Topics

2019.03.12 / その他施工実例 町家リノベーション。昔ながらの鍾馗さんや箱階段を設えた和モダン

今回のお施主様は町家の物件をお探しになっておられ、物件の購入からご相談いただいておりましたが、実際には物件自体をご自分で見つけられたことから、リノベーションからのお手伝いをさせていただきました。それでは早速どのようにリノベーションさせていただいたかについてご説明させていただきます。
まず今回の物件は先程お話したように町家物件ですが、非常に状態が悪く建物自体が傾いており、雨漏れもありましたのでリノベーションで再生可能かどうかを、お施主様自信が半信半疑なところをお持ちでした。そうしたことからリボーンキューブと並行してご相談されていた工務店があり、その工務店に再生が可能であるどうかのジャッジを確認されてから購入を決められました。そして購入を決定されたことから具体的にリノベーションをリボーンキューブか、その工務店かどちらに依頼するかを検討された結果、デザインを含めてリノベーションに実績があるリボーンキューブに全面的にお任せいただけることになりました。

 

それでは次にお施主様の具体的なご要望ですが、対面式のさながらバーのようなカウンターのあるキッチンをご希望され、また1階部分は自宅でお仕事をされることも多いために、事務所のような使い方ができること、そして細かく部屋を区切るのではなく、キッチン部分と事務所として使う部分とを広く1室空間として使えるようにご希望でした。そしてお仕事柄かなりの書籍を所有されておられるため、収納量の多い本棚をご希望でした。それから町家の雰囲気を出来るだけ残しつつ、すっきりとした和モダンな空間にしたいというご要望でした。
また京都市の助成を受けたいというご要望もお持ちでしたので、町家の耐震をアップさせることで耐震助成金を受けられる制度を活用されることになりました。そのため、それに伴う施工前後の写真や添付資料などを作成する作業もさせていただきました。そしてこれらのご要望を満たしつつ、和モダンにデザインされた空間をゾーニングさせていただきました。

 

ではまず外部からその内容をご説明しますと、できるだけ現状を残したいというご要望でしたので、ファサード部分以外は現状を踏襲しました。また屋根がかなり傷んでおり、雨漏りも見受けられたことから、全て葺き替えないといけない状態でしたが、同じ瓦で葺き替えると荷重がかかり過ぎ、建物によくないことと、屋根勾配があまり取れていないことなどからガルバリウム合板で葺き替えることにしました。そしてファサード部分はリボーンキューブならではのデザインとしてシンプルですが和モダンな雰囲気が醸し出されるように設えました。また元々お地蔵さんがこの建物の角部分にありましたのでその部分はそのまま触らずに現状を維持しながら施工させていただきました。それからお施主様のご希望で元々玄関灯として点いていたレトロな丸い照明をそのまま使いたいとのことから、配線など劣化していた部分は取り替え、その古いままの照明を再利用させていただきました。そして鍾馗さんも付けたいとのことでしたのでお施主様より支給いただき、玄関上に取り付けさせていただきました。これらによりファサード部分を刷新しましたが、新しくなり過ぎることなく周囲の景観にも違和感なく溶け込むファサードに仕上がったのではないかと思っております。

 

