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2019.03.30 / その他施工実例 ロンハーマンテイストを取り入れた潮風感じるサーファースタイルなマンションリノベ
今回のお施主様は物件の購入からご相談いただき進めておりましたが、結果的にご相談をいただく前にすでにご覧になっていたマンションを購入されることになり、リノベーションからお手伝いさせていただきました。ですが、その物件の購入に際して、ご希望されているリノベーションが可能かどうかをジャッジするために一緒に内覧させていただき、現地にてリノベーションで出来ることと出来ないことをアドバイスさせていただき、ご納得の上で購入いただくこととなりました。
それではリノベーションの内容についてお話していきたいと思います。今回リノベーションさせていただく際の最大の特徴は、お施主様のご要望でロンハーマンテイストな空間をご希望されたということです。それはお施主様がサーファーで、ご主人と奥様の出会いもサーフィンだったことからです。そのことから、現状の間取りや設備は本当にどこにでもあるような一般的な専有面積80m²ほどのマンション空間でしたが、その空間を潮風感じるロンハーマンテイストな空間に生まれ変わらせるということで、今まで以上に気合の入るリノベーションになりました。そしてお施主様よりこのご要望をいただき、リボーンキューブがご提案した空間は、空間全体をルーバーで間仕切るというデザインでした。このデザインをご提案した際に、そのインパクトにお施主様が一瞬唖然とされ、少し考えさせて欲しいと言われて、その場は一旦ペンディングのまま打ち合わせを終了させていただきました。
ですが、結果的に早々にお施主様からご連絡をいただき、提案させていただいたルーバー案を採用いただけることになり進めさせていただきました。
その理由をお聞きするとそのすぐあとに実際のロンハーマンショップに行かれ、雰囲気を再確認され、ルーバーが使ってある状態を確認されて、弊社がご提案したテイストがありだと思っていただけたということでした。
そしてこうして基本コンセプトが決まりましたので、それに沿ってゾーニングなど細かなことを打ち合わせして詰めさせていただきました。
そしてその決まった内容を、順を追ってご説明していきますと、まず玄関ですが広めの土間空間をご希望でしたので、できるだけ広く確保して、その土間空間にサーフボードやウェットスーツが濡れたままでも置けるように設えさせていただきながら、シューズクローゼットとしてもお使いいただけるように工夫し収納を設けました。また土間であることから、室内ですが室外のような空間として捉え、照明も外部のイメージを連想するようなマリンランプを壁面に取り付けて、遊び心たっぷりの空間に設えさせていただきました。
そしてその並びにゾーニングしたWICはシンプルにハンガーポールと棚板の仕様にして、玄関側でシューズクローゼットにした部分をWIC側では棚の様に設えてちょっとしたものを置いていただけるように設えました。
そして次に寝室はローカを挟んで向かい側にゾーニングし窓側をルーバーで覆って、あまり美しくない窓付けのエアコンが視界に入らないすっきりした空間に仕上げさせていただくようにしました。また寝室とWICは床材に無垢パインフローリングを採用してラフ感のある仕上がりにさせていただきました。
そしてローカ、キッチン、洗面室の床を趣のあるテラコッタタイルで仕上げさせていただくことでフローリングとはまた違った質感の楽しさと使いやすさを得ることが出来ました。
次に水回りですが、トイレはいたってシンプルにデザインし、床にはローカとは違う質感のタイルを採用させていただくことで空間を分けて、タンクレス便器と相まって、すっきりと設えさせていただきました。
次に洗面室は洗面ボウルをカウンターの中央に取り、ミラーと併せてシンプルに仕上げましたが、床のテラコッタタイルが表情豊かであることから、さながらホテルライクな心地いい空間に仕上がりました。
次にキッチンですが、このキッチン空間にマッチし、なおかつ奥様のご要望であるオーブンレンジをビルドインできるキッチンということで、お施主様といろいろなメーカーを検討した結果、IKEAを採用することになり、キッチンバックのIKEA収納と併せて使いやすく、統一感のある充実したキッチン空間となりました。そしてキッチンバックの壁面にはホワイトとネイビーの形状の違うタイルを貼ることで、ビーチをイメージ出来るような空間に設えにさせていただくことができました。またキッチンカウンターはハイカウンターに仕上げ、カウンター下はいつものようにタイルで囲うのではなく、エイジング塗装を施した杉板を張ってさながらビーチハウスのようなイメージに仕上げさせていただきました。
