その他施工実例
2019.03.13 / その他施工実例リボーンキューブテイストをふんだんに取り入れたオシャレな一戸建リノベーション
今回の作品はリボーンキューブでリノベーションさせていただく中では比較的新しい築16年の木造3階建の一戸建建物です。今回のお施主様も物件の購入からリノベーションまで全てをお手伝いさせていただきました。
今回の物件は場所が伏見ということでリボーンキューブで物件をご紹介させていただくのが初めての地域でした。ですので今ひとつ土地勘がないこともあり、お施主様に物件の立地などの良し悪しはお任せしてどのようなリノベーションができるかを主に取り組みさせていただきました。そうは言いましても物件のすぐ近隣にあの有名な「寺田屋」があったり「三十石船」の船着き場があったりと情緒たっぷりの立地です。しかし通りを一筋入ると喧騒が感じられない住宅地で最寄駅からも近くお住まいいただくには申し分ない立地でした。そんなところを気に入っていただき購入をお決めいただきました。
リノベーション物件が先程もお話ししたとおり、比較的築年数が新しいこともありコストも鑑み外観は全く触らずに内部のみのリノベーションをさせていただくことに致しました。その外観は建売住宅などによくあるサイディング張りの一戸建建物ですがその建物を一歩室内に入るとリノベーションされた空間となっているという感じに設えました。
では今回のリノベーションポイントについてですが、まず一般的なこのぐらいの年数の建物にありがちな間取構成で、目一杯居室を広くとるために水回りや玄関などの空間が極端に切りつめられている構成になっておりかなりせせこましく感じることや、階段も目一杯狭い空間でとっているため急であることなど、日常使うには非常に圧迫感を感じるところが多々ありました。それらを重点的に解消することをコンセプトにしました。
一番のポイントとして2階のリビング空間を広く快適に使えるようにリノベーションするということをコンセプトとして進めさせていただきました。
順にご説明しますと、まず1階の使いにくい広さの和室を割り切っていただき少し狭くしてウォークインクローゼットにすることにして、その分洗面と浴室のスペースを広げ快適にお使いいただけるようにゾーニングしました。
また玄関も土間部分を広げて大きめのシューズクローゼットをとり、玄関全体はそう広くはないですが入ったときの圧迫感をなくように設えました。
そして階段の勾配も緩やかにとり2階への動線をスムーズにしました。
階段を上がったところにあるトイレの位置はそのままですが便器などを入替えすっきり使いやすく改修しました。
一番のポイントであるリビングはキッチンと和室に分れて使いにくかった空間をリビング1室空間にゾーニングし、リボーンキューブ定番の対面キッチンに設え、より使いやすく開放的に仕上げました。
キッチンにはキッチンバックにオープンとクローズとで棚を設え使いやすく機能的に配置しました。またキッチン囲い前面にも扉付の収納を設けて細々したモノが仕舞えるように設えました。
リビング部分は敢えて室内を一部潰して大型のサッシを取り付け、内と外の区切りを変えることでより広く明るく感じられるようにしました。またTVが中央に収る家具を製作し、上部に間接照明を仕込み片側は扉を開けるとパソコンデスクに、もう片側は収納にそして上下とも収納として機能的にお使いいただけるように設えました。
また階段をスリット状にデザインすることで開放感と遊び心を持たせました。
3階は極力手を加えずに居室内はクロスの張り替えとカーペットの張り替え程度に留めてコストを抑えるようにしました。しかし階段ホールまでは建具や階段そのものを取替えて統一感のある仕上がりに致しました。
全体のデザインテイストとしてはリボーンキューブのオーソドックスな色合いとデザインをお施主様に気に入っていただいているため、今までの作品のいいとこ取りでデザインさせていただきました。
以上のような内容で出来上がった今回の作品は限られた空間を上手くゾーニングしてお施主様のご要望を満たしつつ、非常に使いやすくデザインされた空間に仕上がったのではないかと思っております。
終わりに今回のネーミングは“ grano ”と命名させていただきました。意味はイタリア語で“ 木目 ”を現わしております。その理由はお施主様がいろいろな木の表情がお好きでそれ故、ありきたりの新築ではなくリノベーションをお選びいただいた経緯もありデザインに木の表情をできるだけ出せるような設えにさせていただいたというようなことからです。
お施主様はこの作品が完成して間もなくご結婚されるということでご夫婦で初めての記念すべき大きな共同作業をしていただいたのではないかと思います。その様な意味でもお施主様の思いのこもったリノベーションをリボーンキューブでさせていただけ本当に光栄だと思っております。今回もぜひしばらくお住まいいただき落ち着かれ、お子さんもできられた頃にお伺いし、どのようにお使いいただいているかを拝見してみたいリノベーション作品となりました。
長く親しんで快適にお住まいいただけることを願って今回の作品のコンセプト説明を終らせていただきます。本当にありがとうございました。
■物件概要/1995年新築(築後16年)・京都市伏見区・個人住宅リノベーション・延面積102.45m²・構造:木造スレート葺3階建
■主要各部仕上および素材/壁面:PBの上AEP塗装仕上・天井:PBの上AEP塗装仕上・床材:オーク無垢フローリング(オスモ塗装仕上)・バスルーム:INAX製ユニットバス・シェルフ、クローゼット、建具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:シナベニア市松張り(一部モザイクタイル張り)囲いの上、サンウェーブシステムキッチン・ガスコンロ:リンナイ製3口コンロ・便器:INAX製・その他:既存サッシ入替え、玄関土間300角タイル張り、ウッドデッキ張り等
■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)