その他施工実例
2019.03.13 / その他施工実例 リノベ×(デザリボ+リブロック)=無骨でおしゃれな空間
今回はご縁があり初期の頃の作品例「grass」と同じマンションの、しかも偶然にも真隣りのお部屋をリノベーションさせて頂きました。(総戸数400戸以上の大規模マンションでモチロンお客様も全く別の方です。)
物件そのものは他社さんの仲介で決められたのですが、購入前の段階より内覧に同行させて頂き、ご購入後のリノベーションの可能性やご予算面についてアドバイスさせて頂きました。
物件の方は松尾橋に程近い桂川沿いに数棟建てで建っており、前述の通り戸数の多いかなりの大規模マンションです。また、南向きの高層階住戸と言うことでリビングの窓からは桂川が、反対側の洋室からは大文字が一望できると言う抜群の景観の住戸でした。専有面積は86m²強と郊外物件ならではの広々サイズで、5人家族でお住まいになるにはピッタリの広さのお部屋でした。リノベーション前の状況も比較的小綺麗な状態ではありましたが、内装の古めかしさや全体の老朽感は否めませんでした。
打ち合わせに際しては、当初は「デザリボ」での対応をベースに臨ませて頂いたのですが、お部屋そのもののポテンシャルが高く、仕上げや下地や設備を含め“現状利用”できる箇所が多くあったため、使えるところは使いながらコストカットする方向で「デザリボ」と「リノベーション」と「リブロック」のコンセプトをミックスした様な発想で進めて行きました。(お客様の持っておられたイメージも無骨な倉庫っぽい空間のイメージだったため、その点もコストカットにはプラス要素になりました。あとマンション側の厳格なフローリング防音規定がなかった点も助かりました。)
結果、バスルームを含めたラバトリー設備の入れ替えは見送ることとなりましたが(しかしイメチェンはバッチリできました!)、そのぶんリビングやその他の部分に予算を振り分けることにより、全体としてコストパフォーマンスの高い空間刷新ができたのではないかと思います。(ご予算の点について具体的にご興味のある方はお気軽にお問い合わせ下さい!)
具体的には、解体箇所としてはリビングに隣接して配置されていた和室の壁面および押入部分とその背面の洋室壁面の一部のみとし、それ以外の箇所については下地も含めて現状を利用しながらリノベーションを施しました。また、いつもは全面的に入れ替えるケースが多い建具類ですが、今回は現状が比較的シンプルなものであったことと、それがデザインイメージにもマッチしたため、敢えて入れ替えはせずにペイントによる化粧直しのみとしました。(洋室2室もクロスやカーペットの貼り替えとペイントによる内装変更のみとしました。)
こうして、お客様のご要望を最大限反映させながらも大幅にコストを抑えたムダのない無骨で個性的な空間が完成しました!(見た目的にも今までのリボーンキューブ作品とはまたひと味違った感じで、特にリブロックのコンセプトで制作した真っ白なリビングの間仕切りシェルフ家具がかなり印象的ではないでしょうか?) また、今回の作品名である「ラスト(Rust)」は、英語で“錆び”の意味なのですが、お客様のこだわりの強かったスケルトン素地のコンクリート面の染みっぽい表情や、もうひとつのお好みであるアイアンの錆び付いた表情(キッチンの吊り棚やご自身の家具)などからイメージしてネーミングさせて頂きました。そう言う意味ではあまりヒネリはありませんが、空間のイメージ通りのネーミングではないでしょうか。
■物件概要/1976年8月新築(築後36年)・京都市右京区梅津大縄場町・区分所有マンション・個人住宅リノベーション・床面積86.23m²(壁芯)・構造:RC造11階建
■主要各部仕上および素材/壁面仕上:ビニールクロス貼り仕上・天井仕上:スケルトン素地仕上・床仕上:無垢タモフローリング(複合材)OS塗装のうえオスモ塗布仕上(洋室×2室、WICはタイルカーペット貼り仕上)・浴室:既存利用・洗面室:洗面台既存利用の上ミラー全面貼替のうえ床Pタイル貼り仕上・WC:既存利用の上壁天井クロス貼り、床Pタイル貼り仕上・玄関:モルタルクリア塗装仕上・建具:既存利用の上AEP塗装仕上(WIC建具のみシナAEP塗装仕上にて制作)・リビングシェルフ家具:シナAEP塗装仕上・カウンターテーブル、作業台、棚板OSUCL塗装仕上・キッチン:特注業務用キッチン(ハーマンガスコンロセットイン・作業台囲いモルタル塗装仕上)・その他:黒皮アイアン製オリジナルメッシュ吊り棚制作、懸垂トレーニング用SUSハンギングバー制作、ラバトリー仕切りカーテン取付
■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)
2019.03.13 / その他施工実例 細部のマテリアルにまでこだわりの詰まった アーティスティクなマンションリノベ