そしてリビングには節があり表情豊かなオークフローリングを採用し、ルーバーの表情とも相まってキレイ目ですが、どことなくラスティックなイメージの空間に仕上げさせていただきました。
全体をこのようにデザインさせていただき、ご提案させていただいたルーバー建具を積極的にお施主様に採用いただけたことで、今までにない楽しくおしゃれな仕上がりの空間を創り上げることが出来たのではないかと思っております。
以上のように今回もお施主様とリボーンキューブとで楽しく創らせていただいた空間は、まさにオンリーワンな表情豊かな素敵な空間に仕上がりました。
そして次に、今回のネーミングについてですが、お施主様よりご提案いただき”malibu(マリブ)“と命名させていただきました。その意味は、カリフォルニアの地名であり、サーファーならずとも知る人ぞ知る有名なビーチリゾートで、ロンハーマンのショップもある憧れの地です。本当に今回の作品にこれほどないぴったりなネーミングではないでしょうか。そして最後になりましたが、今回のリノベーションもお施主様と共に非常に楽しく意欲的な空間を創らせていただけたことで、街中に存在するマンションでありながら、すぐそこに素敵なビーチがあるかのような錯覚すら覚える作品となりました。そして、このような素晴らしいリノベーション作品を創らせていただけたことに心から感謝して終わらせていただきたいと思います。
■物件概要/1982年新築(築後35年)・宇治市木幡・個人住宅リノベーション・延面積78.79m²・構造:RC造7階建3階部分
■主要各部仕上および素材/壁面:PB(一部スケルトン)の上AEP塗装仕上(一部クロス仕上)・天井:スケルトンの上AEP塗装仕上・床材:オーク無垢フローリング仕上、テラコッタ調タイル仕上、パイン無垢フローリング仕上・バスルーム:リクシル製ユニットバス・洗面室:大型ミラー、造り付け収納、TOTO製洗面ボウル・建具:特注ルーバー建具(ウレタン塗装仕上)・キッチン:タイル馬目地貼り仕上、IKEA製キッチン、IKEA製キッチン収納・便器:TOTO製・その他:H&Hjapan製レンジフード、照明器具一式、真鍮製タオルレール、玄関網戸建具制作、エアコン2基等
■リノベーション期間/約2ヶ月(解体工事期間含む)
2019.03.30 / その他施工実例 広いリビングに大きな本棚。3LDK+ウォークインクローゼットのマンションリノベ
今回のお施主様は物件の購入からリノベーションまでの全てをお手伝いさせていただきました。まず、今回のお施主様についてですが、お住まいが少し遠方で京都の最北の日本海側でした。そのため、何度も物件を内覧にお越しいただくことが困難なため、それを省略するべく出来る限りメールでやり取りし、これという物件に絞って内覧いただくように進めました。そのお探しの物件についてですが、京都市内からは少し郊外になる右京区や左京区などの地域をご希望のため、街中とは違ってゆったりのんびりと暮らせる環境のよいマンション物件をご希望でした。また、お子さんが3人おられるため、将来的にそれぞれに個室を確保できればということから、マンションとしては広い専有面積をご希望でした。それらの条件を満たす物件を探しましたが、郊外であっても思った以上に広い専有面積の物件が少なく、結果的に該当する物件は数件しかございませんでした。(もちろんご予算との兼ね合いもあり、出来るだけ手頃な価格で探していたためです。)
そして、お子さんの学校の新学期を新居で迎えられるようにするため、逆算して期限を決めて探させていただきました。そして、その期限に間に合う売出し中の物件を数件内覧いただいた中から、今回リノベーションさせていただいたマンションを気に入っていただき、ご購入いただけることになりました。このマンションは専有面積がちょうど100m²あり、マンションとしては広い方で、管理状態もよく、戸数も比較的多いマンションでした。また所在階は3階と低層階ですが、南向きバルコニーで南側に遮るものがないことから、陽当たりも眺望もよいという条件を気に入っていただけました。そしてこの広い専有面積の物件をお施主様のご要望に沿ってリノベーションさせていただきました。
また、前述したように遠方にお住まいで、小さなお子さんもおられることから、打ち合わせ回数を出来るだけ少なくし、図面を都度メールでお送りして打ち合わせするというスタイルを取りましたが、お施主様のご協力もあり、非常にスムーズに進めることが出来ました。
それでは、具体的にどのようにリノベーションさせていただいたのか、内容をご説明していきたいと思います。