続いて室内に移らせていただきますと、まず玄関を入ると最初に目に飛び込んでくるのが特徴的な建具ではないでしょうか。和モダンな空間をより一層引き立たせるリボーンキューブオリジナルデザインの建具になります。
その建具を開けるとバー仕様のカウンターキッチンが現れます。こちらは本格的な業務用キッチンに設え、お施主様のご希望であった、さながらバーの如く、お店の厨房仕様に仕上げました。そしてこの特徴的なデザインされた建具を開け放つと、奥の間と一体となり広く空間を使えるようにゾーニングしました。
その奥の間にはこれも町家の代名詞である箱階段を設えました。こちらももちろんリボーンキューブオリジナルデザインとなっており、取手などの金具を厳選し、元々そこにあったかのような自然な風合いに仕上げております。
水周りも本格的な仕様で造らせていただきました。まずトイレは手洗いを設けてミニマムな空間ですが、使いやすい清潔感のある空間に仕上げました。洗面室と浴室は全面タイル張りとし、洗面部分と浴室部分とでタイルの大きさや色にこだわって張り分けることで、ホテルライクでラグジュアリーな空間に仕上げました。
そして次に2階に移りますが、2階部分は天井が低くあまり階高が取れないことから、天井部分を勾配天井にし、少しでも階高をとれるようにしました。壁面一面を本棚として設え、書斎兼仕事部屋としてお使いになる空間として落ち着きのあるデザインに仕上げました。
その書斎から奥にある寝室はシンプルに大きめの収納を取り、タイルカーペットで仕上げることで少し趣の違う、落ち着ける空間として仕上げました。

 

このようにお施主様のご要望を満たしつつ和モダンで落ち着きのあるリボーンキューブならではの空間にデザインさせていただきました。また新たな趣の違った町家リノベーション作品としてラインナップさせていただけました。

 

今回のネーミングについてですが、お施主様ご自身にネーミングいただきました。その名を“Ushimitsu-doki(うしみつどき)”と命名いただきました。意味はご説明するまでもありませんが、このネーミングにされた理由は、お施主様自身が夜遅くまでお仕事されることが多く、そんな夜更け時でもゆったりとくつろぐことができる空間であるようにという思いから、このネーミングにされました。まさに草木も眠る丑三つ時でもこの空間であればカウンターに座ってバーボンを楽しみながらゆったりと過ごしていただけるような感じがしますよね。
今回もぜひお施主様が落ち着かれましたらお伺いしてみたい魅力的な作品になりました。そして最後に今回もお施主様とともに本当にすばらしいリノベーション空間を創らせていただけたことに感謝して締めくくらせていただきたいと思います。

 

■物件概要/明治22年頃に新築、築年数は不詳(築後推定約125年前後)・京都市東山区・個人住宅リノベーション・延面積83.53m²・構造:木造瓦葺2階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面:PBの上AEP塗装仕上・天井:既存板張り(PB貼りの上AEP塗装)の上OS塗装仕上・床材:杉無垢フローリング(オスモ塗装仕上)・洗面、バスルーム:全面モザイクタイル張り在来工法仕上げ・シェルフ、クローゼット、建具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:業務用(シナカウンター)・便器:リクシル製・その他:格子建具(ワーロン紙)、箱階段、格子窓(チェッカーガラス入)、既存サッシ入替え、庭造作一式、ガラッパ材ウッドデッキ等

 

■リノベーション期間/約2.5ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.12 / その他施工実例 広い土間とホビールームのあるテラスハウスリノベーション

今回の案件は中古物件のご紹介(仲介)からリノベーションまでをトータルサポートさせて頂きました。また、最初にご相談頂いてからおよそ5ヶ月ほどで物件が見つかりご契約頂きましたが、その後売主さんのご都合により取引(残金決済および引き渡し)までさらに5ヶ月程の期間を要しましたので、その間に打ち合わせを終え、物件引き渡し直後にロスなくリノベーション工事に取り掛かれる様に進めて行きました。(結果、ご相談からお引っ越しまでトータルで1年あまりの期間となりました。)物件そのもののご要望は自然環境が感じられる立地であることと、敷地および建物ともにゆとりがあることでした。このため、ご実家近くの向日市周辺および北区・左京区方面を中心にご紹介させて頂きました。その中で、広さ的に特にゆとりのある今回の物件に巡り合うことができご契約頂くことになりました。物件的には郊外立地ならではのサイズ感で、土地面積125m²(約38坪)、建物の延べ床面積は117m²(約35坪)と前述の通り稀少とも言えるゆとりの広さがありました。

 