今回の作品は東山区の閑静な佇まいの中にあり以前からこんなマンションでリノベーションできたらなぁ〜と思っていたところでした。お施主様に初めてお会いしたのは当社でリノベーション済み販売物件として内覧会を行なった“cross”にお越しいただいたのがきっかけでした。古いマンションがリノベーションすることでこれだけ一変するのかということを実感いただきリノベーションのご依頼を早速いただきました。
リノベーションさせていただくマンションは既に取得済みでしたのですぐに内覧させていただき、どのようにリノベーションされたいかを含めて現地でお話しを伺いました。その時に一番印象の残っているお施主様からの一言が「1ヶ月後に入居できますか?」という言葉でした。もちろん即答で「無理です。」とお答えしたのを覚えております。お施主様にはできるだけ早く進めても最低その数倍の期間が掛かることをご説明しご納得いただいた上で進めさせていただきました。
それであれば急ぐ必要がなくなったのでということで逆にゆっくりと時間を掛けて行き違いがないように打ち合わせをさせていただくことになりました。その結果着工まで通常よりも2〜3ヶ月余分に打ち合せに日数を掛けることになりました。
いざ着工という時点になって思わぬアクシデントが発生して着工が遅れましたが最終的には無事解決して工事を着工することができました。このようなエピソードも今から思えば物件購入からお手伝いさせていただいてなかった分、お施主様との距離を一気に縮めるいい出来事となりました。
打ち合わせ当初からお施主様のこだわりが半端なく、細部にわたり詰める内容が多かったのですが、リノベーションをご依頼いただくお施主様はそれぞれ皆さんこだわりをお持ちですのでそれがまた楽しい一時でした。
それでは具体的にどのような内容であったかと言うことですが、まずこのマンションはRC造りですが小規模のマンションということで壁式工法のマンションで各部屋の間仕切りやドアの上部のタレ壁までコンクリートで出来ており自由に間取を変えられません。それを前提でのリノベーションをさせていただくことになりました。またコストを抑えるためできるだけ既存で使えるものは使うということで進めさせていただきました。
打ち合せを進める中でお施主様の譲れないポイントがいくつかあり、やはり床は無垢フローリングにされたいということで進めることになり、当初既存の建具を使う予定でおりましたがほとんど使えなくなるため、それなら建具を造る際にご主人がガラス工芸をお仕事とされているため、メインのリビングドアにステンドグラスと各部屋の建具にも小窓をガラスで創っていただけるということになりました。
まさにリノベーションならではのお施主様とのコラボが実現しました。そしてコストを考えることもありメリハリのある内容にするため壁と天井は既存下地を利用してクロス貼りにし、そのかわり床は無垢の幅広バーチフローリング使用するということやRC造りの壁式工法のため間取が変えられないぶん設備などの充実を図ることでイメージを一新するようにしました。
メインのキッチンはお施主様のこだわりでトーヨーキッチンを採用されカウンター兼対面キッチンというような感じに設えその背面には収納を設けてそう広くないキッチンスペースを有効にお使いいただけるようにしました。その壁面にはイタリア製のモザイクタイルを張ることで華やかな空間に仕上げさせていただきました。
リビングには大型のローボードやデスク+棚を設け新たに家具を置いていただかなくてもよく、また色合いも揃うよう設えました。その他にも様々なお施主様のこだわりがあったのですがひとつ取り上げるならコンセントやスイッチ類を通常タイプのものでは気に入られないということでエッジの効いたスクエアなタイプのものをお選びになったことです。
間取を変更したのはリビングに面した和室を洋室にさせていただいただけでそれ以外は全くゾーニングを変更していないのですが設備や内装を一新することでこれほどまでに同じ空間が変わるのかと思えるような好例に仕上がりました。
このように今回もいろいろありましたが完成した作品はお施主様の思いとこだわりのいっぱい詰まった素晴らしい作品となりました。
デザイン的にはリボーンキューブの今までのラインを踏襲したと言うよりもお施主様のご要望が色濃く出た仕上がりとなりました。
今回のネーミングは“ iridescenza ”と命名させていただきました。意味はイタリア語で“ 虹色 ”です。今回リノベーションさせていただいたキッチン壁面のモザイクタイルが光線の加減で虹色に光ることからイメージしてネーミングさせていただきました。