まず、玄関から順にご説明しますと、玄関は広めをご希望でしたが、ゾーニング的にお子さんの部屋を2室確保することから、あまり広く取ることができないので、元々の広さを踏襲しましたが、必要なシューズクローゼットをデッドスペースに効率よく設けることですっきりと確保し、視覚的にも以前より広く感じられるように仕上げました。また、元々細長くゾーニングされた空間のため、必然的にローカが長くなることから、リビング入口には敢えてドアを設けず、玄関からリビングまでをひとつながりの動線とすることで、ローカの長さが強調されないようにゾーニングしました。また、将来的に子供部屋として使用される予定の個室を、玄関側に2室確保し、その1室を少し広めに取り、ミニマムですが2分割してお使いいただけるように設えました。また、個室や寝室でよく使用するタイルカーペットは、お施主様のご要望で使用せず、全室にオーク無垢フローリングを採用してシンプルに仕上げさせていただきました。また、お施主様のご要望から、基本的にトイレを除き、建具は全て引き戸を採用し、扉を開け放して使用されることも多いことから、それに対応できるように仕上げました。次に和室と隣接した大容量のWICは、その和室との仕切りを無くし、一体の部屋として設えました。またこのWICの建具を無くした理由については、お子さんが小さいうちはご家族全員(ご夫婦を入れて5人)で、和室にふとんを敷き、みんなで寝たいというご要望から、全員が寝られるスペースをミニマムで確保しつつ、隣接のWICからふとんがスムーズに出し入れできるゾーニングとさせていただきました。そしてまた和室は、リビングとローカからアクセスできる扉を引き戸で設え、その2方向を開け放すことで風通しよくお使いいただけることを想定して設えました。そして次に水回りですが、まずトイレは配管の関係から、同じ場所にほぼ同じ大きさで作らないと収まらないため、当初は広めのトイレ空間をご希望でしたが、収納棚やペーパーホルダーなどのアイテムでアクセントをつけ、シンプルですっきりした空間に仕上げることで、視覚的に広く感じていただけるように設えました。また洗面室も、広い空間をご希望されていたことから、こちらは出来る限り広く、ゆったりとゾーニングにさせていただきました。そして大きなミラーを採用することで、普通でも広い洗面空間をより広く明るく感じられるように設え、洗面ボウルもそれに合わせて大型の実験用を採用し、お子さんの洗濯物をそこで洗えるように設えました。また、大型の造り付け収納を取り、たくさんのタオルや小物なども充分収納できるように設えました。そして浴室も広めをご希望でしたので1坪タイプに近い大きさのユニットバスを採用してお子さんと一緒にゆっくり入っていただける広さを確保しました。
そして最後になりましたが、メインのLDKは、当初アイランドキッチンで計画しておりましたが、お施主様のご要望で壁付けに変更させていただきました。そのことでキッチンとリビング空間を一体として広く使っていただけるようにゾーニングしました。そしてキッチン壁面は、艶のあるタイルを馬目地張りし、表情豊かに仕上げました。キッチンはシンプルに業務用キッチン(お施主様のご要望でビルドイン型のガスオーブンレンジを業務用キッチンに組み込みました。)を採用し、アイレベルの壁面にマグネットバー(包丁などをくっつけるため)やステンレスレール、ステンレス棚などを効率よく取り付けて使い勝手が良く仕上げました。そしてお仕事柄、蔵書がたくさんあるため、リビングに大容量のブックシェルフとデスクを造り、お子さんの勉強スペースとして、また書斎スペースとして、フレキシブルにお使いいただけるように設えしました。そしてペンダント照明を3灯とったスペースには、ダイニングテーブルを置いていただき、その壁面部分に、飾り棚(小物や絵などを飾っていただけるスペース)とその下部スペースには、お施主様がお持ちの食器棚をはめ込んで収納としてお使いいただけるようダイニング空間として仕上げさせていただきました。 以上のようにリボーンキューブでデザインさせていただいたリノベーション空間は、お施主様の暖かい人柄が感じられる素敵な空間に仕上がりました。
そして次に、今回のネーミングについてですが、いくつかご提案させていただいた中から“団欒“というキーワードを気に入っていただいたため、そのまま日本語で採用させていただき、ローマ字で”DANRAN(ダンラン)“と命名させていただきました。その意味はまさにそのままですが、ご家族がこのシンプルで飾らない北欧テイストの空間で、楽しく賑やかに団欒される様子がまざまざと思い浮かんだことから、このネーミングがぴったり馴染むと感じました。そして最後になりましたが、今回も物件の購入からリノベーションまでのすべてをお任せいただき、お施主様と共に楽しく有意義に打ち合わせをさせていただき、結果的にこのようにすばらしいリノベーション空間をご一緒に創らせていただけたことに心から感謝して終わらせていただきたいと思います。
