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2019.03.13 / その他施工実例 特徴的なRC空間を活かし シンプルかつおしゃれにデザインした戸建テラスリノベ

今回のお施主様は以前からご相談をいただいておりましたがなかなか物件が見つからずやっとのことでご自分で見つけられたためにリノベーションからのお手伝いをさせていただくことになりました。

 

今回の物件は非常に珍しいRC造りの2階建のテラスハウスになります。では早速どのようなリノベーションをさせていただいたかを含めて順にご説明していきたいと思います。まず最初にご説明したとおりRC造りのこのような建物は京都市内ではかなり珍しく公団だからこそできたテラスハウスの団地だと思います。そして前々からこの団地で一度リノベーションさせていただきたいと思っていたところ今回のお施主様よりご相談をいただき、まだ前所有者がお住まいの状態でしたがお施主様と一緒に内覧させていただきました。ビフォア写真からも垣間見えるとおりお住まいの状況がかなりひどい状態でした。そして築年数以上に古びており痛みも激しく内覧した印象が非常に悪かったのですがそのかわり空間がRC造りのため非常に特徴的でおもしろくまさにリノベーション向きな物件であるという印象を持ちました。ですので現状は別にして今回の物件は磨けば光り輝くこれぞリノベーション向きという物件でした。そしてまた裏庭も広く緑豊かでしたので室内との繋がりをうまく活かすことでこちらも生まれ変わると感じられました。このように素材としてかなりポテンシャルの高いRC造りならではな建物でしたのでぜひともリノベーションしたいと改めて思いました。

 

それでは具体的にどのようなご要望でリノベーションさせていただいたかですが、お施主様のご要望はいたってシンプルで『木の温もりを感じられるヴィンテージ感のある空間』ということでした。そしてご提示いただいた予算もこれだけのボリュームがある空間に比してかなり厳しいものでしたので出来る限りシンプルにデザインすることが前提でのご提案をさせていただきました。ですので当初は裏庭にもいろいろな木々を植え枕木も敷き詰めるように計画しておりましがそれは将来的な2期工事とすることにさせていただきました。

 

では順に具体的な内容についてご説明していきます。
玄関部分について、ドアは味のある木製ですので既存を利用することにし塗装をし直し、袖のガラスFIXをチェッカーガラスに入替えることで味のある印象に変えるようにしました。
水回りは浴室がRCで囲まれており広げられないことから出来る限り広くとるためにハーフユニットを採用し上部をレトロ感のあるモザイクタイルで仕上げました。
洗面はトイレの入口を別にすることで動線を確保して少しでもゆったりと空間を使えるように設えました。またコストを抑えるためにIKEA製の洗面ユニットを採用しました。
キッチンは当初IKEA製のシステムキッチンで計画しておりましたがこちらもコストを鑑みて業務用でシンプルに仕上げさせていただくことにしました。そしてお施主様のご希望で浴室と同じくヴィンテージ感のある細いボーダーのモザイクタイルを採用しました。
キッチンから一段上がったリビングそしてその向うのウッドデッキへと繋がりを持たせるため手摺に存在感を持たせないスチール製でシンプルにデザインしキッチンからウッドデッキそして裏庭までをひとつながりとして広がりのある空間に設えました。
そしてそのリビングから階段を上がった部分にも繋がりを持たせるように同じくスチール製の手摺のみで仕上げるようにし、第2リビング的にお使いいただけるよう開放的な空間としました。そして将来的にお子さんが大きくなられて部屋が必要になれば家具などで仕切れるように割り切っていただいたことでキッチンからこの第2のリビングまでがひとつながりの縦方向に開放的な空間を造ることができました。
1階寝室には入口部分にあった収納を取り除くことでRCで作られた階段を見せることができ圧迫感を和らげ視覚的にもおもしろい仕上がりになりました。
2階のお部屋はご主人の書斎兼ウォークインクローゼットとしてその間仕切りにお施主様から支給いただいたレトロな引き戸を取り付けました。そして何と言っても一番のお施主様のこだわりはオークの無垢フローリングです。いつも使っているオーク材の木目ではなく節の多いオーク材を採用することで独特の風合いと木の持つ温もりを感じられる仕上がりになりました。
全体としてRCの躯体を殺すように仕切ってあった造作壁や天井などを取り除き縦方向に広がる空間をとることでRC本来の持つ味のあるシンプルな空間を創ることができました。
裏庭は茂っていた雑草などを全て取り除き元々あった大きめの木を2本だけ残し照明を効果的に用いることでウッドデッキとも連動する空間に設えました。また玄関側は少しだけあった前庭の土間部分に枕木を敷き詰めヴィンテージ感のある仕上がりとしました。