最後に総括として今回の作品はお施主様のこだわりをふんだんに詰め込んだ宝箱のようなリノベーションになったと思います。お施主様のセンスとリボーンキューブのデザインテイストをうまく織り交ぜたリノベーション作品となったのではないかとも思います。あとはお施主様にセンス良く住みこなしていただいてより洗練された空間にして仕上げていただけること間違いないと思っております。落着かれた頃にお伺いしぜひとも拝見したい作品となりました。
本当に楽しく内容の濃いリノベーションを一緒にさせていただけたことを、お施主様に感謝いたします。
■物件概要/1983年新築(築後29年)・京都市東山区・個人住宅リノベーション・専有面積101.46m²・構造:RC造4階建3階
■主要各部仕上および素材/壁面:スケルトンの上クロス貼り仕上(一部PB下地)・天井:既存下地の上クロス貼り仕上・床材:バーチ無垢フローリング(オスモ塗装仕上)・バスルーム:INAX製ユニットバス・シェルフ、クローゼット、建具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:イタリア製モザイクタイル貼り、トーヨーキッチン製システムキッチン・便器:INAX製等
■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)
2019.03.13 / その他施工実例 パリのおしゃれなアパルトマンをイメージした ワンルーム空間リノベ
今回の案件は「cross」の内覧会へのご来場をキッカケに物件のご紹介からリノベーションまでの全てをお手伝いさせて頂きました。
たくさんの物件をご紹介させて頂くなか、街中にありながら静かで暮らしやすそうな環境、また交通および買物便の整った立地、そして東南角部屋でL字型にとても広いバルコニーがある点などを大変気に入って下さりご購入を決めて頂きました。(さらに低階層の住戸ながら見晴らしも良くその点も気に入って頂きました。)
マンション全体としても直近に大規模改修を終えられたばかりの状態で築年数を感じさせない美しさを保っており、また中規模のマンションならではの落ち着いた佇まいがありました。
お部屋の専有面積は60m²弱と当時のファミリータイプマンションとしては最も一般的な広さのもので、また他の大多数の物件と同様に洋室2部屋、和室1部屋そしてリビングダイニングと言う典型的な3LDKの間取にゾーニングされていました。
リノベーション前の状況も壁や天井などの内装を貼り替える程度で十分にお住まい頂けるくらいの状態ではありましたが、上記の通り専有面積に比して細かく割り過ぎなゾーニングがかえって使いにくそうな印象でした。(将来的に3人家族くらいでのお住まいを想定されていたため、1〜2LDKくらいのゾーニングが理想的でした。)
打ち合わせに際しては当初より過不足のないご予算をご提示頂いていたため比較的スムーズに滞りなく進めることができ、見積もりの場面でも最初の見積もりでジャストな数字を提示させて頂くことができました。(もちろん仕上や下地を含め現状利用できそうなところは利用しながら、できるだけ基礎工事の部分の予算をカットし他に予算を回せる様考慮しながら進めました。)
リノベーションに際してのデザインコンプトは、お客様のお好みである“ パリっぽさ ”をわざとらしさなく表現することと、東南角部屋でバルコニーに囲まれた開放感を最大限に活かした「光と風」が通り抜ける“ ゆる〜い仕切り ”の1LDK(正確には1LDK+ウォークインクローゼット)の空間をつくることでした。そのためビジュアル的には“ 淡いパステルカラー ”の色壁をどこか一面にアクセントとして使うこと、そしてゾーニング的には透け感(抜け感)のある家具で空間を緩やかに間仕切ることなどが早い段階で決まりました。
この様に全体のゾーニングプランやデザインコンプトの方は早期に決定したのですが、お客様的に最後まで悩まれたのが床材の種類と色目、それに家具の色目で、最終的には床材は素材そのものにかなり表情のあるアンティーク加工済のクリ材の濃い目のフローリングを選ばれ、また家具や他の木部の色目の方も床の色目とあまりコントラストが付き過ぎない様、若干濃い目の色目を選ばれました。
こうして、お客様のイメージ通りの落ち着いた大人な雰囲気の“パリっぽさ”のあるリノベーション空間が誕生しました。
今回の作品名である「Doux(ドゥ)」は、フランス語で“ 柔らかさ ”や“ 心地良さ ”の意味を持つ単語だそうで、東南角部屋の陽当たりの心地良さや流れる空気(風の通り)の柔らかさ、また空間そのももの心地よさと間仕切りの緩やかさ(ちなみに間仕切り家具の向こう側はベッドスペースになっています)などからイメージしてネーミングさせて頂きました。いつもながらそのまんまなネーミングではありますが、空間のイメージにピッタリではないでしょうか。
■物件概要/1987年1月新築(築後25年)・京都市中京区蛸薬師通大宮西入因幡町・区分所有マンション・個人住宅リノベーション・床面積59.50m²(壁芯)・構造:RC造7階建