■物件概要/1992年新築(築後25年)・京都市右京区・個人住宅リノベーション・延面積102.72m²・構造:RC造7階建3階部分
■主要各部仕上および素材/壁面:PB(一部スケルトン)の上ケツロナイン塗装仕上(一部AEP塗装仕上)・天井:スケルトンの上AEP塗装仕上・床材:オークユニ無垢フローリング仕上・和室:目積畳仕上・バスルーム:リクシル製ユニットバス・洗面室:大型ミラー、造り付け収納家具、TOTO製洗面ボウル、グローエ水洗金具、大型ブックシェルフ・シェルフ、クローゼット、建具:シナベニアの上ウレタン塗装仕上・キッチン:セラミックタイル馬目地仕上、業務用キッチン・便器:リクシル製・その他:H&Hjapan製レンジフード、リンナイ製ガスオーブンレンジ、IKEA製ステンレス棚(照明付)、IKEA製マグネットバー、LED照明器具、真鍮製タオルレール、エアコン3基等
■リノベーション期間/約2ヶ月(解体工事期間含む)
2019.03.30 / その他施工実例 京町家をローコストで一棟貸の宿(ゲストハウス)にリノベーション
こちらの案件はリボーンキューブ初の“ゲストハウス”リノベーションでした。また、こちらのお客さまについては、先立つことおよそ半年くらいに前に別の物件で一度ご相談頂いており、ファーストプランのご提案プロセスくらいまで進捗していたのですが、その時はご事情によりやむなく計画中止となったため改めて仕切り直してのご相談でした。
立地的には二条城の北あたりのエリアとなり、JR二条駅(地下鉄二条城駅)徒歩圏内でしたので、周囲の京都らしい趣のある街並みと相まってゲストハウスとしては打って付けの好立地と言えました。ただ、事業用案件であることから、施行面積に比してタイトなご予算設定だったため、当該物件を見つけられた初期の段階より一緒に現地を拝見させて頂きつつ、ご希望予算内で開業に漕ぎ着けて頂けるレベルの工事対応が可能かどうかのジャッジさせて頂くところからスタートしました。
建物的には内外装とも相当老朽していたものの、昔のまんまの“京町家の佇まい”が良い状態で残っており、ヘンに改装等の手入れがなされていなかったぶん、造形的にもそのまま使えそうな点が多かったことなどが功を奏し、事前の調査で何とかゴーサインを出させて頂くことが出来ました。(それをもってお客さまの方も物件のご契約を進められたのでした。)
打ち合わせについては事業用案件と言うことと、前述の通り既存の造形を生かして行く箇所が多かったこともあり、普段の住宅リノベーションと比べますとかなりスムーズ(短時間)に進んだ印象があります。とは言え、打ち合わせが進んで行く中でせっかくならここもあそこも・・・と、どうしても施行項目が膨らみがちになって行きましたので、一方では見積もり金額を心配しながらの打ち合わせとなりました。
そうして出て来た実際の見積もりですが、先の心配が現実となり!?予算をかなりオーバーしたものとなりました・・・。そこで、今度は思い切って“取捨選択”をして行くことになったのですが、とは言えゲストハウスとして開業するためには、どうしてもやっておかなければならない施行項目も結構ありましたので、逆に住宅リノベーションの場面よりも厳しい点がありました・・・
しかしながらこの場面でも、やはり既存の佇まいを生かせる点が多かったことが幸いし、最終的には当初のご予算よりも幾らかオーバーはしたものの、何とかゲストハウスとしてのカタチを整えられるレベルのリノベーションが出来るメドが立ったのでした!(また、今回のお客さまが滋賀で大きな旅館を経営されていたことから、そちらに数多くの“書”や“骨董”を所蔵されており、それらを備品としてゲストハウスの方へ持って来られる点もかなり大きかったと思います・・・。)
こうして、古き良き京町家の趣を最大限に生かした“ゲストハウス空間”が誕生したのでした!もちろん今回はリノベーションの設計施工だけではなく、ゲストハウスの開業に欠かせない「旅館業」の許認可のお手伝いの方もさせて頂きました。具体的には、所轄区役所(保健衛生課)へのヒアリングのための同行および同申請書類作成補助、消防設備適合証明取得のための申請および同検査立ち会い等々です。そんなこんなで、こちらの手続きに関しても施行完了後直ちに消防検査〜証明書受理、次いで旅館業許可申請〜許可証受理・・・とスムーズに進んで行ったのでした。
なお、今回はいつもの様に作品名としてのネーミングをすることはなく、お客さまが先に経営されている旅館の屋号をそのまま使われました。ただ、そちらの旅館の“別邸”としての位置付けから、“庵”と言う文字を付け加えられその名称とされました。なお、今回は敢えてゲストハウスとして開業された後に撮影をさせて頂きましたので、いつもとはまた一味違ったビフォー・アフターをお楽しみ頂ければと思います!
