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2019.03.12 / その他施工実例 シンプル、ホテルライク。生活感を感じさせない一戸建リノベーション

今回のお施主様はお住まいされているご自宅をリノベーションされたいとのご要望でご相談を受けました。当初は建て替えもお考えだったようですがお住まいの地域が建ぺい率と容積率が極端に厳しい地域であることから、建て替えると今よりもさらにひとまわり小さい家になるということから断念され、どうされるかを思案されていた時にたまたま弊社のHPをご覧いただきリノベーションという方法があるということをお知りになってご依頼をいただくこととなりました。まさにリノベーションならではのエピソードではないでしょうか。

 

それでは具体的にどのようにリノベーションさせていただいたかですが、お施主様のご要望は「シンプルでホテルライクな生活感のない家」とのことでした。お施主様が男性おひとりでお住まいということもありこのようなご要望をいただけたのですがリボーンキューブが得意とするクールな空間を創らせていただけると感じ、お話を進めさせていただきました。
建物は築40年以上が経過しており若干の修繕をされた形跡はありましたが築年数と共にかなりの劣化が見受けられました。特に外壁は一部が剥がれて今にも落ちそうな状態で、一目ですぐに改修が必要な状態であることが解るほどでした。また内部も設備を含めて全てがかなり老朽化しておりそろそろ限界を迎える時期でした。ですので外回りを含めて全てを全面的にリノベーションさせていただくことになりました。

 

具体的にどのようにリノベーションさせていただいたのかですが、まずは1階部分からご説明しますと、玄関は和風の引き戸からスチール製の重厚なドアに変え、そのドアを開けると全てが今までとは全く違った空間として現れるようリノベーションさせていただきました。
まず玄関を入ると階段が目に入りますが視界を遮る蹴込板をとらず段板だけにして奥行を出し、その上部を吹き抜けにすることで実際の広さ以上に広がりを感じられる玄関ホールに設えました。
そして玄関を上がりローカから水回りとその奥の寝室へと続く動線として奥行を感じていただけるようにゾーニングしました。

 

水周りはお施主様のご希望を踏まえトイレと洗面・浴室はセパレートとして、どちらもそう広くはないのですが必要十分で快適な空間を確保しました。
特に洗面・浴室は一体で設え、室外にあった洗濯機スペースも確保しながらリボーンキューブらしいホテルライクな空間に仕上げました。

 

奥の寝室は壁面一面を木壁にしてその面に収納も取り込み、床はタイルカーペットにしてラグジュアリー感を醸し出した空間に仕上げました。

 

2階部分は、元々はあまり活用されていなかったため、逆に2階をLDKとすることで活用いただける空間としてゾーニングしました。
お施主様のご希望される落ち着きのある空間にするため、全室内の壁面塗装はリボーンキューブでお馴染みのクリーム色ではなくグレー色に塗装し、床はフローリングがあまりお好きでないお施主様のご意向を踏まえて同じくグレー色のPタイルを貼り、木部を古色で仕上げ、全体的に濃い配色とし、落ち着きのあるホテルライクな空間に仕上がるように設えさせていただきました。
LDKを大胆に大きくとったことで補強しなくてはいけない壁面の筋交いを敢えて見せることで広がりを感じられるようにし、デザインとしても溶け込むようにしました。

 

キッチン部分はシンプルな業務用キッチンを採用しその囲い部分をモルタルで仕上げることでお施主様のご希望されていた打ちっぱなしコンクリートのイメージを醸し出すようにしました。そしてキッチンバックの壁面一面に収納を配し、冷蔵庫も含めキッチンで使う全てのモノを収納できるように設えて生活感が出ないように配慮しました。
リビング側にもローボードの収納をとり階段との手摺りを兼ねながらも、相当量の収納が確保できるようにしました。そして天井は元々の梁を見せ勾配天井にすることでより広がりを感じられるように設えました。

 

外部については外壁全面をモルタルの下地から塗り替え、墨色の塗装で仕上げ、土間も同系色のカラークリートで仕上げ、仕切りのブロックなどは設けずに照明だけを配して一体感のあるシンプルな外観に設えさせていただきました。

 

以上のような内容でリノベーションさせていただいたことで本当にクールなお施主様のご要望通りの空間がご提供させていただけたのではないかと思います。お施主様宅にはご友人がよく遊びに来られるとのことですのでビフォアと比べ全てが生まれ変わった空間をご覧になり、さぞ驚かれるだろうと思い、実際どのような反応をされるのかを見てみたい気がしました。
今回のネーミングは“ SOLID ”と命名させていただきました。意味はもう日本語と言ってよいほど一般的に使われてますので敢えて説明させていただきませんが今回の作品にピッタリなネーミングではないかと思います。

