました。しかし、そうしたプラスアルファな点を今一度見直し、削ぎ落として行くことで何とかかんとかゴールラインに辿り着いたのでした・・・。(とは言え、最終的にはそこそこのご予算アップを許容頂くことになりましたが・・・。)そうして、外形やゾーニングはほぼ元のままながら、内部においては素材感およびデザイン性ともにお客さまの理想のイメージ叶えたリノベーション空間が誕生したのでした・・・!

 

作品名の「Re:洛北の家」は、当該建物に敬意を表すため、ズバリ元の作品名である“洛北の家”をそのまま使用させて頂きました。ただ、今回その建物をリノベーション(Renovation)によってリボーン(Reborn)させて頂きましたので、アタマのところに“Re”を加えさせて頂くことにしました・・・。と言うことで、どちらかと言えば“住まう人が家に合わせる”タイプの希有な住まいではありますが、そこにオモシロさを感じて頂きつつ、これからも楽しみながら住みこなして行って頂けることを願っております!

 

■物件概要/昭和63年2月新築・京都市左京区松ヶ崎呼返町・一戸建・個人住宅リノベーション・延べ面積約76.60m²・構造:鉄筋コンクリート造2階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面仕上:コンクリート打ちっ放しのまま(一部PB貼りの上AEP塗装仕上)・天井仕上:PB貼りの上AEP塗装仕上・床仕上:LDK(600角大理石貼り仕上)、エントランス(600角タイル貼り仕上)、居室(カーペット貼り仕上)・浴室:オリジナル在来工法バスルーム(ADVANシャワーセット、T-フォルム水栓、サンワカンパニー コーデ バスタブ使用)・ラバトリー(WCワンルーム):洗面台(サンワカンパニー デリエレ カリッサ)、WC(TOTOネオレスト)設置の上、床600角タイル貼り仕上げ・建具:神谷コーポレーション フルハイトドア使用・各種家具:テレビボード、クローゼット内部セット一式(IKEA)・キッチン:サンワカンパニーグラッド45アイランドタイプ使用(ガス台はホシザキ特注品使用)・その他:既存グレーチング下部ガラス板設置工事、ガレージ内部およびファサード一部やり替え工事(サンワカンパニー オスポール設置)、他

 

■リノベーション期間/約2ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.30 / その他施工実例 耐震補強&防音室。和モダンテイスト一戸建リノベーション

こちらの案件も、中古物件のご紹介(ご購入)〜リノベーションまでの全てをお手伝いさせて頂きました。また、こちらは 「Re:100(リ・ハンドレッド)」 の第二弾の案件でもありました。ちなみにこちらのお客さまも最初にご相談頂いてからスピード感のある物件の決定となりました。その理由は、元のお住まいと同じ小学校区内にて物件を求めておられたことと、たまたま今回の物件がまさに元のお住まいの目と鼻の先で売りに出ていたからです・・・。とは言え、“リノベーション”のフィルターを通して考えられるまでは、当該物件が売りに出ていたことは知っておられたものの、特段興味を持たれることもなく見過ごされていた状態でした。しかし弊社にご相談にお見えになり、リノベーションに目覚められたことで、それまでは何の魅力も感じられなかった物件が一気に輝いて見える様になられたのでした・・・!

 

建物的には、新築当時は注文住宅で建てられたであろう、比較的趣のある和風の木造住宅でしたが、1階・2階ともにキッチンを除いて全て和室のみで構成されていました。とは言え、元々和風の佇まいがお好みとのことでしたので、それはそれで良かったのですが、キッチンが1階の奥の片隅にあり、いかにも一昔前の“台所”の間取り配置になっている点など、使い勝手の悪さは否めませんでした・・・。そこで、現地内覧の際にLDKを思い切って2階に配置替えするご提案させて頂くなど、その場で盛り上がりつつ共にイメージを膨ませながらご内覧頂いたのを覚えています。ただ、一方では古い木造住宅故に“耐震性”を含めた建物の基礎構造の点等について心配しておられましたので、“耐震検査”と“耐震補強工事”をキチンと行う選択肢があることを伝えさせて頂き、その具体的な流れも含めてご説明させて頂きました。そんなこんなで、そうしたご説明も相俟って諸々のご不安点を払拭され、無事にご契約へと至ったのでした。

 

リノベーションに際しては、同じく和風テイストの施行事例である「largo(ラルゴ)」を特に気に入って下さっていましたので、同様の“和モダンテイスト”でコンセプトを固めて行きました。また、さらにこちらのお客さまも先の「largo(ラルゴ)」のお客さまと同じく、“音楽室”をご希望されていましたので(エレキギターを演奏するための音楽室をご希望でした)、耐震工事と併せてその点も予算に組み入れつつ資金計画を策定させて頂きました。具体的な耐震補強工事とプランニングに関しては、まずはお客さまのご要望を100パーセント取り入れた形でのゾーニングプランを先に固めて行き、そのプランに合わせて耐震補強の整合性を図って行くと言うプロセスで、理想のプランニングの実現と耐震補強工事の両立を図れる様進めさせて頂きました。

 

お見積もりの場面では、他の多くの案件と同じく第一回目はそこそこオーバーするカタチで上がって来るなど、必ずしもトントン拍子とは行かなかった点もありましたが、打ち合わせの中で若干膨らみ過ぎた感もあったご要望内容を今一度見直して削ぎ落とす(取捨選択する)ことで、最終的に多少の予算アップはあったものの、ほぼ当初のご希望予算ラインに落ち着いたのでした。そうして新耐震基準である「評点1.0」、すなわち新築同様“震度7”に耐久する耐震性を備え、かつデザイン性および間取りや素材感ともにお客さまの理想のイメージを叶えたリノベーション空間が誕生したのでした・・・!

 

作品名の「Allegro(アレグロ)」のネーミングは、お客さまよりご提供頂いたもので、音楽がご趣味のお客さまならではの“音楽テンポ記号”をもとに名付られたネーミングだそうで、その記号の意味するところは“軽快に、陽気に、快活に”とのことで、まさにこれからの暮らしを象徴する素敵な意味を含んだものです!と言うことで、これからもご家族皆さまでワイワイと陽気に楽しく暮らして行って頂けることを心より願っております!

 

■物件概要/昭和63年1月新築・京都市西京区松室・一戸建・個人住宅リノベーション・延べ面積約99.36m²・構造:木造瓦葺2階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面、天井仕上:PB貼りの上AEP塗装仕上(一部クロス貼り仕上)・床仕上:無垢杉フローリング貼りの上オスモクリア塗装仕上(一部タイルカーペット貼りおよびPタイル貼り仕上)・浴室:LIXILアライズ1616タイプユニットバス・ラバトリー:オリジナル洗面カウンター制作の上、床Pタイル貼り仕上・WC:オリジナル手洗カウンター制作の上、床Pタイル貼り仕上(TOTOサティスSタイプ使用)・玄関:土間コンクリート仕上・建具および特注家具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:300角磁器タイル囲いオリジナル造作アイランドタイプキッチン(サンワカンパニーグラッド45使用)・その他:ファサード全面やり替え工事、壁面および床面断熱工事(ペアガラス入れ替え工事共)、耐震補強工事施工(評点1.0取得)、完全防音室施行、他

 

■リノベーション期間/約2ヶ月(解体工事期間含む)