その他施工実例

2019.03.13 / その他施工実例「珈琲と音楽が楽しめる光の家」 広めのワンルーム空間をおしゃれに家具で間取るマンションリノベ

今回の案件も中古物件のご紹介からリノベーションまでの全てをお手伝いさせて頂きました。また、今回はお問い合わせ頂いてからごく短期間のあいだに物件の方もお決め頂き、とんとん拍子な流れの中でこのたびの完成を迎えました。
実際のタイムスケジュール的には、昨年の9月の1週目くらいに初めてお問い合わせを頂いたあと早速メールでいくつかの物件をご紹介させて頂き、翌週にはその中のひとつの物件をご内覧頂き、さらにその場でその物件を即決して下さり、その後住宅ローンの仮審査の結果を得て9月末頃に売買契約を締結、そして残金決済(引き渡し)までおよそ2ヶ月間の猶予を頂き、その間にリノベーションプランの打ち合わせを進め、引き渡しより少しだけ遅れた12月下旬頃に着工、そしてこの2月初旬に完成となりましたので、お問い合わせ(ご相談)からリノベーション完成(お引っ越し)までほぼ6ヶ月と言うことになります。また、時期的に年末年始を挟みましたので、それがなければあともう少しくらいは早く仕上がっていたと思います。(よく皆さまより物件探しからリノベーション完成までどのくらいの期間が必要ですか?と言う質問を頂くのですが、そういう意味では今回のケースがその最短モデルではないかと思います。)

 

物件の方は立地的には地下鉄延伸でますます便利で暮らしやすくなった中京区の「西ノ京」で、築年数はそこそこ経っているものの、行き届いた管理運営を窺わせる落ち着いた雰囲気を持つマンションでした。そして特筆すべきは7階南向きからのその眺望で、遮るものが一切ない景色の抜け感は即決頂くに十分値するものでした。(その他にも“ペット可”と言う条件が合致したことも即決頂けた理由になったと思います。)お部屋の専有面積は63m²弱と一般的なファミリータイプの広さでしたが、お客様がご希望されていた“ 将来的に2LDKに可変可能な1LDK空間 ”を実現するのにジャストなサイズ感でした。(逆にお客様的にはもう少し小さめの面積でも良いとのご希望でした。)

 

元の間取りは和室と洋室が各1部屋ずつの2LDKのゾーニングになっていましたが、その間取りの配置がイマイチで和室の裏側にあるキッチンや中途半端なカタチでゾーニングされている洋室など、せっかくの南向きの良さが活かされていないともすれば暗いイメージのお部屋でした。しかし、リビング(およびキッチン)と和室を隔てているカベを取り除けば、リビング南面が全面ガラスのカタチになり、大変明るい空間に生まれ変わることは容易にイメージできました。さらにカベ側(北向き)に向いていたキッチンを対面タイプ(南向き)にすることで、その素晴らしい景色を眺めながら日々の炊事を楽しんで頂けるスタイルにリノベーションできることを現地でご説明させて頂きました。

 

打ち合わせに際しては、お客様の方で“ リノベーション企画書 ”と題した要望書をご用意下さり、その中でオーディオ(音楽鑑賞)がご趣味でインテリアにも造詣が深いご主人と、珈琲(淹れること)やアートがお好きな奥様のそれぞれの要望を満たした空間のイメージやマテリアルなどについて、文字とビジュアルの両方で分かりやすく提示して下さいましたので、ファーストプランから細部の仕上げに至るまでかなりスムーズに進めて行くことができました。(あと家具や電化製品や衣装ケースに至るまでそのサイズの方も全て網羅して記載頂いていましたのでプランの方に落とし込みやすかった点もとても助かりました。)

 

その具体的なご要望とは“ 珈琲と音楽が楽しめる光の家 ”と言うもので、デザイン的にはシンプル&スマートながら、どこか無骨さとレトロっぽさが感じられる様な空間で、完成写真にあるリビング側面のコンクリートベンチもそうしたお客様のリクエストから生まれたものです。また、細部のディテールにもかなりこだわられ、電気のスイッチやコンセントカバーや照明器具、そしてドアノブやタオルハンガーなどの備品に至るまで細かにご指定および支給頂きました。(今回調光スイッチの方も従来のモノとは異なったアメリカ製のレトロデザインのスイッチを見付けて来て下さったものを取り付けさせて頂きました!)
さらにコストダウンが必要な場面では、エアコンやキッチンのガスコンロ(ハーマンガスコンロ)を自らネットオークションで落札して支給して下さるなど、お忙しいなか逆に側面からサポートして下さいました。

 

こうして細部に至るまでそのこだわりが詰まった無骨さとレトロな雰囲気がミックスした、お客様のイメージ通りの“ シンプル&スマート ”な空間が誕生しました!
今回の作品名である「switch(スイッチ)」は、お客様より提供して頂いたもので、大阪から京都へ生活の拠点を“ スイッチ ”されること、また従来型の住まいからリノベーション空間へとその暮らしを大胆に“ スイッチ ”されること、さらに文字通り電気の“ スイッチ ”などにも一方ならぬこだわりをお持ちだったことなどの意味を込めてネーミングされました。
あとはこだわりの家具やインテリアやオーディオなどを実際に配置され、さらにそこに経年変化が加われば、よりレトロで味わい深い空間へと変化して行くものと思います。

 

■物件概要/1972年2月新築(築後42年)・京都市中京区西ノ京北壺井町・区分所有マンション・個人住宅リノベーション・床面積62.41m²(壁芯)・構造:SRC造9階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面仕上:スケルトン(一部PB貼り)の上AEP塗装仕上・天井仕上:スケルトンAEP塗装仕上・床仕上:無垢オークフローリングオスモオイル塗布仕上・浴室:INAXユニットバス(リノビオ)・洗面室:TOTO壁付洗面ボウルおよびIKEA製ミラー貼り(施主支給品)、床Pタイル貼り仕上・WC:既存利用(レトロな形状のため修理の上敢えて利用)の上床Pタイル貼り仕上・玄関:300×600角磁器タイル貼り仕上・建具:シナOSCL塗装仕上(各建具とも施主支給無垢真鍮製金物使用)・リビング家具、棚板等:シナOSCL塗装仕上・キッチン:モザイルタイル貼りオリジナル対面キッチン(業務用特注キッチン使用)・その他:リビングコンクリートベンチ制作、寝室仕切りウッドブラインド(タチカワブラインド)施工

 

■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)