 

最後になりましたが今回の作品はお施主様のご要望をリボーンキューブなりに咀嚼した上でデザインをご提案させていただき、その提案を全面的に気に入っていただき受け入れていただけたことで妥協することなくリボーンキューブらしいシンプルだけれどホテルライクな落ち着ける空間を創らせていただけたことをお施主様に感謝して締めくくらせていただきたいと思います。

 

■物件概要/1970年新築(築後44年)・京都市右京区・個人住宅リノベーション・延面積54.50m²・構造:木造2階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面:PBの上AEP塗装仕上(一部シナ合板の上AEP塗装仕上げ)・天井:PBの上AEP塗装仕上・床材:Pタイル・洗面、バスルーム:モルタル仕上げ(一部タイル張り仕上げ)・シェルフ、クローゼット、建具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:業務用ステンレスキッチン(ガスコンロ付)・便器:リクシル製・その他:H&H製レンジフード、タイルカーペット、カラークリート(外部)等

 

■リノベーション期間/約2.5ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.12 / その他施工実例 南国リゾート心地のホテルライクなマンションリノベーション

今回の案件も物件のご紹介からリノベーションまでトータルサポートさせて頂きました。また、お問い合わせ頂いた当時は大阪府にお住まいでしたが、お子さまの春からの新入学に合わせて京都への転居をとご相談頂きました。エリア的には人気地区の中京区地下鉄烏丸線を中心に、上京区(地下鉄今出川付近)、北区(地下鉄北大路付近)を含めてご希望されていました。しかし、人気エリア故に物件数が少なく、いくつかご内覧頂いた物件も立地・広さ・築年数・価格のトータルバランスが今ひとつよくないものばかりでした。そんな時に今回の物件が売りに出て来ました!立地的には地下鉄烏丸御池駅5分、上層階東向きで専有面積も広く築年数も比較的新しい目で、しかも価格の方もトータル的に見て非常に納得の行くものでした。ただ、引き渡し予定日が契約後およそ6ヶ月後と言う点のみが難点で、お子さまの春からの新入学にあわせてのお引っ越しを考えますと、その引き渡し期日ではどう考えてもスケジュール的に間に合わなかったのものの、物件の条件が非常に良かったため短期間の「仮住まい」を前提に思い切ってご購入に踏み切って下さったのでした。

 

物件的には専有面積80m²強と街中では稀少な広さを有し、高層階で眺望・採光・通風ともに良く、若干こぢんまりした規模の建物ではありましたが、そのぶん落ち着いて暮らして頂けそうな雰囲気のマンションでした。お部屋の方はごく一般的なゾーニングおよび内装の4LDKでしたが、広さ的に十分なゆとりがあったことから、あとはリノベーションで何とでもなるとご理解を頂き安心してご決断下さいました。(とは言え、たいへん競争率の高い物件でしたので無事に商談に辿り着けたのは本当にタイミングとご縁だったと思います。)

 

リノベーションに際してのご要望は、デザイン的にはモダンで落ち着いたホテルライクな空間をつくることで、さらに家族旅行の際に常宿として利用されているハワイ(沖縄)の南国リゾートのエッセンスを加えることでした。あと、風通しの良さと収納スペースの確保と言うリクエストも頂いておりましたので、そうしたご要望を落とし込んだ形でプランのご提案をさせて頂き、打ち合わせを進めて行きました。ゾーニング的には2LDKプラス婚礼ダンス2本を含め洋服類が全て収納できる広さのウォークインクローゼットのある“2LDK+W.I.C”としました。マテリアル的には床材にはチーク材を採用し、キッチンの囲いもタイルではなく板張りとし、さらにアクセントに凹凸のある石を貼って仕上げるなど、ホテルライクな落ち着いた空間でありながら南国リゾートの雰囲気を感じて頂ける様に配慮しました。また、お客さまからのご提案で居室の天井部分にボーダー状に木を渡し、そこにスーツケースや箱状のモノが置ける一風変わった収納スペースを設けさせて頂いたりもしました。こうして、最終的にお客さまのイメージ通りの“リゾートホテルライクで、風通しの良い、収納タップリな空間”が誕生したのでした・・・!

