その他施工実例
2019.03.18 / その他施工実例最小限のコストで対面キッチンの使い勝手の良い空間へ
今回の作品は今までの当社のリノベーションとは一線を画するリフォーム的なテイストが多分に入った内容になりました。
キッカケは今回のお施主もメンバー登録をいただき、当社が手がけたリノベーション作品の内覧会にお越しいただいたことで触発されたこともありましたが、実際にはまだ2〜3年先に具体的に考えようと思われておりました。そして良い物件があったら紹介して欲しいというご要望をいただいていたので、その条件に合いそうな物件をいくつかご紹介させていただいた中に今回お決めいただいた物件がございました。
この物件ですが、予算こそオーバーしておりましたが、それ以外の条件は立地や建物の大きさなどを含めてまさにご要望にピッタリあてはまる物件でした。ただもちろん資料だけでは解らないので参考も兼ねてまずは内覧いただくことになったのですが、この内覧をされたことで決定的になりました。まさに一目惚れされたと言っても過言ではありません。唯一の問題は予算オーバーであるということでしたが、その点はリノベーションの方で調整させていただくと言うことで早速物件を購入いただく段取りになりました。
お施主様が一目惚れされたほどの立地や建物の内容であったため、あと一歩遅かったら他の方が購入されていたほどの人気物件でした。そして無事にご契約いただくことが出来ましたが、当初より予算がオーバーしていたこともあり、住宅ローンで思わぬ誤算が生じ、四苦八苦しましたが何とか無事にご購入いただくことが出来ました。
そしていよいよリノベーションということになりましたが、コストを当初の予定金額よりも大幅に縮小しなくてはならなくなったことで最小限の範囲での改修をさせていただくことになりました。ですので当初想定されていたバルコニーを広げるなどの工事も取り止めていただき、究極に割り切った内容でさせていただくことになりました。そのようなこともあり、どうしてもリノベーションではなく、リフォームにリノベーションの要素を盛り込むようなカタチで提案させていただくことになりました。
具体的には、まず1階部分が当初ボックス型のガレージになっており、上手くゾーニング出来ていないことで車庫と物置、そして出入り口が交錯しておりました。それを今回それぞれの用途に合わせてゾーニングするように計画し直し、元々あった出入り口を塞ぎ、壁を作り車庫は車庫としてだけに使用し、また壁を作ったことでセパレートされた空間を物入れ兼自転車置き場として使用出来ることでそれぞれが独立して機能するようになりました。 そして次は、玄関とホールですがこちらは思い切ってクロスもそのままで全く手を加えずに使っていただくことでコストを一切掛けずにしました。そしてその分の費用を洗面室に掛けることにしリボーンキューブテイストの大きなミラーを持ったスッキリしたデザインの洗面室にすることで狭い空間を広く明るく感じていただくようにして効率的に使いやすくしました。
そして次に2階のキッチンも当初和室と分れていたために、キッチンと和室のどちらも中途半端な大きさで使いづらく、またキッチンは3階への通路も兼ねていたために非常に狭苦しいレイアウトでした。ですので今回その和室を取り払い2階を1室でゾーニングすることでキッチンをリボーンキューブらしい対面キッチンにし使い勝手と広さを確保しました。
また3階も同じように当初和室と洋室に分れており、洋室は納戸としてしか使えないほど窮屈な状態でしたが1室にゾーニングすることで広く明るく使いやすくなりました。そして2・3階ともお施主様のご要望で着色したパインの無垢フローリングに仕上げました。 その他はコストを抑えるために塗装を極力少なくして壁や天井はクロスで仕上げ、キッチンも業務用でシンプルにコストを掛けず、照明計画も敢えてせずにお施主様にペンダントなどを取り付けいただくようにしました。また浴室とトイレも既存をそのまま利用いただくようにして・・・と言うように究極に最小限のリノベーションに徹して大幅にゾーニングを見直すことで空間を広く明るく使い勝手良くするようにしました。
これらのことから今回は今までとは全く違う手法で提案させていただきました。そして結果的にフルリノベーションの半分ぐらいのコストで施工させていただくことが出来ました。
もしフルリノベーションまでは予算もないし尖れないがこれぐらいのユルさならいいなぁ〜と思われた方はぜひご相談下さいね。
また最後に今回の作品のネーミング「remix」は、この言葉からも連想出来ると思いますが“re”というキーワードでリノベーション、リフォームをミックスしたという意味合いからと新たに作りかえると言うような意味合いからネーミングさせていただきました。この様にいろいろな意味で再生させていただくものとそのまま活かせるものを上手く割り切っていただき融合できたのが今回の作品ではないかと思っております。あとはお施主様の感性で「remix」されたこの空間を素敵に暖かくお施主様のカラーで住みこなしていただけるとサイコーに楽しい空間になっていくと思います。
今回またリボーンキューブの新たな試みをさせていただけ大変勉強になった感慨深い作品でもありました。
■物件概要/1992年新築(築後18年)・京都市中京区・個人住宅リノベーション・延面積80.56m2・構造:木造在来工法スレート葺3階建
■主要各部仕上および素材/天井・壁面:PBの上クロス仕上、リビング床面:パイン無垢フローリング(オスモ塗装仕上)・洗面:大型ミラー・洗面ボウル・水栓金具、クローゼット、建具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:300角石目調タイル張り囲いの上、業務用ステンレスキッチン・キッチン水栓:TOTO製等:アトリエスペース壁面「 黒板塗装 」仕上、キッチン背面扉ウッドブラインド使用
■リノベーション期間/約1ヶ月(解体工事期間含む)