■物件概要/築年数不詳・京都市上京区中務町・京町家戸建・ゲストハウスリノベーション・延べ面積98.10m²・構造:木造瓦葺2階建
■主要各部仕上および素材/壁面、天井仕上:既存利用のうえ(一部PB貼りの上)AEP塗装仕上・1階客室床仕上:無垢杉板貼り仕上(OS塗装仕上)・2階客室床仕上:畳敷き仕上・ラバトリー:洗面台造り付けのうえ壁・床タイル貼り仕上・浴室:在来工法タイル貼り仕上・トイレ:便器等既存利用のうえOSCL塗装仕上・建具:既存利用の上OSCL塗装仕上・その他:ウッドデッキ施行他
■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)
2019.03.30 / その他施工実例 和風建築の木造一戸建を広いビルトインガレージを設えたおしゃれな一戸建にフルリノベーション
今回のお施主様は、リボーンキューブのHPをご覧いただき、奈良県天理市からご依頼いただきました。ご依頼いただく際にエリアの確認をいただき、奈良県天理市でも弊社がリノベーションを取り組めるかどうかお聞きいただき、もちろん全く問題なく取り組めるエリアですとお答えして進めることになりました。また、少し遠方のため、何度も打ち合わせにご来社いただくのが難しいようであれば、メールなどでやり取りして進められる旨もお伝えしましたが、打ち合わせには都度お越しいただけるとのことでしたので、スムーズに打ち合わせを進めさせていただくことが出来ました。実際京都から電車でのアクセスも良く、1時間半で現地に着くため想像していた以上に近い印象でした。
では今回リノベーションさせていただいた建物について具体的にお話ししたいと思いますが、木造2階建の一戸建で、普通と少し違うところがあり、それは再建築が出来ない地域であることと、1階の一部を事務所テナントとして貸し出されているということでした。今回のように再建築が出来ない物件は京都にはたくさんあるため、全く奇異に感じませんが、京都以外では珍しい事象のようです。ただし今回の建物は道路が公道でないという法的な問題だけで、実際の状態は前面道路に車が通行できる道幅が充分ありました。ですが、建築基準法上は公道に面していないために建て替えが出来ない地域ということになり、これを生まれ変わらせるという意味からも、まさにリノベーション向きな建物でした。そして、もう一点の普通と少し違うところは、建物1階部分の一部を事務所テナントとして貸し出されていることですが、今回のリノベーションの際には、そのまま貸された状態で施工させていただくということでした。普通に考えると工事がしにくい状態ですが、このテナントさんは常時営業されていて事務所を開けられているわけではなく、多くて週1日程度使用されているようで、そう支障なく工事ができる状態とのことでした。これらの条件がありましたが、全て折り込み済みでリノベーションを進めさせていただきました。
では、具体的にどのようなリノベーション内容かをお話ししていきたいと思います。まず、ご家族3名(ご夫婦と小学生のお子さん)でお住まいになられるため、最低2LDKを確保したいということ、広いWICと洗面室が欲しいということ、それと現状ガレージはありませんが広めのガレージを確保したいということがご要望でした。そのため先程お話した事務所テナントさんが1階の一部を使用されていることなどから、広いLDKを1階に確保することは難しいため、2階にメインになるLDKをゾーニングするという計画で進めさせていただきました。また、デザイン的なご要望は木の質感を生かしたシンプルな空間をご希望で、これまでも創らせていただいたリボーンキューブのテイストを気に入っていただいており、このことからも弊社にご依頼いただきましたので、お施主様のご要望を踏まえつつリボーンキューブのデザインテイストをちりばめた空間に設えさせていただくことになりました。
まず、1階は元々あった和室を取り壊し、広いインナーガレージ(3.5m×5.3m)をゾーニングしました。またお施主様がガレージ兼玄関というレイアウトをご希望されたため、ガレージ奥に玄関をゾーニングしガレージを経由して玄関に至る動線としました。ただし、そのガレージがあまりにも窮屈だと実際に車や自転車などを停めて、玄関の通行がしづらいため、ガレージ部分をできるだけ広めに確保しました。そして玄関入口建具は片引き戸でチェッカーガラス入りにして圧迫感を感じないように致しました。