リノベーションに際しては、床面積が広いこともあり全体をシンプルにまとめ、万遍なく予算が行き渡る様に進めさせて頂きました。また、既存の状態でも広さが感じられるゾーニングにはなっていましが、建物の構造が鉄骨造と言うこともありましたので、その特性をいかしてさらに間仕切り壁等を取り払った大空間をつくるべく打ち合わて行きました。ゾーニングプランとしては、1階は玄関を兼ねた広い土間のフリースペースとホビールーム、2階は全面リビングダイニング、3階にはベッドルームとスペアルーム(将来のキッズルーム)と収納ベヤと言う“3LDK+フリースペース&収納ベヤ”とすることで早々に決定しました。(ちなみにその他にもガレージ3台分プラス空地および別棟でプレハブ小屋も付いていると言うゆとりぶりです。)デザインテイストとしては、先の通り全体をシンプルにまとめて行く方向でしたので、自ずと鉄骨造の素材感をいかした無骨なイメージで固めて行くことになりました。

 

また、こちらのケースでも他の戸建リノベーションと同様ご希望予算に対して見積額が結構な額オーバーして出て参りましたので、当初は見積もりに入れさせて頂いていた外構工事をはじめとして、大幅な予算削減の打ち合わせを経ての決着となりました・・・。(その結果、外構工事および3階部分については既存のまま手を付けず将来的にDIYにて対応されることになりました。)しかしながら、基本の部分ではお客さまのご要望を落とし込んだ、十分にご満足頂けるリノベーション空間をお届けすることができたと思っています!
また、今回の作品名は前述のデザインテイストを意味した「rugged(ラギッド)」とネーミングさせて頂きました。(今回はお任せ頂いたので当方でネーミングさせて頂きました!)まさに、無骨で飾り気はないけれど味わいの感じられるカッコイイ空間に仕上っていると思いませんか・・・?

 

■物件概要/1981年5月新築(築後33年)・京都市北区上賀茂神山・テラスハウス・個人住宅リノベーション・施工床面積80.38m²・構造:鉄骨造3階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面、天井仕上:PB貼りの上AEP塗装仕上(リビングダイニングはスケルトンAEP塗装仕上)・リビングダイニング床仕上:無垢オークフローリングOSおよびオスモ塗装仕上・その他居室等床仕上:Pタイル貼り仕上・浴室:リクシルユニットバス(キレイユ1616タイプ)・洗面室:オリジナル洗面化粧台、床Pタイル貼り仕上・WC:リクシル(アメージュ・施主支給)、床Pタイル貼り仕上・玄関:モルタル土間仕上・建具および木部:シナOSCL塗装仕上・キッチン:木囲いおよび黒皮鉄板貼りオリジナル対面キッチン(業務用キッチン使用)・その他:都市ガス引込工事(施主対応)、給湯器交換等

 

■リノベーション期間/約2ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.12 / その他施工実例 マンション最上階の角部屋を 眺望良いミッドセンチュリーな空間にリノベーション

今回のお施主様は結婚されたばかりのご夫婦で新居としてお住まいいただくため物件の購入からリノベーションまでの全てをお任せいただきました。

 

それではいつものようにどのような経緯で物件をご購入いただいたかというエピソードからお話したいと思います。お施主様がお住まいだったのが向日市のため、当初向日市や長岡京市を中心に阪急またはJR沿線の駅から徒歩圏で物件を探しました。そしていくつか物件をご覧いただきなかなか思うような物件がなかったところ、お施主様が転職をされたいとのご意向で、物件探しを2〜3年先延ばしすることになりました。しかし昨今の時勢からも転職は思い直される事になり、半年ほどのブランクの後に物件探しを再開しました。そして再開するにあたり改めて物件探しをするエリアを再考され、京都市内の阪急沿線を中心に探すことになりました。そしていくつか物件をご覧いただいた中から今回リノベーションさせていただくことになった物件を大変気に入っていただき、ご購入いただくことになりました。
結果的に気に入っていただいた物件は、お施主様が当初ご希望されていた条件とはかなり違う内容(立地やマンションの規模、駅からの距離感など)となりましたがそれもこれも数々の物件をご覧いただいたことから導き出された結果のため、非常にご納得いただいた上で物件をお決めいただけたので正解だったと思っております。

