その他施工実例

2019.03.13 / その他施工実例細部のマテリアルにまでこだわりの詰まった アーティスティクなマンションリノベ

今回の作品は東山区の閑静な佇まいの中にあり以前からこんなマンションでリノベーションできたらなぁ〜と思っていたところでした。お施主様に初めてお会いしたのは当社でリノベーション済み販売物件として内覧会を行なった“cross”にお越しいただいたのがきっかけでした。古いマンションがリノベーションすることでこれだけ一変するのかということを実感いただきリノベーションのご依頼を早速いただきました。
リノベーションさせていただくマンションは既に取得済みでしたのですぐに内覧させていただき、どのようにリノベーションされたいかを含めて現地でお話しを伺いました。その時に一番印象の残っているお施主様からの一言が「1ヶ月後に入居できますか?」という言葉でした。もちろん即答で「無理です。」とお答えしたのを覚えております。お施主様にはできるだけ早く進めても最低その数倍の期間が掛かることをご説明しご納得いただいた上で進めさせていただきました。
それであれば急ぐ必要がなくなったのでということで逆にゆっくりと時間を掛けて行き違いがないように打ち合わせをさせていただくことになりました。その結果着工まで通常よりも2〜3ヶ月余分に打ち合せに日数を掛けることになりました。
いざ着工という時点になって思わぬアクシデントが発生して着工が遅れましたが最終的には無事解決して工事を着工することができました。このようなエピソードも今から思えば物件購入からお手伝いさせていただいてなかった分、お施主様との距離を一気に縮めるいい出来事となりました。

 

打ち合わせ当初からお施主様のこだわりが半端なく、細部にわたり詰める内容が多かったのですが、リノベーションをご依頼いただくお施主様はそれぞれ皆さんこだわりをお持ちですのでそれがまた楽しい一時でした。

 

それでは具体的にどのような内容であったかと言うことですが、まずこのマンションはRC造りですが小規模のマンションということで壁式工法のマンションで各部屋の間仕切りやドアの上部のタレ壁までコンクリートで出来ており自由に間取を変えられません。それを前提でのリノベーションをさせていただくことになりました。またコストを抑えるためできるだけ既存で使えるものは使うということで進めさせていただきました。
打ち合せを進める中でお施主様の譲れないポイントがいくつかあり、やはり床は無垢フローリングにされたいということで進めることになり、当初既存の建具を使う予定でおりましたがほとんど使えなくなるため、それなら建具を造る際にご主人がガラス工芸をお仕事とされているため、メインのリビングドアにステンドグラスと各部屋の建具にも小窓をガラスで創っていただけるということになりました。

 

まさにリノベーションならではのお施主様とのコラボが実現しました。そしてコストを考えることもありメリハリのある内容にするため壁と天井は既存下地を利用してクロス貼りにし、そのかわり床は無垢の幅広バーチフローリング使用するということやRC造りの壁式工法のため間取が変えられないぶん設備などの充実を図ることでイメージを一新するようにしました。
メインのキッチンはお施主様のこだわりでトーヨーキッチンを採用されカウンター兼対面キッチンというような感じに設えその背面には収納を設けてそう広くないキッチンスペースを有効にお使いいただけるようにしました。その壁面にはイタリア製のモザイクタイルを張ることで華やかな空間に仕上げさせていただきました。
リビングには大型のローボードやデスク+棚を設け新たに家具を置いていただかなくてもよく、また色合いも揃うよう設えました。その他にも様々なお施主様のこだわりがあったのですがひとつ取り上げるならコンセントやスイッチ類を通常タイプのものでは気に入られないということでエッジの効いたスクエアなタイプのものをお選びになったことです。

 

間取を変更したのはリビングに面した和室を洋室にさせていただいただけでそれ以外は全くゾーニングを変更していないのですが設備や内装を一新することでこれほどまでに同じ空間が変わるのかと思えるような好例に仕上がりました。
このように今回もいろいろありましたが完成した作品はお施主様の思いとこだわりのいっぱい詰まった素晴らしい作品となりました。
デザイン的にはリボーンキューブの今までのラインを踏襲したと言うよりもお施主様のご要望が色濃く出た仕上がりとなりました。

 

今回のネーミングは“ iridescenza ”と命名させていただきました。意味はイタリア語で“ 虹色 ”です。今回リノベーションさせていただいたキッチン壁面のモザイクタイルが光線の加減で虹色に光ることからイメージしてネーミングさせていただきました。
最後に総括として今回の作品はお施主様のこだわりをふんだんに詰め込んだ宝箱のようなリノベーションになったと思います。お施主様のセンスとリボーンキューブのデザインテイストをうまく織り交ぜたリノベーション作品となったのではないかとも思います。あとはお施主様にセンス良く住みこなしていただいてより洗練された空間にして仕上げていただけること間違いないと思っております。落着かれた頃にお伺いしぜひとも拝見したい作品となりました。
本当に楽しく内容の濃いリノベーションを一緒にさせていただけたことを、お施主様に感謝いたします。

 

■物件概要/1983年新築(築後29年)・京都市東山区・個人住宅リノベーション・専有面積101.46m²・構造:RC造4階建3階

 

■主要各部仕上および素材/壁面:スケルトンの上クロス貼り仕上(一部PB下地)・天井:既存下地の上クロス貼り仕上・床材:バーチ無垢フローリング(オスモ塗装仕上)・バスルーム:INAX製ユニットバス・シェルフ、クローゼット、建具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:イタリア製モザイクタイル貼り、トーヨーキッチン製システムキッチン・便器:INAX製等

 

■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)