そして玄関には、スリット階段を採用することで圧迫感をなくし広々と感じられるように設えました。そしてその玄関に大容量のシューズクローゼットを設けてシューズだけでなく、いろいろと細々した小物なども仕舞えるようにしました。そして1階に設けた水回りは、収納を充分に確保した広いカウンター洗面台を設え、洗濯機を設置するところにはカーテンで仕切れる収納を確保しました。また洗面室に隣接した浴室はユニットバスを採用して機能重視で仕上げました。そして、その洗面室とローカとの2WAYで1階に設けた物干しバルコニーへ出入りできるように使い勝手の良い動線を確保しました。また、お施主様のご要望だった大容量のWICをゾーニングし、ご家族全員の洋服や細々したモノがそこで全て収納できる様に設えました。
そして次にメインリビングのある2階ですが、広々として明るいLDKをゾーイングし、元々あった細い通路を使ってアクセスしていた使い勝手が悪く狭いバルコニーをリビング空間に取り込み、バルコニーを含めてLDKとしてゾーニングし広がりと一体感を感じられる空間に設えました。また、そのバルコニー出入り口は、木製のガラス引き戸とし開放感が望めるように設えました。そして両袖部分には同じくガラスFIXを設え、デザインに取り込むように考えながら、補強のための筋交いを設けるようにしました。そしてキッチンはアイランドタイプとし、リボーンキューブでキッチンを造る際に囲うタイルを使わず、今回は存在感を感じられるカウンタータイプのオールステンレスのキッチンを採用しました。そしてキッチン床面はフローリングではなく、水気に強い大判タイルを使用してデザイン的にも実用的にもアクセントになるように設えました。またキッチンバックはできるだけ収納を確保し、楽しく快適に料理をしていただけるように配慮しました。また、LDKから直接寝室と子供部屋にアクセスできるゾーニングとして、それぞれの部屋は最小限のシンプルなスペースとして確保させていただきました。そしてトイレもシンプルに設えさせていただきましたが、アクセントとしてマットブラックに塗装した壁面部分に少し深めの収納を取り、トイレットペーパーが収まる収納を確保しました。
このようにお施主様のご要望を最大限に満たしつつ、快適でおしゃれな空間を創らせていただきました。
では、リノベーションの内容を以上のようにお伝えしましたので、いつものようにネーミングついてですが、今回のネーミングは、弊社からご提案させていただいた、“grid(グリッド)”を採用いただきました。意味はだいたいイメージいただけるかと思いますが、‟格子・碁盤目“という意味から今回の作品で特徴的なリボーンキューブらしいデザインの格子をインスパイアして命名させていただきました。まさに今回の建物をまるごとリボーンした状態にぴったりのネーミングだと思いませんか。ぜひ、お施主様に気に入っていただき、素敵に楽しく心地よくお住まいいただけることを願っております。そして今回も楽しくおしゃれな空間にリノベーションをさせていただけてことに心から感謝して終わらせていただきたいと思います。
■物件概要/1976年新築(築後41年)・奈良県天理市・個人住宅リノベーション・延面積100.37m²・構造:木造瓦葺2階建
■主要各部仕上および素材/壁面:PBの上AEP塗装仕上(一部PBの上クロス仕上仕上)・天井:PBの上AEP塗装仕上(一部PBの上クロス仕上)・床材:モルタル土間仕上(ガレージ部分)、複合オークフローリング(オスモ塗装仕上)・バスルーム:タカラスタンダード製ユニットバス・シェルフ、クローゼット、建具:シナベニアの上ウレタン塗装仕上・キッチン:システムキッチン(サンワカンパニー製)、ニッタイ300角タイル(キッチン床)・便器:LIXIL製・その他:木製格子建具&FIX、木製ガラス建具、H&H製レンジフード、LED照明器具、スチール製手すり、TOLIタイルカーペット、TOLI塩ビタイル、サイプレスウッドデッキ材、ハンガーパイプ、アイアンポール、チェッカーガラス等