 

以上のようにコストを抑えて非常にメリハリのあるデザインとして、素材であるRC造りを最大限活かして空間を構成することで開放的なヴィンテージ感のあるシンプルで美しいリノベーションらしい空間に仕上がったと自負しております。
今回のネーミングはフィンランド語で“ raita ”と命名させていただきました。意味は“ 縞(しま)”です。その理由は今回のリノベーション素材に特徴的なボーダータイルを使用しましたがそのボーダー柄からイメージしたことと、なおかつ北欧っぽい佇まいからフィンランド語でネーミングさせていただきました。

今回の作品もお施主様が落ち着かれましたらぜひ真っ先にお邪魔してどのように住みこなされているかを拝見したい作品となりました。そして今回のお施主様と本当に楽しく一緒にリノベーションさせていただけたことを感謝して最後を締めくくらせていただきたいと思います。

 

■物件概要/1980年新築(築後33年)・京都市左京区・個人住宅リノベーション・延面積75.87m²・構造:RC造スレート葺2階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面:RC躯体(一部PB)の上AEP塗装仕上・天井:RC躯体の上AEP塗装仕上・床材:オーク無垢フローリング(オスモ塗装仕上)・バスルーム:TOTO製ハーフユニットバス・シェルフ、クローゼット、建具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:名古屋モザイクタイル囲いの上、業務用特注キッチン・ガスコンロ:ハーマン製3口コンロ・洗面台:IKEA製・便器:TOTO製・その他:ブラケット照明、タイルカーペット、チェッカーガラス、既存サッシ入替え、枕木敷設、セランガンバツ材ウッドデッキ等

 

■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.13 / その他施工実例 上質な大人の空間に仕上げる隠れ家のようなマンションリノベ

今回も購入からリノベーションまでの全てをお手伝いさせていただきました。今回のお施主様はブログでもご紹介しておりましたが物件を内覧いただいてから実際に契約できるまでに半年以上掛かったといういきさつがありました。またそれまでも当初は郊外の一戸建をご希望だったのでいくつか物件を内覧いただいたりしておりましたので相当の期間を要してこうしてリノベーションが完了してお引渡しできることは本当に感慨もひとしおです。お施主様も同じ思いでおられるのではないかと思います。そんな思いのこもったマンションをリノベーションさせていただきました。

 

では少し物件の内容をご説明致します。今回の物件は四条通りからすぐで本当に街中ど真ん中なんですがそんなことを忘れさせられるような非常に閑静でひっそりとした佇まいのあるマンションです。こんなところにこんなマンションがあったのかと思わせるような場所でした。そしてその最上階のお部屋をフルリノベーションさせていただきました。
ビフォア写真では割合きれいに写っておりますが以前の所有者が猫を5匹ほど飼っておられたこともありそういい状態ではありませんでした。そして間取りは専有面積に比したよくある2LDKのオーソドックスなゾーニングでした。ですがこのお部屋からのロケーションが街中とは思えないぐらい開放感のある景色が広がっておりました。お施主様もこのお部屋からの景色が大変気に入られて即購入を決められました。なぜなら立地や環境が気に入ればあとはリノベーションでなんとでもできると思われていたからです。

 

それでは物件についてはこの辺にして今回のお施主様のご要望についてですが全体的に少しレトロな雰囲気を醸し出す空間をご希望されておりました。そしてカウンターキッチンでお店のような佇まいもご希望されてました。またスケルトンの感じがお好きなのでできるだけそのような仕上げになるようにというご要望もお持ちでした。またプロジェクターで映画などを観られたりオーディオにも凝られているのでそれらを飾りながら使いたいというようなご希望もお持ちでした。

 