 

今回のお施主様のように物件探しからずっとお付き合いさせていただく場合は、ご納得いただける物件が見つかるまで、それこそ何年でもとことんお付き合いさせていただいております。それだけリノベーションにおいての物件探しは重要であると考えております。それは一般的な不動産業者と違って物件を購入いただくだけが仕事ではなく、気に入って購入いただいた物件をお施主様の思い通りにリノベーションして最終的に快適におしゃれにお住まいいただくことが目的だからです・・・
ということで物件探しのお話はこれぐらいにさせていただき、次にどのようにリノベーションをさせていただいたのかをご説明させていただきます。

 

今回リノベーションさせていただいた物件は11階建の最上階で南西の角部屋の専有面積が約70m²と広めのマンションになります。この眺望・陽当り・風通しの良いお部屋をお施主様のご要望であるミッドセンチュリーな空間にリノベーションさせていただきました。

 

メインであるリビングは、まずキッチン部分について作業台を兼ねた水槽部分とガス台部分とを対面に配置し機能的に、広く使いやすいキッチンに仕上げました。
キッチン周りには深みのあるグリーンのモザイクタイルを張りレトロな雰囲気に仕上げ、猫ちゃんを飼われる予定のためキッチンの収納部分は全てクローズできるように設えました。キッチン部分の収納扉にはリボーンキューブでお馴染みのシナベニアではなく、味のある木目が特徴のウォールナットを採用させていただき、床のチークフローリングのヘリンボーン張りと相まってよりミッドセンチュリーテイストを醸し出せるように設えました。
またもうひとつの見せ場としてリビングの一角に本棚兼デスクを設え、その壁一面を基調色である濃紺で塗装することで、よりミッドセンチュリーな雰囲気を高めるように設えました。そしてキャットウォークを造り、通り道になる部分に遊び心たっぷりにアールのついた抜け穴を設えました。リビング窓側にはハンモックを吊るせるようにして、楽しみながらくつろいでいただける空間としました。

 

玄関部分は少し広めにとりたいというお施主様のご要望から、土間部分を広めに取り自転車などが置けるようにゾーニングし、最上階で風通しがよいことからも、普段は玄関ドアを開け放して換気ができるようにするためオリジナルの玄関網戸を造らせていただき、基調色である濃紺で塗装して仕上げました。
寝室には玄関側に小窓をとり通風と明かり取りの両方を兼ねられるようにし、その小窓も基調色である濃紺に塗装することで室内からも玄関からもアクセントになるように仕上げました。
水周りはお施主様のご要望で浴室は広めの1坪タイプのユニットバスを採用しました。洗面にはサンワカンパニー製のシンプルな洗面台を採用させていただきスッキリと機能的な空間に仕上げました。トイレはいつものようにシンプルに仕上げて扉付きの収納をとり、お施主様より支給いただいたアンティーク調のペーパーホルダーとタオルレールを取り付け仕上げました。
WICは大きめにゾーニングして両側にハンガーポールを取り、ご主人がお持ちのたくさんの帽子をストックできるように棚を設け、その突き当たり正面にお施主様より支給いただいた大きめのミラーを取り付け、十分な収納力を確保しながらもすっきりと使いやすく設えました。

 

以上のように、お施主様のご要望である1960年代の古き良きアメリカを彷彿させるミッドセンチュリーなデザインを施しながらも、全体としてリボーンキューブらしいシンプルかつ洗練された空間に仕上げさせていただきました。

 

今回のネーミングは、“arco(アルコ)”と命名させていただきました。意味はアールのついた抜け穴の形状からアーチを連想し、それをイタリア語でネーミングさせていただきました。その思わく通りに猫ちゃんがキャットウォークを通り、抜け穴をくぐって行き来する様子を思い浮かべながら、お施主様も楽しく快適にお住まいいただければと願っております。

 

