その他施工実例
2019.03.13 / その他施工実例「ムダのないシンプルで個性的な空間」レトロでキッチュな中古マンションリノベーション
今回のお客様も「 中古購入 × リノベーション 」のご依頼を頂いたのですが、他社からのご紹介物件を気に入られたため、ご購入に際しての最終ジャッジのための内覧同行からリノベーションまでを弊社でお手伝いさせて頂きました。
物件の方は「 地下鉄五条駅 」より徒歩2分の“ 五条通 ”に面したシティマンションでした。また地上14階建と京都市内の中でもかなりの高層物件のひとつで、所在階の12階からは比叡山などの山々が一望できる眺望、日照ともに申しぶんのない明るく開放的なお部屋でした。
専有面積は約46m2とお一人でのお住まいに最適なサイズのお部屋で、ワンルームを2つくっつけた様なL字型の特徴ある形状のお部屋でした。
売りに出される直前まで賃貸にされていたらしく、リノベーション前の状態も比較的美しく改装された状態ではありましたが、これと言った特徴のない、ごく一般的な“ フツー ”の室内でした。
リノベーションに際してのお客様からのご要望は、望むと望まざるとに関わらず“ ムダな設備 ”や“ 過剰な内装 ”と共に暮らさなければならない従来型の住まいの在り方に違和感を持っておられたことから、シンプルさをさらにつきつめてムダを削ぎ落とした、どちらかと言えば殺風景なくらいの“ つき抜けた空間 ”をつくりたいと言うものでした。
そこで、リビング部分やベッドルームの床の仕上げも当初より一般的に人気のある無垢フローリングやカーペット仕上げなどではなく、どちらかと言えば無機質な質感のモルタル土間やPタイルで仕上げるなど、他とはひと味違ったテイストでまとめるべく打ち合わせが進んで行きました。
最終的にマンション側の規約により、リビングのモルタル土間仕上げの施工はNGと判断されたため、そこにはさらに無機質な質感の真っ白なPタイルを、ベッドルームや洗面室には、愛用のアンティーク家具などとの相性を考えて選ばれたグリーンのPタイルで仕上げさせて頂くことになりました。( 直近に改定されたらしいフローリング防音等級LL45施工遵守規定によりそれよりも防音性能が劣るモルタル土間仕上げはNGとなりました。 )
また、高さがチグハグでどことなくうっとうしく圧迫感のあった天井と、対面のメリットを活かし切れていない一世代前のカウンターキッチンなどにより実際の面積よりも視覚的に狭く感じられた空間をリボーンキューブオリジナルのオープンな対面キッチンにつくりかえ、また天井の方もスケルトン仕上げにすることによって全体に広がりを感じられる様にしました。
こうして、お客様のご要望通りムダのないシンプルで個性的な空間ができあがりました。
何もないお部屋だけの状態ではまさに殺風景そのものかも知れませんが、ここに愛用のアンティーク家具やその他の個性あるインテイリア、またお好みのファブリックなどがそれぞれ配置されることにより一気にレトロでキッチュな空間へとその雰囲気が一変することだと思います。
今回の作品名である「 ピメント( Piment )」は、ライターをなさっているお客様ご自身にネーミング頂いたもので、ピーマンの語源にもなっている“ 唐辛子や青唐辛子 ”の意味を持つフランス語の単語だそうです。ピメントとPタイルの“ P ”を引っ掛けてあり、またホワイトとグリーンのコントラストがピーマンとその中身のタネにソックリなこと、さらにピーマンの中身は空洞なのでその中に住めそう!?( しかも住んだら気持ちよさそう!? )だとイメージされたことなどからネーミングされたそうです。さすがの発想ですね!
■物件概要/1992年2月新築( 築後19年 )・京都市下京区楊梅通新町東入 上柳町・区分所有マンション・個人住宅リノベーション・床面積46.68m2(壁芯)・構造:SRC造14階建
■主要各部仕上および素材/壁面仕上:PBうえAEP塗装( 一部スケルトンAEP塗装仕上)・天井仕上:スケルトンAEP塗装仕上・床仕上:Pタイル貼り仕上(エントランスホールのみ無垢パイン材フローリング貼りOSオスモオイル塗布仕上)・浴室:INAXシステムバス(ノビリオ使用)・洗面室:INAX洗面ボウルのうえ床Pタイル貼り仕上( ミラー施主支給品・アンティーク品 )玄関:床Pタイル貼り仕上・建具、棚板等木部:シナOSCL塗装仕上・キッチン:100角グレータイル貼りオリジナルカウンターキッチン( 業務用キッチン使用)
■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)