これらのご要望を受けて今回のリノベーションを進めさせていただきました。
まずお部屋の形状が少しいびつでしたのでそれを逆手にとるように玄関を入るといきなりキッチンが目に入るまさにお店に来たようなゾーニングをご提案させていただきました。
そしてそのキッチンの両側にリビングとオーディオを楽しむスペースをそれぞれゾーニングしました。同じ空間ではありますがキッチンを境に使い方を変えることで緩く空間をまじ切るように設えました。
キッチン部分は深みのあるブルーのモザイクタイルで仕上げその壁面とのコントラストを楽しんでもらうように設えしました。キッチンはステンレスのシンプルなタイプをご希望でしたのでたまたまタイミングよく発売されたオールステンレスのシンプルなものをお選びいただきました。また床などは濃い目の色合いをご希望でしたのでリボーンキューブでよく使うオークの無垢フローリングにオスモ塗装を施して仕上げました。
スケルトンを活かして欲しいというご要望がありましたが如何せん最上階で角部屋のため天井と壁面のほとんどが断熱のためにスケルトンに出来ない状態でした。ですのでその分水回りの空間を区切る壁面をモルタルで仕上げてコンクリート面を敢えて造りスケルトンに変わるデザインを取り入れることにしました。
ベッドルームはWICを経てたどり着くというゾーニングにして床の仕上げもフローリングではなく濃紺のタイルカーペットですっきりと落ち着いた空間に仕上げました。またWICはミニマムですが収納量を確保するために縦の空間をうまく使い通路の天井を下げてその上にも収納が取れるように立体的に設えました。

 

このようにお施主様であるご夫婦がお二人でお使いいただくための最適な1LDKプラスWICのある空間を造らせていただきました。すっきりとシンプルにデザインさせていただいたことで落ち着きのある大人の空間に設えさせていただきました。

 

このように今までのリボーンキューブのデザインを踏襲しながらもレトロ感のある非常に落ち着いた佇まいに仕上がったのではないでしょうか。本当に非常にシンプルですがいい空間が創れたではないかと思います。まさに上質な大人の空間を創らせていただきました。
そしていつものように今回のネーミングはお施主様自らネーミングいただきました。タイ語で“ sabai ”と命名されました。意味は“ 快適・心地いい ”です。その理由はまさにお施主様がこの空間にお持ちになるイメージそのままです。それにお施主様自身が幼少期にタイで過ごされたということもあります。まさに今回の作品にぴったりのネーミングではないでしょうか。そして最後に今回の作品も完成するまでの思いが並々ならないこともありお施主様が落ち着かれましたらぜひお伺いしてこの大人な空間をどんな風に住みこなされているかを拝見したい作品となりました。

 

今回のお施主様とも長い道のりではありましたが本当に楽しくリノベーションさせていただけたことを感謝して締めくくらせていただきたいと思います。

 

■物件概要/1981年新築(築後32年)・京都市下京区・個人住宅リノベーション・延面積61.90m²・構造:RC造5階建5階部分

 

■主要各部仕上および素材/壁面:PBの上AEP塗装仕上(一部モルタル仕上げ)・天井:PBの上AEP塗装仕上・床材:オーク無垢フローリング(オスモ塗装仕上)・バスルーム:タカラ製ユニットバス・シェルフ、クローゼット、建具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:モザイクタイル(平田タイル)囲いの上、サンワカンパニー製ステンレスキッチン(ガスコンロ・食洗機付)・便器:TOTO製タンクレス・その他:パナソニック製レンジフード、タイルカーペット等

 

■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.13 / その他施工実例 愛猫と暮らすアンティーク風リノベーション

今回の案件は他社にて中古物件をお決めになった上でのリノベーションのみのご依頼でした。また、ご相談頂いたタイミングがご契約直前だったこともあり、住宅ローンのアドバイス等もあわせて対応させて頂きました。物件的には60㎡弱のマンションの角部屋で2面にバルコニーがあり、その窓から多くの緑や大文字も望めると言う絶好のロケーションでした。とは言え、現状はメインの開口部(サッシ)がリビングに取り込まれておらず、そのサッシ際にはそれぞれ個室が2部屋(和室と洋室)が配置されていました。このため、せっかくの抜け感のあるロケーションも肝心のリビングからは見渡すことがでませんでした。(現状の間取りは玄関付近に1室、メインの開口部に面して2部屋が配置され、その真ん中にリビングがあると言う、この当時のマンションによくあったパターンの3LDKになっていました。)

 