■リノベーション期間/約2ヶ月(解体工事期間含む)
2019.03.30 / その他施工実例 あの餃子で有名な中華料理店だった建物を、一棟まるごとおしゃれで快適な店舗兼住宅にリノベーション
今回のお施主様は、かれこれ5年程前から物件探しからご相談をいただいておりました。ですが、なかなか思うように物件が見つからず、ようやく今回の物件が5年越しで見つかり、リノベーションさせていただく運びとなりました。ただ、結果的に物件はご自分で見つけられましたので、リノベーションからのお手伝いをさせていただくことになりました。
それではその経緯を詳しくお伝えしていきます。まず、物件が長期にわたり見つからなかった理由は、お住まいになるだけではなく、ご主人と奥様が理容師さんと美容師さんのため、ご自分で理容室を開業されたいというご要望があり、自宅兼店舗物件を探されていたからです。また、もちろんのことながら、エリアも予算も限定でしたので、それらを鑑みると結果的になかなか該当する物件が見つからず、探しているうちに1年、2年と月日があっという間に過ぎてしまいました。
ですが、やはり真剣に探しておられるお客様には、月が満ちるように物件が見つかる時が必ず来るということが証明されるように、今回の物件が奇跡的に見つかりました。そしてその見つかった物件が、あの餃子で超有名な中華料理店の跡だったのです。数年前に移転されていたため、空き家状態でしたが、初めて内覧した際に感じた印象は、数年前から空家状態とは思えないほど、脂ぎってコテコテな状態だということでした。もちろんお世辞にもきれいと言える状態ではありませんでした。また、中華料理屋さん特有のなんとも表現できない油の匂いのような独特の臭いが漂っていました。なので、そのような状態の物件をご覧になり、果たしておしゃれな理容室兼住宅になるのだろうかとお施主様も半信半疑な様子でした。
また、鉄骨造の2階建で、屋上に上がると雨のあとだったのでプールのように陸屋根部分に水が溜まっており、コケが生えていて全く手入れがされていない建物という状態でした。そしてその屋上には、後から建てたプレハブ小屋やエアコンの室外機、それに業務用の換気設備などがところ狭しと並んでいました。なので、まずこれらの余分な設備を全て撤去してスケルトンにするための費用がかなり必要であるという感じがしました。
ですが、それらが全て取り払われ、スケルトンになると立地的にはお施主様も気に入られている通りの大通りに面した立地ですので、リノベーション向きの非常に良い物件であると感じました。なので、お施主様からは、すべてをお任せいただけるということで、絶大な信頼をいただきましたので、できる限り予算を絞り、リノベーションに際しての懸念点なども含め、ご説明した上でご納得いただきリノベーションを進めさせていただくことになりました。
そうしてまずは、1期工事として自宅部分のリノベーションを進めさせていただきました。まず、お聞きしたご要望的として、小学生のお子さんが一人おられるため、子ども部屋を含め2LDKを確保したいということ、そして核となる1階店舗部分を中心にゾーニングして欲しいというご要望でした。なので、出来るだけ店舗の間口が確保できるようにして、自宅部分の入口は確保せずに、店舗を通って入るゾーニングにさせていただきました。間口が広い物件であれば、そのように考えなくてよかったのですが、間口が土地の広さの割には狭い、所謂うなぎの寝床的な地形だったためからです。
そのため店舗部分をできるだけ間口いっぱい確保し、住宅部分をその奥にゾーニングしました。まず1階の自宅部分の玄関スペースには、充分な収納を確保した広い空間を確保し、裏庭にデッキを敷いて広がりのある玄関スペースとしました。そして必要な機能を充分に満たしたシンプルな洗面室と1坪タイプのゆったりしたユニットバスとを設えました。そして長いローカを経て2階へ上がる階段に繋がるようにゾーニングしました。
2階には、南向きの明るく広いLDKとウォークインクローゼット付きの寝室、そして子ども部屋の2LDKを確保しました。またその広くて天井の高い開放感のあるLDKには、アップライトのピアノが設置できるスペースと奥様のお化粧コーナー、そしてご主人様の書斎スペースを確保しました。このように2階建ですが、延べ面積が広いことから、これらを充分に満たすことができました。