最後に今回もお施主様と共にすばらしいリノベーション空間を創らせていただけたことに深く感謝して締めくくらせていただきたいと思います。

 

■物件概要/1982年新築(築後32年)・京都市右京区・個人住宅リノベーション・延面積69.00m²・構造:SRC造11階建11階部分

 

■主要各部仕上および素材/壁面:PBの上AEP塗装仕上(一部スケルトンの上AEP塗装仕上げ)・天井:PBの上AEP塗装仕上・床材:複合チークフローリングヘリンボーン張り仕上(寝室・WIC床材:複合ブラックウォルナットフローリング張り)・バスルーム:タカラスタンダード製ユニットバス・シェルフ、クローゼット、建具:シナOSCL塗装仕上(キッチン収納:ウォルナット突き板)・キッチン:モザイクタイル貼り、サンワカンパニー製システムキッチン(シンク、水栓金具、ガスコンロ・食洗機)・便器:TOTO製・その他:富士工業製レンジフード、サンワカンパニー製洗面ユニット、オリジナル木製玄関網戸等

 

■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.12 / その他施工実例 コストを抑えて京都タワーの見える開放的な3LDK+ウォークインクローゼットにマンションリノベーション

今回のお施主様はご夫婦と小学生のお子さんが2人おられる4人家族様です。今回も物件の購入からご相談いただいておりましたが物件の方はタイミングよくご希望にあった物件をご自分で見つけられましたのでリノベーションからお手伝いをさせていただくことになりました。ただし物件購入に思ったよりも費用が掛かられたこともあり、リノベーション費用をその分絞ってさせていただくことになりましたことから、できるだけコストを抑えメリハリの効いたリノベーションをさせていただくべく臨ませていただきました。

 

それではどのようにリノベーションをさせていただいたのかをご要望を踏まえながらご説明させていただきます。
今回リノベーションさせていただいたマンションは南西角部屋の4階部分でしかも専有面積が約70m²と広く、風通しや陽当りの良いお部屋でした。お部屋の窓から京都タワーが見え、4階ですが周辺に高い建物がないことからも非常に眺望がよいお部屋でした。その空間をご家族4人でお住まいになるため、お子さんそれぞれの個室(お子さんが小学生で男の子と女の子のため、それぞれに個室を希望でした。)とご夫婦の寝室それにWICをご希望でしたので3LDK+ウォークインクローゼット(WIC)というリボーンキューブとしては専有面積の割合からすると部屋数の多いゾーニングを計画させていただきました。また色を多用したいというご要望があり、部屋ごとにテーマカラーをお聞かせいただきながら、くどくならずにすっきりと空間に溶け込むようにデザインさせていただきました。

 

具体的にはまず水周りからご説明しますとコストを抑えることを最優先として、既存位置の通りとして大きさや配置も変えずにリニューアルしました。浴室と洗面室にはテーマカラーにグリーンをとり入れ、爽やかで明るい空間に仕上げました。次にトイレは狭いこともあり、敢えてビビッドなレッドを壁の一面にだけ塗装し、インパクトのある空間に仕上げました。

 

寝室は隣接する大きめにゾーニングしたウォークインクローゼット(WIC)を含め、全面濃いブルーで配色し建具のホワイトが浮き出るように配色しました。ただし壁面は塗装ではなくコストを抑えるためにイメージに合う色のクロスを採用しました。そしてこの寝室とWICは元々あった洋室を、広さを変えず入口位置だけを変更し、ミニマムの寝室部分とほぼ同じ大きさのWICというゾーニングに変更しました。

 

次に子ども部屋ですがリビングに隣接しており、南側バルコニーに面することから、リビングに南側からの採光を取り込めるように扉部分を框引き戸に設え、子ども部屋を通してリビングにも陽射しが入ってくるように計画しました。子ども部屋の広さは等分し、ミニマムですが机とベッドが置けるスペースを確保しました。テーマカラーは明るいブルーでしたので壁一面だけをそれぞれ塗装して仕上げました。

 