リノベーションに際しては、お客さまが大人お二人(プラス愛猫)と言うこともあり1LDK+収納ベヤくらいの間取りで十分だったため、そのロケーションを最大限に取り込んだ“広いリビング空間のある1LDK”をつくるべく打ち合わせを進めて行きました。デザインコンセプトはお客さまのご要望であるアンティークテイストと粗くたさが感じられる空間を表現することでした。また、お客さまご自身で素材的な部分も含めてある程度のイメージを固めておられましたので、ざっくりとしたプラン自体は早々に決まって行きました。(リビングのアール壁やアンティーク風ドア、ガラスブロック等もお客さまのアイデアでデザインに取り入れたものです!)あとは予算をシビアに見て行く中でフローリングをはじめとしたその他の素材およびキッチンやバスルームや洗面と言った設備面の仕様を取捨選択しながら固めて行きました。

 

そして、最終的に床材は以前の作品(「Doux」「frame」)でも使用した表情のあるアンティーク加工済のクリ材のフローリングを選ばれ、またデザイン上のメイン素材であるリビングドアにはお客さまが以前より心に決めておられたアンティーク風ドアを選ばれました。あと、コンセプトカラーに「蒼色(ブルー)」を選ばれ、コチラもお客さまのアイデアにより先のリビングドアを始めとして、所々にそれぞれ濃さの違うブルーをアクセントとして配置しました。(トイレのドアにも濃いブルーのアンティークガラスがはめ込まれています。)こうしてお客様のイメージ通りのアンティーク感と程良い粗さが共存した大人な雰囲気のリノベーション空間が誕生したのでした。

 

今回の作品名である「Old Blue(オールドブルー)」もお客さまよりご提供頂いたもので、コンセプトカラーである「蒼色」が年月を経てさらに深いアンティークなブルーに変化して行くさまをイメージされてネーミングされました。まさに今回のリノベコンセプトを的確に表現した、お客さまの思いの詰まったネーミングですね!

 

■物件概要/1985年12月新築(築後28年)・京都市左京区一乗寺大原田町・区分所有マンション・個人住宅部分リノベーション・専有面積58.50m²・構造:RC造5階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面、天井仕上:PB貼りの上AEP塗装仕上・床仕上:無垢クリフローリング仕上(アンティーク加工品)・浴室:TOTOユニットバス(浴室暖房乾燥機付)・洗面室:モザイクタイル貼りオリジナル洗面化粧台(施主支給アンティーク風洗面ボウル、水栓およびミラー取付)、床Pタイル貼り仕上・WC:TOTO(ピュアレスト)、床Pタイル貼り仕上・玄関:300角タイル貼り仕上・建具および棚板:シナウレタン塗装仕上(各建具とも施主支給アンティーク金物使用)・キッチン:サンワカンパニー(グラッド45アイランドタイプ)設置、床Pタイル仕上・その他:ガラスブロック施行、施主支給アンティーク風ドア取付、給湯機交換等

 

■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.13 / その他施工実例 昭和初期の面影を残す京町家を全面的にリノベーション

今回のお施主様も物件の購入からリノベーションまでをお手伝いをさせていただきました。また当初から町家を購入してリノベーションされることをご希望されていました。

 

まず物件のご購入経緯について説明致します。リノベーションさせていただいた物件にたどり着くまでにいくつか内覧をいただきましたがご相談を受けてから案外早い段階でネットに掲載されていたこちらの物件に出会うことができすぐに内覧いただきました。その時ほぼ同時で内覧された方がありその方も購入意思があったのですが、売主様がお施主様を選ばれました。その理由はこちらのお施主様は当然リノベーションして建物を再生される前提でしたが、一方の方は建物を壊して新築するということでした。それが建物を活かしてもらえる方に売りたいと希望されていた売主様の売却理由と合致したためお施主様にご購入いただけることになりました。
なぜ建物を利用される方に売主様が売却することを希望されていたかというと、この物件を元々所有されていた叔父様から相続されたのですがその叔父様が大変気に入って大切に建物をお使いだったことが最大の理由でした。またその叔父様が譲り受けられる前の所有者がこの建物を建てられた方でその方が大工さんで自宅用にこの建物を建てられたという歴史があり、そのようなことからもぜひとも建物を活かしていただける方に売りたいというご希望をお持ちだったんです。本当にこちらとしては願ったり叶ったりでしたがリノベーションするが故に得たアドバンテージの好事例になりました。このような経緯があり無事に物件をお施主様にご購入いただけることになりました。
今回のお施主様はご主人様がイギリスの方で奥様が日本の方です。町家にされた経緯をお聞きするとやはりイギリスでは古い建物を活かすという土壌が元々あるので古い町家をリノベーションで再生するというのは本当に当たり前の考え方のようです。日本でもこうした考え方がリノベーションの普及によりだいぶ認知されるようになってきましたがこれからはイギリス同様本当に当たり前のことになって欲しいと思います。