 

作品名の「LANIKAI(ラニカイ)」はお客さまによるネーミングで、この新居が風通しの良い気持ちいい場所であること、またお部屋の窓からの景色がハワイの常宿からの景色に似ているとお子さまが喜ばれていること、さらにここを家族にとっての“楽園”にして行きたい・・・と言う思いを込められて、思い出の地であるハワイのビーチの名前にちなんで名付けられました!(LANI=楽園、KAI=海と言う意味があるそうです。)と言うことで、我々もこのネーミング通りこの場所がご家族にとっての楽園になることを心より願ってやみません・・・。

 

■物件概要/1998年6月新築(築後16年)・京都市中京区釜座通御池下る津軽町・区分所有マンション・個人住宅リノベーション・専有面積81.81m²・構造:RC造11階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面、天井仕上:スケルトンの上AEP塗装仕上(壁面はPB貼り仕上)・床仕上:無垢チークフローリングオスモ塗布仕上・浴室:LIXILユニットバス(リノビオ・暖房乾燥機付)・洗面室:オリジナル洗面化粧台(シナOSCL塗装)、サンワカンパニーミラー取付、床Pタイル貼り仕上・WC:LIXIL(サティス)、オリジナル手洗いカウンターおよび収納家具制作、床Pタイル貼り仕上・玄関:300角タイル貼り仕上・建具および特注家具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:シナOSCL市松貼りオリジナル対面キッチン(サンワカンパニーグラッド45使用)、床Pタイル貼り仕上・その他:リビングおよびダイニングガス床暖房施設、ダイニング壁面一部石調タイル貼り仕上、給湯器交換他

 

■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.12 / その他施工実例 ブランコのあるマンションリノベーション

今回のお施主様も購入〜リノベーションまでの全てをお手伝いさせていただきました。購入の経緯からご説明させていただきますと、お施主様自身どこで物件を購入されたいかを明確にお決めになっておられ、ネットで気になられていた物件もピックアップいただいておりましたのでそれをお聞かせいただきました。そして空家であったことからすぐに内覧いただけ、内覧いただいた印象もよかったので迷うことなく気に入っていただき、すぐにお話を進めさせていただくこととなりました。なので物件を探すのに難航するお客様も多い中で比較的あっさり物件をお決めいただけました。ですがそのような物件に限って決まってからがスムーズにいかないことがあり、価格交渉を含めて売主様とやり取りする中で、交渉がうまく進展せずにあわや物件を見送らざるをえない状況になりかけましたが、粘り強く交渉を進めさせていただいた結果、最終的には無事にご契約いただけました。

 

当案件は、場所は近いのにリノベーションの機会が少なかった滋賀県大津市での2件目(マンションでは初)となる作品になります。琵琶湖へも徒歩3分の、非常に環境がいい立地の築27年が経過したマンションです。
ではこのマンションをどのようにリノベーションさせていただいたのかですが、今回お施主様のご要望がかなり明確でゾーニングもある程度ご自分でお決めであったのでそれらを検証しゾーニングとデザインをさせていただきました。また専有面積が74m²と広めでその面積で通常通りフルリノベーションするにはご希望のコストでは収まらないため、コストを優先でフルリノベーションではなく、リビングを中心にリノベーションさせていただきました。
水回りについては全てを一新しますが既存で使える部分は間仕切り壁などを含めて使用するというようにメリハリを効かせたリノベーションをさせていただきました。具体的には、トイレと洗面・浴室の位置は広さを含めて全く変えずに設備を入れ替え一新しました。トイレは便器とペーパーホルダー等を入れ替え、クロスとPタイルを張り替えてる程度とし、洗面・浴室ついても、シンプルでコストパフォーマンスの高いUBに入れ替え、洗面台などの設備も入れ替え、あとはトイレと同じくクロスとPタイルを張り替えて仕上げました。
玄関・ホール・ローカ及び別途ある洋室1室はクロスを張り替える程度としあとは既存利用してコストを抑えました。そしてその分をリビングに集中してリノベーションさせていただきました。リノベーション前は10帖ほどのDKに6帖の和室2室と洋室1室が隣接してありましたが、これをゾーニングし直し、広めのWICと畳コーナーのあるLDKとに設えました。
WICは約6帖の広さとしてお施主様がお持ちのタンスなどを計画的に配置でき、なおかつハンガーパイプを設置してたくさんの衣類や小物を収納できるように設えました。
キッチンは対面に変え、ミモザ色のタイルをお施主様がご希望でしたのでそれに近い色のタイルをチョイスして壁面全体に貼り、ビビッドで明るく清潔感のあるキッチンに仕上げました。
リビングは畳コーナーとの段差をつけずフラットに仕上げて畳コーナーも含め一体感のある空間としてゾーニングしました。そして畳コーナーの奥の壁面一面を元あった出窓を塞いで映画アメリのイメージでグリーンに塗装させていただき壁掛けTVを設置させていただきました。
床材はこれもお施主様指定で今回初めて使用する木目がウォールナットに似た独特の風合いのあるミモザラスティックの無垢フローリングを張りました。
そしてもうひとつのこだわりはなんと言ってもお子様たってのご要望であるブランコです。意外にもこのブランコがあるだけで写真を撮ってもすごく絵になる空間に仕上がりました。もちろん実用性もあるので大人が乗っても大丈夫な強度を確保しております。
というように今回もお施主様のこだわりを余すところなく取り入れ、楽しい空間を創らせていただきました。