最後にリビングキッチンですが元々あった和室部分をリビングに取り込むことでその窓から見えていた京都タワーをリビングに居ながら望めるようにゾーニングし、キッチンも対面に変更したことで料理をしながらリビングを見渡せるよう開放的にゾーニングにしました。また収納部分は壁色に合わせてホワイトで塗装して扉の存在感が無いように設えました。
ご主人の書斎は広さ的に確保できませんでしたが、それに代わる設えとして、リビングの収納扉を開けるとデスクと本棚が現れるようにしました。
そしてなんと言っても一番ボリュームのあるキッチンのタイル部分ですが、色やタイルの形状などを含めてかなり迷われお決めいただいたタイルがあったのですがすでに在庫切れであったため、再度選び直し厳選いただいたモザイクタイルを張らさせていただきました。結果的として非常に表情が豊かでよい色合いのモザイクタイルだったため、リビング空間をグッと引き締め、よい意味で存在感のある仕上がりになりました。そしてそれに合わせリビング入口扉も濃いブルーに塗装しましたのですっきりと仕上がりました。またメインの床材もいろいろと検討された結果、ヴィンテージ感がありなおかつコストが抑えられるボルドーパインのヴィンテージ加工を施した無垢フローリングを採用いただきました。それによりモザイクタイルとの相性も非常に良く自然な仕上がりになりました。

 

以上のように色を多用させていただきましたが、写真をご覧いただいた通り全く違和感なくバランスのとれた落ち着きのある空間に仕上げさせていただけたのではないでしょうか。

 

このようにお施主様のご要望を最大限に満たしつつ、なおかつできる限りコストは抑えてリノベーションさせていただくことが出来た良い作品事例となりました。
今回のネーミングについてですが、やはり今回のリノベーションの特徴である色から連想させていただき、いくつかご提案させていただいた中から、お施主様にお選びいただき“indigo(インディゴ)”と命名させていただきました。意味は“青藍を呈する染料”ということで、今回いくつかの色を使わせていただきましたが、その色の中でも一番象徴的な色だったのではないでしょうか。そういう意味からもまさしく今回の作品にぴったりなネーミングになりました。

 

最後になりましたが、今回リノベーションさせていただいた空間でご家族が仲良く楽しくそしておしゃれに暮らしていただければなによりですし、その空間をリボーンキューブで創らせていただけたことに深く感謝して締めくくらせていただきたいと思います。

 

■物件概要/1984年新築(築後30年)・京都市東山区・個人住宅リノベーション・延面積70.69m²・構造:SRC造7階建4階部分

 

■主要各部仕上および素材/壁面:PBの上AEP塗装仕上(一部スケルトンの上AEP塗装仕上げ)・天井:スケルトンの上AEP塗装仕上・床材:ボルドーパイン無垢フローリング(ヴィンテージ仕上げ)・バスルーム:LIXIL製ユニットバス・シェルフ、クローゼット、建具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:モザイクタイル貼り、サンワカンパニー製システムキッチン(シンク、水栓金具、ガスコンロ・食洗機)・便器:LIXIL製・寝室、ローカ、洗面:壁、天井クロス仕上げ、床:タイルカーペット仕上げ・その他:H&H製レンジフード、サンワカンパニー製洗面ユニット等

 

■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.12 / その他施工実例 京都嵐山ヴィンテージマンションをラフ&お洒落にリノベーション

今回の案件も物件のご紹介からリノベーションまで、トータルでサポートさせて頂きました。また、緑の多い住環境と広さの点に特に重点を置いておられたため、お問い合わせ当初は北区・左京区方面にて主に一戸建をご紹介させて頂いておりました。しかしその両方のご要望を満たすとなりますと、今度は交通便がかなり不便になるなど、なかなかピッタリとご希望に当てはまる物件がない状況でした。そうして1年半くらいが経過した頃、通勤可能で緑の多い住環境エリアと言うことで“嵐山方面”を希望エリアに加えても良いとのご連絡を頂きました。

 