 

では次に本題であるお施主様のリノベーション希望についてお話したいと思います。まずお施主様よりのご希望ですが、町家ということで土間のスタイルを残したいということを当初からお持ちでした。また囲炉裏や畳のスペースが欲しいということ、そして2階のベランダを活かしたいということ、それにガレージも確保したいというようなことなどをご要望としてお持ちでした。そして全体的なイメージとしては和モダンな空間でホテルライクな雰囲気がお好きとのことでした。これらのご要望を踏まえてプランニングを進めていきました。リボーンキューブ初の本格的な町家リノベーションということでお施主様にも増して並々ならない意気込みがありました。それらが結実して今回の作品が出来上がりました。

 

具体的な内容をお話したいと思います。
1階の元々の間取りはガレージがなく建物が道路際いっぱいまで建っておりましたが、1階部分を凹ますことでガレージとアプローチをとるようにゾーニングしました。アプローチには間接照明を配して表札を兼ねたデザインを取り入れ、なおかつ枯山水の小さな庭を設けました。こうすることであたかも住宅ではなくどこかのお店にでも訪れたかのような錯覚をおこすアプローチに仕上がりました。
元々の町家の通り庭はそのまま採用し収納とキッチンを土間部分に設けました。またそのまま奥にゾーニングした水回りまで土間を通って行くという大胆なゾーニングをしました。
また中庭を活かしたいというご要望もお持ちでしたので広くはとれませんが1階のリビングからの眺めを考慮してミニマムでも主張のある中庭に設えました。
キッチンは全面タイル張りでキッチン自体もタイルで造るスタイルにして新しいですがどこか懐かしい雰囲気のある町家らしい設えにしました。
奥にゾーニングしたトイレや洗面、バスルームには踏み石を通ってアプローチするように配置しました。特に洗面とバスルームは在来工法で全面タイル張りとしガラスで仕切ることで一体感のあるホテルライクな空間に設えました。
リビングには元あった書院をそのまま残しデザインの一部に取り入れリビングから庭の眺めるとその一部に見えるようにしました。
2階はベッドルームと開放的な囲炉裏のあるスペースそしてその奥のベランダまでを一体としてとらえ繋がりのある開放的な空間に設えました。ベッドルームは3枚の引き戸を閉めることでプライベートゾーンになるよう緩く仕切るようにしました。  囲炉裏を切った小上がり部分は天井も抜いて梁を見せる仕上がりにしたことで開放感が増した上に町家独特の空間を造ることが出来ました。
その奥にあるベランダへは鉄骨でローカを作り繋げることでこのベランダまでもがひとつの空間として使えるように設えました。囲炉裏のある小上がりから下を覗くと火袋(吹き抜け)部分からキッチンが見えるという設えにしました。

 

このようにかなり大胆に割り切ったゾーニングをさせていただくことで町家の持つポテンシャルを最大限に引き出せる空間が創れたのではないかと思っております。そしてリボーンキューブならではの和モダンな空間がデザインできたと自負しております。まさに今回初の本格的な町家リノベーションにはピッタリな気合の入った空間に設えさせていただけたと思っております。

 

今回のネーミングはお施主様ご自身にスワヒリ語で“Nzuri(ンズリ)”と命名いただきました。意味は“good,nice,beautiful”ということだそうです。お施主様がタンザニアにおられた時に覚えられた大好きな言葉ということで今回の作品にまさにピッタリなネーミングですね。本当にお施主様ならではのネーミングでとても思いつかない発想です。
今回の作品もお施主様が落ち着かれましたらぜひお伺いしてみたい作品のひとつとなりました。今回もお施主様とともに本当に楽しくリノベーションさせていただけたことを感謝いたします。

 

■物件概要/昭和初期に新築、築年数は不詳(築後推定約80年前後)・京都市中京区・個人住宅リノベーション・延面積83.72m²・構造:木造瓦葺2階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面:PBの上AEP塗装仕上・天井:既存板張り(一部PB貼りの上AEP塗装)の上OS塗装仕上・床材:オーク無垢フローリング(オスモ塗装仕上)・洗面、バスルーム:全面モザイクタイル張り在来工法仕上げ・シェルフ、クローゼット、建具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:モザイクタイル張り(オリジナル造作キッチン)・ガスコンロ:パロマ製2口コンロ・便器:リクシル製・その他:ブラケット照明、チェッカーガラス、既存サッシ入替え、庭造作一式、セランガンバツ材ウッドデッキ等