 

今回のネーミングですがお施主様より迷うことなく“ mimoza ” にされたいとご要望をいただきました。意味は詳しくご説明するまでもないかと思いますがタイルの色とフローリングの種類がどちらもミモザなので間違いないですよね。今回の作品にはこれ以上ふさわしいネーミングはないかと思います。
最後になりましたが今回の作品もお施主様のお好みをリボーンキューブなりにデザインに落とし込み、コストを抑えながらもバランスのとれた素敵な空間を創らせていただけました。そしてお施主様に大変気に入っていただけましたこと本当にうれしく思いながら、今回も楽しくリノベーションさせていただけたことを感謝して締めくくらせていただきたいと思います。

 

■物件概要/1987年新築(築後27年)・滋賀県大津市・個人住宅リノベーション・延面積73.65m²・構造:SRC造11階建3階部分

 

■主要各部仕上および素材/壁面:PBの上AEP塗装仕上(一部スケルトンの上AEP塗装仕上げ)・天井:スケルトンの上AEP塗装仕上・床材:ミモザラスティック無垢フローリング(ルビオ自然オイル塗装仕上)・バスルーム:LIXIL製ユニットバス・シェルフ、クローゼット、建具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:100角タイル貼り仕上げ、サンワカンパニー製システムキッチン(ガスコンロ付)・便器:LIXIL製・その他:アリアフィーナ製レンジフード、タイルカーペット等

 

■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.12 / その他施工実例 リビングにクライミングホールド。登山好きご夫婦の 温かみあるカジュアルなリノベーション

今回の案件は他社にて物件を決められた後にリノベーションのご依頼のみ頂きました。お客さまは数年前よりメンバー登録を頂いていた方で、その後ずっとメルマガおよびブログを愛読下さっていたそうで「リノベーションの際は是非リボーンキューブに!」と思いを温めて下さっていたとのことで本当に嬉しいご依頼でした!
物件は京都最大の公団団地“洛西ニュータウン”の中の一室で、郊外物件ならではの85m²弱のゆとりの専有面積で、エレベーターなしの最上階と言う点を除けば、眺望も陽当たりも通風もまさに抜群の3LDK角住戸でした!現状はその広い3LDKの全体がまんべんなく傷んでいる状況で、広さに比して若干タイト目なご予算設定だった点からも、出来れば手を付けなくて済む箇所があればと考えておりましたが、実際には全面的に手入れをしなければならない状況でした。しかし、長い間思いを温めて下さりようやく頂いたご依頼でしたので、弊社としてもその思いにお応えすべく、ローコストでも満足度の高い団地リノベーションのモデルケースになる様なシゴトをさせて頂こうと、より気持ちを入れて取り組ませて頂きました。

 

リノベーションに際してのご要望は、ご家族でワイワイ楽しく過ごせる温かみのあるカジュアルな空間をつくることでした。また、ご夫婦のご趣味である“登山”を小さなお子さまにもより身近に感じて興味を持ってもらえる様にと、壁一面に色とりどりのクライミングホールドを取り付けることをご希望されていましたので、少しポップな感じのイメージも持っておられました。あわせてリビングにキッズスペースを設けたいとのご希望もお持ちでしたので、それらを落とし込む形でプランのご提案をさせて頂きました。打ち合わせに際しては比較的時間を掛けながら進めさせて頂いた感じで、お客さまご自身も都度熟考されながら各部のマテリアル等を決定して行かれました。

