Worksgodaan

Worksgodaan

プロジェクトとしての基本コンセプトとしては、古い住宅の欠点もそれぞれの個性と捉え、古いからこその魅力(ヴィンテージ感)も活かし、時とともに深みの出る空間にすると言う発想です。 また、今回の作品は作品名を「godaan」(インドネシア語で「誘惑」を意味します。)とした様にアジアンテイストたっぷりの癒しの空間に仕上がっています。さらに、1LDKの間取でありながら、閉塞感を感じる壁は一切設けずにシェルフ(棚)が間仕切りとなっている点がポイントです。 これにより側面に開口部がないことによる閉塞感という欠点を補うと同時に部屋のほぼ中央を横切る大きく張り出した梁の存在感を消し去り、空間の広がりや採光にも配慮されています。 シェルフには住まれる方の好みの雑貨や本、食器などをディスプレイしていただけるようになっており、住まれる方の個性でより自分らしい部屋を完成していただけます。 この様に住み手に委ねる「遊び」の部分を残して、暮らしながら自分の好みの部屋に仕上げてもらえる部屋(デザインを押しつけすぎず、余白の部分を住み手に委ねる。)を提供することもコンセプトのひとつです。 もうひとつのポイントは景観の悪さ(南向きバルコニーの2階部分ですが、接道が傾斜している関係で室内からの目線が1階とほぼ同じ高さになります。)を補うために、既存のサッシの内側(室内側)に重厚感のある木枠の建具をつくり、その中にウッドブラインドを仕込むという方法をとりました。 これによりアジアンテイストがさらに深まるとともに、外部との視界を遮り完全な異空間にいる様な感覚が得られ、また南からの採光も得ることができています。 室内の壁面や天井はモルタルによるシゴキすらもすることなく、よりヴィンテージ感を感じられるように荒々しいままに塗装を施しています。 またこれによりコストダウンも図っています。(もうひとつのコストダウンとしては既存の納戸やボイラー室はあえて間取変更せずに、納戸はクローゼットに、薄暗らかったボイラー室はペイントによって清潔感のあるランドリールームに変えています。浴室やキッチンの位置もコストダウンの観点から既存の位置としています。) 最後のポイントは照明です。プロジェクト全体を通しての考えとして、照明が与える視覚効果や癒し効果などを最大限に活用したいと考えています。 各部の照明は全て、かなりの微妙な調光が可能になっており、生活シーンに合わせた照明設定が可能になっています。 また、今回の作品ではシェルフの所々に埋め込んだ照明球に網目状のカバーを被せ、それらが織りなす影そのものもデザインの一部になっています。 この様にそれぞれの物件がもつ欠点も新たなアイデアにより再生し、全く新しい空間として生まれ変わらせるリノベーションを、作り手である我々自身もワクワク楽しみながら行っています。

godaan

京都市東山区 清水

賃料
12
管理費等:1.54万円・月額合計:13.54万円・礼金なし・敷金15万円・2年更新・更新料なし
間取り
1LDK
住所
京都市東山区清水四丁目 シャトー清水204号室
交通
京阪本線「清水五条駅」徒歩 10分・市バス「五条坂停」徒歩3分
建物
鉄骨鉄筋コンクリート造
専有面積
56.20㎡・バルコニー面積/7.89㎡
住戸設備
エアコン2基・照明器具一式
建物設備
エレベーター
各部仕上げ
床材:チーク無垢フローリング(チークオイル拭取仕上)・壁面および天井:スケルトンAEP塗装仕上、一部PB下地AEP塗装仕上・各部建具:シナフラッシュOS/CL塗装仕上、一部AEP塗装仕上・シェルフ(家具):シナ合板張合せ(照明球埋込)OS/CL塗装仕上・バスルーム:洗面台、バスともに造付のうえ床、壁面モザイクタイル貼り・玄関:モザイクタイル貼り・キッチン:業務用流し台、調理台およびガス台、レンジフードおよび壁面SUS/HL貼り
築年数
1971年5月
リノベーション時期
平成16年8月初旬
その他
バルコニー南向・管理人日勤

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