 

■リノベーション期間/約2ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.13 / その他施工実例 遊び心の北欧アンティークテイストリノベーション

今回の案件は中古物件のご購入からリノベーションまでトータルにお手伝いさせて頂きました。東京在住のお客さまでしたが、ご実家のある京都伏見方面にて戸建もしくはマンションを求めておられました。遠方と言うこともありメールにていくつかの物件をご紹介させて頂く中で、初めてご内覧頂いた今回のマンションを気に入って下さりご契約頂くこととなりました。物件的には郊外立地ならではの床面積82㎡東南角住戸で、南向きのメインバルコニーに面した明るくて開放感のあるリビングが特徴のお部屋でした。元の間取りは4LDKのゾーニングになっており、恐らく普通ならそのままお住いになるであろうレベルの室内状況でした。(その分内覧時に売主さんがいらっしゃる前でお客さまとリノベーション後のイメージをやり取りさせて頂くのに若干気兼ねを感じましたが・・・。)

 

リノベーションに際しては、当面はお二人住まいと言うことやご家族が増えられても合わせて三人くらいとのことでしたので、間取り的には2LDK程度のゾーニングとして、その分リビングルームをできるだけ広く取って行くプランニングをご要望されました。またお客さまがレトロテイストな文具を取り扱われているお仕事をされていることから、デザインの方向性も自ずとそちらの方向で固まって行きました。とは言え、単にテイストが感じられるだけの空間では面白くないと言うお考えをお持ちだったため、その中に“遊び心”を取り入れて行くカタチで打ち合わせを進めて行きました。その点でのこのお部屋の特徴は、何と言っても主寝室を敢えて「ロフトベヤ」に仕上げたところだと思います。決して高いとは言えない天井高の空間でしたが、それを一方は二段ベッドの様なイメージに、またもう一方は階段を付けてさらにロフトっぽく、さらにそちらのスペースにはお家でデスクワークをされる奥さまのために“掘り込み”デスクスペースも設けました!その他にもバルコニー際にプランター用フックとハンモック用フックを取り付けたり、最近にわかに人気沸騰中!?の“懸垂バー”も取り付けさせて頂きました!あとはお客さまがショップで見つけて来られたアンティークランプを照明計画に加えたりなど、お客さまの好みの“モノ”をプランに落とし込んで行きました。もちろん広い専有面積を活かし収納スペースもタップリと確保させて頂きました。

 

そうしてお客さまが想い描いておられた“北欧アンティークテイスト”にさらに“遊び心”がプラスされた、お洒落でいながらワクワクと楽しい暮らしがイメージできる空間が誕生したのでした!また今回の作品名もお客さまよりご提供頂いたもので、コンセプトの通り“遊び心”を意味した「Playful(プレイフル)」とネーミングされました。しばらくの間は東京と京都を行き来されるライフスタイルになられる様ですが、一日でも早く、また一日でも長く京都に帰っていたくなる様なお部屋になったことと思います!

 

■物件概要/1996年1月新築(築後17年)・京都市伏見区村上町・区分所有マンション・個人住宅部分リノベーション・専有面積81.28m²・構造:RC造7階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面仕上:PB貼りの上AEP塗装仕上(一部スケルトンAEP塗装仕上)・天井仕上:スケルトンAEP塗装仕上・床仕上:無垢チークリフローリングヘリンボーン貼り仕上・浴室:リクシル(リノビオ浴室暖房乾燥機付・施主支給)・洗面室:オリジナル洗面化粧台、床300角タイル貼り仕上・WC:リクシル(アメージュ・施主支給)、床300角タイル貼り仕上・玄関:モルタル土間仕上・建具および棚板:シナOSCL塗装仕上(各建具ともアンティーク風金物使用)・キッチン:モザイルタイル貼りオリジナル対面キッチン(業務用キッチン使用・IHコンロ施主支給)、床300角タイル貼り仕上・その他:リビング全面床暖房施行、バルコニーウッドデッキ仕上、懸垂バー取付、給湯機交換等

 

■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)