 

コストダウンのための具体策としては、壁・天井とも塗装ではなく全面クロス貼りにしたり、また極力解体を伴うゾーニング変更はせず(必要最低限にとどめて)、さらに前述の通り既存建具を再利用する等の方法で予算を抑え、メイン空間に予算を掛けつつ全体にも行き渡る様考慮しました。とは言え、実際の見積もりに際してはそこそこまとまった額での予算オーバーとなりました。しかし、そうした現実を踏まえた上で改めて予算を掛ける箇所と掛けない箇所(取捨選択)をご相談させて頂くとともに施主支給にご協力頂いたり、最終的には当初のご予算より思い切ってアップして頂くなど、お客さまにも様々なご協力を頂きながら何とかゴールに向かって行きました。そして、最終的にはお客さまのイメージ通りの温かみのあるカジュアルなリノベ空間が誕生したのでした!また、弊社からのご提案により採用頂いた、カジュアルではないけれどデザイン的にメリハリのある斬新な!?クロスの貼り分け等についても大変気に入って頂くことができました!

 

作品名の「CLIMB(クライム)」はお客さまによるネーミングで、ご趣味の登山、壁面のクライミングホールド、リビングのキッズスペースの小上がり、さらにエレベーターなしの最上階住戸への日々の上り下り・・・と、全ての“登る”と言う動作に掛けて名付けられました。まさに空間のイメージにもピッタリの素敵なネーミングですね!

 

■物件概要/1981年3月新築(築後33年)・京都市西京区大原野西境谷町2丁目・区分所有マンション・個人住宅リノベーション・専有面積84.49m²・構造:RC造5階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面、天井仕上:ビニールクロス貼り・床仕上:無垢オークフローリングOS塗装の上オスモ塗布仕上(キッチンPタイル貼り・居室タイルカーペット貼り)・浴室:既存の上バスタブおよび水栓金具取り替え、床タイル貼り替え・洗面室:TOTO壁付タイプ洗面ボウル(IKEAミラー施主支給品取付)、床Pタイル貼り仕上・WC:便器既存利用、床Pタイル貼り仕上・玄関:モルタル土間仕上・建具、棚板および特注家具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:特注業務用キッチン・その他:クライミングホールド(施主支給品)取付、シーリングファンリビング取付他

 

■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.12 / その他施工実例 町家リノベーション。昔ながらの鍾馗さんや箱階段を設えた和モダン

今回のお施主様は町家の物件をお探しになっておられ、物件の購入からご相談いただいておりましたが、実際には物件自体をご自分で見つけられたことから、リノベーションからのお手伝いをさせていただきました。それでは早速どのようにリノベーションさせていただいたかについてご説明させていただきます。
まず今回の物件は先程お話したように町家物件ですが、非常に状態が悪く建物自体が傾いており、雨漏れもありましたのでリノベーションで再生可能かどうかを、お施主様自信が半信半疑なところをお持ちでした。そうしたことからリボーンキューブと並行してご相談されていた工務店があり、その工務店に再生が可能であるどうかのジャッジを確認されてから購入を決められました。そして購入を決定されたことから具体的にリノベーションをリボーンキューブか、その工務店かどちらに依頼するかを検討された結果、デザインを含めてリノベーションに実績があるリボーンキューブに全面的にお任せいただけることになりました。

 

それでは次にお施主様の具体的なご要望ですが、対面式のさながらバーのようなカウンターのあるキッチンをご希望され、また1階部分は自宅でお仕事をされることも多いために、事務所のような使い方ができること、そして細かく部屋を区切るのではなく、キッチン部分と事務所として使う部分とを広く1室空間として使えるようにご希望でした。そしてお仕事柄かなりの書籍を所有されておられるため、収納量の多い本棚をご希望でした。それから町家の雰囲気を出来るだけ残しつつ、すっきりとした和モダンな空間にしたいというご要望でした。
また京都市の助成を受けたいというご要望もお持ちでしたので、町家の耐震をアップさせることで耐震助成金を受けられる制度を活用されることになりました。そのため、それに伴う施工前後の写真や添付資料などを作成する作業もさせていただきました。そしてこれらのご要望を満たしつつ、和モダンにデザインされた空間をゾーニングさせていただきました。

 