そうして、それから間もなく今回のマンションが売りに出て来たためご紹介させて頂いたところ、周辺環境・交通便・床面積ともにご要望を満たしていると言うことで大変気に入って頂くことができご購入頂くに至りました。立地的には阪急嵐山駅5分(嵐電駅も徒歩圏内)で通勤にも不自由なく、何と言ってもスグ目の前に嵐山の河川敷公園が広がると言う抜群の住環境で、加えて共用の屋上からは渡月橋をはじめとした嵐山界隈の景観をパノラマ眺望できると言う旅行者が泣いて喜びそうな贅沢な眺望がありました。

 

物件的には築後40年が経過していたものの建築当初は屈指の高級マンションだったことを窺わせる瀟洒な佇まいを有しており、まさにヴィンテージマンションと呼ぶに相応しい建物でした。専有面積も89.40m²と街中のマンションでは考えられない稀少な広さがあり、室内からの眺望は抜群と言うほどではありませんでしたが山の木々を間近に感じることができ、また採光・通風共にとても自然な感じの快適な住戸でした。何よりも専有面積が圧倒的に広かったためリノベーション後のイメージが広がりやすかったのが良かったと思います。

 

リノベーションに際してのご要望は、ファッションブランド発祥の「ジャーナルスタンダード」テイストのインテリアを好んでおられたことから、コンクリート・ウッド・アイアン・ステンレス等の素材を活かしたラフさを残した空間をつくることでした。打ち合わせに際しては、他ジャンルではあるもののお客さまご自身もプロのデザイナーさんであったことから、写真等の資料をご用意頂くと共に手書きのラフプランもご用意頂くなどしてイメージをお伝え下さいました。そう言う意味では多くの部分に強いコダワリをお持ちでしたが、先の通りお仕事柄打ち合わせにおける意思疎通もスムーズで、まさに絶好のコラボレーションとなりました!

 

ゾーニング的にはウォークインクローゼットを有したメインベッドルームと将来的にふた部屋に可変できるフリールームとリビングダイニングと言う2LDKながら、エントランススペース等を含めかなりゆとりのある専有面積の広さを活かしたものとなりました。(キッチンスペースもお二人並んで料理を楽しんで頂けるゆとりの広さを確保しております!)こうして、お客さまのイメージ通りのラフさを残したお洒落なコダワリ空間が誕生したのでした!

 

作品名の「iyia mas(ヤマス)」はお客さまより頂いたネーミングで、デザインコンセプトとは直接的に関連しませんが、何でもハネムーンで訪れられたギリシャの言葉で“乾杯!”を意味するそうで、新しい住まいでご友人たちを囲んで美味しい手料理を振舞いながら皆でワイワイやりたい・・・とのご夫婦揃っての想いに沿ってネーミングされました。ネーミングの通り、このお部屋でワイワイ楽しく日々“乾杯!”のグラスが合わせられるシーンが目に浮かんで来そうです・・・!

 

■物件概要/1974年8月新築(築後41年)・京都市西京区嵐山中尾下町・区分所有マンション・個人住宅リノベーション・専有面積89.40m²・構造:RC造4階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面、天井仕上:スケルトンの上AEP塗装仕上(壁面はPB貼り仕上)・床仕上:無垢オークフローリングオスモ塗布仕上(寝室・WICサイザル麻カーペット、フリールームタイルカーペット貼り仕上)・浴室:既存利用・洗面室:オリジナル洗面化粧台(ミラーキャビネットとも・シナOSCL塗装)、床Pタイル貼り仕上・WC:LIXIL(アメージュ)、床Pタイル貼り仕上・玄関:モルタル土間仕上・建具および特注家具:シナOSCL塗装仕上(WC建具のみシナAEP塗装仕上)・キッチン:モザイクタイル囲いオリジナル対面キッチン(イケアキッチン、特注業務用キッチン使用)、床Pタイル貼り仕上・その他:チェッカーガラスはめ込みオリジナル室内窓制作、玄関網戸建具取付他

 

■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)