LDKは元店舗のために天井が高く、それを活かして、より広々と感じられるように白を基調とし、キッチン部分をネイビーのタイルを貼ってアクセントとし、キッチンのカウンター部分にはホワイトのモザイクタイルを貼りシンプルに仕上げました。コストを鑑みて、キッチンバックの収納をカーテンで設え、シンプルですが全体のバランスが取れる空間に仕上げにしました。
次に店舗部分ですが、こちらは2期工事として、引越しが終わられ落ち着かれた頃をめどにして、10ヶ月後に打ち合わせ期間を含め、完成するスケジュールで進めさせていただきました。まずコンセプトとして店名と作品名になった「DUMBO(ダンボ)」をイメージしたテイストに仕上げさせていただきました。このネーミングについては後ほどご説明しますが、ニューヨークのブルックリンにダンボという地区があり、元々は倉庫街でレンガ造りの無骨な建物が建ち並んでいたエリアでしたが、一帯をリノベーションしたことからアーティスティックな街へと変貌を遂げ、今ではおしゃれなエリアとして人気の街になっております。そのイメージからブルックリンスタイルをデザインに取り入れ、レンガと特徴あるペンダントで構成させていただきました。建物が元々店舗だったため、非常に天井が高いことと、鉄骨造り特有のデッキプレート天井ですしたので、それを剥き出しにする事で無骨な倉庫らしいデザインに仕上げることができました。また、壁面一面を構造用合板に塗装し仕上げることで、コストを抑えながらも、どこか柔らかみのある表情豊かな空間に設えさせていただきました。またレンガとタイルを効果的に用いて、シックで落ち着きのある空間に仕上げさせていただくことができました。また店舗部分のアートパネルや時計、スツール、マガジンラックなどの小物類、そして植栽なども含め、トータルにプロディースさせていただくことができましたので、非常に統一感のあるデザインに仕上がったのではないかと思っております。
では次に、先程お話した今回のネーミングについてですが、弊社からご提案させていただいた“DUMBO(ダンボ)”をお施主様に気に入っていただき、店舗名も含めて採用いただきました。その意味は先程お話した通りですが、ニューヨークブルックリンのダンボ地区という地名からネーミングさせていただきました。まさに少し無骨ですが、洗練された空間をイメージする作品名にぴったりなネーミングだと感じます。
今回ご自宅と店舗の両方をリノベーションさせていただき、最終的に出来上がった空間をお施主様に本当に気に入っていただき本当にうれしい限りです。元々の建物があの中華料理屋さんであったことは、今となっては知る由もないほどに、まさに生まれ変わった空間を目の当たりにして非常に感慨深いです。そして最後に今回は店舗も手がけさせていただきましたが、美容室が立ち並ぶ激戦区で、その中にあって、おしゃれなバーバーという切り口で、京都にはまだあまり存在しない理容室を開かれましたため、盛況を心から願い見守らせていただきたいと思うこと、そしてすべてをリボーンキューブにお任せいただいたことに心から感謝して終わらせていただきたいと思います。
■物件概要/1982年新築(築後34年)・京都市右京区・個人住宅リノベーション・延面積136.80m²・構造:鉄骨陸屋根造2階建
■主要各部仕上および素材/壁面:PBの上クロス仕上(一部構造用合板OSCL塗装仕上)・天井:PBの上クロス仕上(一部スケルトンの上OP塗装仕上)・床材:モルタル土間仕上、Pタイル仕上、無垢フローリング(塗装済み)仕上・バスルーム:LIXIL製ユニットバス・シェルフ、クローゼット、建具:シナベニアの上ウレタン塗装仕上・キッチン:タイル仕上げ、システムキッチン(サンワカンパニー製)・便器:INAX製・その他:H&H製レンジフード、、アイアン製カーテンポール、洗面化粧台(サンワカンパニー製)、ペンダント、LED照明器具、スツール(東谷家具)、テンパーガラスドア、メラミン化粧板貼り家具一式、天カセエアコン、トグルスイッチ等
■リノベーション期間/約4ヶ月(解体工事期間含む)