ではまず外部からその内容をご説明しますと、できるだけ現状を残したいというご要望でしたので、ファサード部分以外は現状を踏襲しました。また屋根がかなり傷んでおり、雨漏りも見受けられたことから、全て葺き替えないといけない状態でしたが、同じ瓦で葺き替えると荷重がかかり過ぎ、建物によくないことと、屋根勾配があまり取れていないことなどからガルバリウム合板で葺き替えることにしました。そしてファサード部分はリボーンキューブならではのデザインとしてシンプルですが和モダンな雰囲気が醸し出されるように設えました。また元々お地蔵さんがこの建物の角部分にありましたのでその部分はそのまま触らずに現状を維持しながら施工させていただきました。それからお施主様のご希望で元々玄関灯として点いていたレトロな丸い照明をそのまま使いたいとのことから、配線など劣化していた部分は取り替え、その古いままの照明を再利用させていただきました。そして鍾馗さんも付けたいとのことでしたのでお施主様より支給いただき、玄関上に取り付けさせていただきました。これらによりファサード部分を刷新しましたが、新しくなり過ぎることなく周囲の景観にも違和感なく溶け込むファサードに仕上がったのではないかと思っております。

 

続いて室内に移らせていただきますと、まず玄関を入ると最初に目に飛び込んでくるのが特徴的な建具ではないでしょうか。和モダンな空間をより一層引き立たせるリボーンキューブオリジナルデザインの建具になります。
その建具を開けるとバー仕様のカウンターキッチンが現れます。こちらは本格的な業務用キッチンに設え、お施主様のご希望であった、さながらバーの如く、お店の厨房仕様に仕上げました。そしてこの特徴的なデザインされた建具を開け放つと、奥の間と一体となり広く空間を使えるようにゾーニングしました。
その奥の間にはこれも町家の代名詞である箱階段を設えました。こちらももちろんリボーンキューブオリジナルデザインとなっており、取手などの金具を厳選し、元々そこにあったかのような自然な風合いに仕上げております。
水周りも本格的な仕様で造らせていただきました。まずトイレは手洗いを設けてミニマムな空間ですが、使いやすい清潔感のある空間に仕上げました。洗面室と浴室は全面タイル張りとし、洗面部分と浴室部分とでタイルの大きさや色にこだわって張り分けることで、ホテルライクでラグジュアリーな空間に仕上げました。
そして次に2階に移りますが、2階部分は天井が低くあまり階高が取れないことから、天井部分を勾配天井にし、少しでも階高をとれるようにしました。壁面一面を本棚として設え、書斎兼仕事部屋としてお使いになる空間として落ち着きのあるデザインに仕上げました。
その書斎から奥にある寝室はシンプルに大きめの収納を取り、タイルカーペットで仕上げることで少し趣の違う、落ち着ける空間として仕上げました。

 

このようにお施主様のご要望を満たしつつ和モダンで落ち着きのあるリボーンキューブならではの空間にデザインさせていただきました。また新たな趣の違った町家リノベーション作品としてラインナップさせていただけました。

 

今回のネーミングについてですが、お施主様ご自身にネーミングいただきました。その名を“Ushimitsu-doki(うしみつどき)”と命名いただきました。意味はご説明するまでもありませんが、このネーミングにされた理由は、お施主様自身が夜遅くまでお仕事されることが多く、そんな夜更け時でもゆったりとくつろぐことができる空間であるようにという思いから、このネーミングにされました。まさに草木も眠る丑三つ時でもこの空間であればカウンターに座ってバーボンを楽しみながらゆったりと過ごしていただけるような感じがしますよね。
今回もぜひお施主様が落ち着かれましたらお伺いしてみたい魅力的な作品になりました。そして最後に今回もお施主様とともに本当にすばらしいリノベーション空間を創らせていただけたことに感謝して締めくくらせていただきたいと思います。

 

■物件概要/明治22年頃に新築、築年数は不詳(築後推定約125年前後)・京都市東山区・個人住宅リノベーション・延面積83.53m²・構造:木造瓦葺2階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面:PBの上AEP塗装仕上・天井:既存板張り(PB貼りの上AEP塗装)の上OS塗装仕上・床材:杉無垢フローリング(オスモ塗装仕上)・洗面、バスルーム:全面モザイクタイル張り在来工法仕上げ・シェルフ、クローゼット、建具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:業務用(シナカウンター)・便器:リクシル製・その他:格子建具(ワーロン紙)、箱階段、格子窓(チェッカーガラス入)、既存サッシ入替え、庭造作一式、ガラッパ材ウッドデッキ等

 

■リノベーション期間/約2.5ヶ月(解体工事期間含む)