その他施工実例

2019.03.13 / その他施工実例こだわりが詰まった東欧テイストのリノベーション空間

今回は「 中古購入 × リノベーション 」のケースで、物件のご紹介からリノベーションまでの全てを弊社でお手伝いさせて頂きました。
今回の物件は、近年の地下鉄東西線の延伸に伴って格段に利便性が向上した“ 西大路御池 ”から徒歩4分とほど近く、それでいてとても閑静で落ち着いた住宅地と言う立地です。
専有面積も71.27m2と比較的広めで、また所在階が5階にありながら、その内部がメゾネットになっている( 5 〜 6階メゾネット )と言う、マンションでは希少なタイプのお部屋でした。
お客様と共に現地内覧に行った際のお部屋の状態は、空家ではありましたが、“ たった今までそこに住んでおられた? ”と思えるほど、家財道具一式がそのまま残されており、また室内もどちらかと言えば“ コテコテ ”に汚れている様な状況でした。

 

しかし、5 〜 6階の南向のバルコニーからは遮るものが一切ない、遥か遠くの景色までもが一望できる眺望が、さらに北側の窓からは程良い距離感で大文字がクッキリと望めると言う絶好のロケーションがありました。

 

また、驚くほどの風通しの良さなどもあり、リノベーション後の快適な暮らしが容易にイメージできる、とてもポテンシャルの高いお部屋でした。( さらに6階にあったリビングダイニングには3帖大のルーフテラスも付いていました。 )

 

その様な好条件のお部屋でしたので、それまでの数件の物件の内覧では「 悪くはないけれど決め手に欠ける・・・ 」と、何かと躊躇されていたお施主様も、まさに即決でお決めになられました。

 

リノベーションに際してのお施主様からのリクエストは、デザインテイスト的には、ルーマニアに在住経験がおありだったことから( 在ルーマニア日本大使館の公邸料理人と言うご経歴で、現在はフランス料理のレストラン「DOLCH」を経営されています。 )、全体を東欧風にまとめること、そして、間取り的には将来に備え、可変的に使用できる2LDKのゾーニングと、併せてグラフィックデザインのお仕事をされている奥様のワークスペースとしてのアトリエをプラスしたゾーニングにしたいとの内容でした。  まず、お施主様が頭の中でイメージされている東欧風のテイストのデザインをビジュアル化するため、インテリア雑誌から気に入られたお部屋の写真などの切り抜きを頂いたり、手書きのラフなイラストを頂いたりしながら打ち合わせを進めて行きました。

 

また、ゾーニング的には上記のご要望を事前にお伺いした上で、まずはこちらの方で2通りのゾーニングプランをご用意させて頂きました。
“ A案 ”は、リノベーション前の間取と同様、リビングダイニングを上階( 6階 )に配したプランで、ルーフテラスとの繋がりを生かしたものでした。
対してもうひとつの“ B案 ”の方は、より広いリビングダイニングを確保するため、上階( 6階 )にあったリビングダイニングを下階( 5階 )に移動したプランで、比較的床面積の小さい上階( 6階 )に寝室とバスルームを配したものでした。

 

そして、この2通りのプランを熟孝して頂いた結果、最終的に“ B案 ”の方で進めて行くことになりました。

 

 “ A案 ”のプランは、ルーフテラスの魅力を最大限に生かすと言う点ではとても良いプランではありましたが、上階( 6階 )の床面積が小さいことから、どうしても現実的なリビングダイニングの広さが確保しにくいと言うデメリットがあったためです。

 

このため、より広いリビングダイニングが確保できる“ B案 ”を選択されたのでした。( このプランの場合、ルーフテラスは寝室にあるプライベートスペースとして利用するスタイルになります。 )

 

そうすることで、結果的に下階( 5階 )はご友人などの来客を気兼ねなく招くことができるスペースとして利用でき、一方上階( 6階 )は完全なプライベートスペースとして完全に区分けることができ、ある意味メゾネットのメリットを最大限に生かせることができました。

 

また、今回のリノベーションの特徴的な仕様に、奥様のたってのご要望で実現した“ ヘリンボーン ”貼りの床フローリングがあります。
専有面積が比較的広く、またメゾネットであることから、同等面積の平面の部屋よりも全体の施工面積が増えることから、そのぶん予算的に若干タイトな状況になりがちで、一時は採用が危ぶまれる?場面もありましたが、最終的には無事に実現して頂くことができました!

 

その他にも、奥様のお好みで揃えて頂いた真鍮製のドアノブやアンティークや陶器製の取っ手、そして洗面ボウルや水栓器具などの設備品、さらに“ IKEA ”で購入された洗面ミラーやトイレの便座カバーなどの備品などを取り付けさせて頂くことで、お施主様のこだわりがより反映された空間に仕上げることができました。( こうしたお施主様とのコラボレーションもリノベーションの楽しみのひとつです。 )
この様にして、お施主様の沢山の想いを詰め込んだ“ 東欧テイストの1LDK( 可変2LDK )+ アトリエスペース ”のリノベーション空間が誕生したのでした!
最後に今回の作品名である「 kiki 」ですが、このネーミングは、お施主様ご自身にお決め頂いたのですが、これは在ルーマニア時代の慣れない暮らしの中で色々な辛いことなどもおありだった中、その苦楽を共にされた“ 愛猫 ”の名前だそうです。その愛猫が生活に多くの潤いをもたらしてくれたそうで、共に過ごされた楽しい時間への愛着と、これから、この部屋でスタートする素敵な暮らしへ想いを込めてネーミングされました。
こうした過去の素敵な想い出を呼び起こしたり、素敵な未来へのイメージが膨らむのもリノベーションの魅力ではないでしょうか。

 

■物件概要/1986年3月新築( 築後24年 )・京都市中京区西ノ京原町・区分所有マンション・個人住宅リノベーション・床面積71.27m2( メゾネットタイプ )・構造:RC造6階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面および天井:スケルトンAEP塗装仕上( 一部PBうえAEP塗装 )・床仕上:無垢チーク材フローリングヘリンボーン貼りオスモオイル塗布仕上( 寝室のみタイルカーペット貼り仕上 )・浴室:INAXシステムバス( リノビオ使用 )・洗面室:造付洗面カウンターのうえ床Pタイル貼り仕上( ミラー施主支給品・IKEA製 )・WC:Pタイル貼り仕上( 便器は既存利用・便座は施主支給品・IKEA製 )・玄関( アトリエスペース併用 ):300角テラコッタ風磁器タイル貼り仕上・建具、棚板等木部:シナOSCL塗装仕上・キッチン:モザイクタイル貼りオリジナルカウンターキッチン( 業務用キッチン使用 )・その他:アトリエスペース壁面「 黒板塗装 」仕上、キッチン背面扉ウッドブラインド使用

 

■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)