■主要各部仕上および素材/壁面仕上:PB貼りの上AEP塗装仕上・天井仕上:スケルトンAEP塗装仕上・床仕上:無垢クリフローリング仕上(アンティーク加工品)・浴室:INAXシステムバス(リノビオ)・洗面室:オリジナル洗面化粧台およびサンメント枠付全面ミラー貼り、床Pタイル貼り仕上・WC:INAX(アメージュ)、床Pタイル貼り仕上・玄関:500角タイル貼り仕上・建具:シナOSCL塗装仕上(各建具とも無垢真鍮製金物使用)・リビングシェルフ、ローシェルフ、カウンターテーブル、棚板等:シナOSCL塗装仕上・キッチン:モザイルタイル貼りオリジナル対面キッチン(LIXILシステムキッチン ラクエラ取付)・その他:バルコニー全面ウッドデッキ仕上(レッドシダー貼りの上オスモ外部用クリア塗装仕上)、TOSOバーチカルブラインド取付(WICのみSINCOL遮光遮熱カーテン取付)
■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)
2019.03.13 / その他施工実例 広い南庭に開けたウッドデッキと 明るいリビングの開放的な一戸建リノベ
今回の作品も物件探し〜ご購入〜リノベーションまでの全工程をご依頼いただきました。
最初にお施主様にお会いしてお話しを伺った時のご要望は、専有面積の広いマンションで駅から至近そして比較的築年数が浅く管理の行き届いたところをご希望でした。そしてそのご要望に沿っていくつか物件をご覧いただきましたがなかなか気に入っていただけるものがなく範囲を広げて積極的に物件をご覧いただきました。しかししっくりこられる物件が見つからずに日が経っていきました。
そのようなことからマンションではご希望の物件が見つからずに難しいのではいうことからその後一戸建にシフトしつつ物件をお考えいただくようになり1年近くお探しになられました。しかしそれでも気に入られる物件が見つからず、かなり探しあぐねておられた頃に売りに出された今回の物件をご紹介させていただきましたが、当初資料をご覧いただいていた時は予算オーバーしていることや間取などの感じもそう印象がよくなかったため、すぐには内覧いただきませんでした。しかし一度内覧しようということになり実際に物件をご覧いただくと思った以上によい印象を持っていただけました。そして売主様のご事情もあり早期に売却されたい意向で予算オーバーな価格についても交渉がスムーズに進みトントン拍子でお話を進めることができ無事ご購入いただけることになりました。
今回の物件は建物の規模もそこそこありお施主様のご希望を充分満たすことができるのは間違いないのですが、それにもまして持て余すぐらい広い南庭があることがこの物件を気に入っていただけた大きな要素でした。逆に持て余すぐらい広いということで当初はどう使うかがいろいろ考えられすぎ逆に難しいということやその分コストも掛かるという難しさもありました。しかしその広い南庭のお陰で充分すぎるほどの陽当りと広がりを確保できるためそれに越したことはないという風にお考えいただきました。そしてその広い南庭も含めてリボーンキューブで有効にそしてトータルにデザインしてリノベーションさせていただくことになりました。
今まで建物のリノベーションはいろいろ手がけてきましたが広々とした庭がとれるほどの作品はあまりなかったため、外回りのデザインも含めてトータルにリノベーションさせていただくのは今回が初めてということになります。 では具体的にどのようなご要望をお施主様がお持ちであったかということですが、まず今回の建物は元々わざわざ2階に階段を上がって玄関を設けてあり、その玄関から続くリビングも2階にゾーニングされていたのですが、立地が坂を上がったところになるため、坂を上がってきてまた2階まで階段を上るのは少し気が重いというお話しで1階に玄関を移設したいということが一番のご希望でした。そのため今回玄関を1階に移設してリビングも同じく1階にゾーニングし直すことになりました。
広いリビングからは広い南庭に面したウッドデッキを望みその向こうに広い南庭が繋がるというレイアウトにさせていただき存分に南からの陽を取り入れていただけるようにしました。
2階には広めの寝室とこれもかなり広めのウォークインクローゼットを設け、将来的に子供部屋になるであろう部屋を予備室として設けました。そして元々部屋であったところを逆に1部屋分南に面した吹き抜けにゾーニングして1階のリビングから気配と明るさを確保しました。将来的には元々部屋だったところなので手狭になり、もう1部屋個室が必要になった場合にはその吹き抜けをなくして部屋にも変更できるようにという考え方でゾーニングしました。
次にキッチンや水回り、寝室などの壁面にはお施主様のご希望でお好みのカラーを取り入れました。特に水回りに関してはカラーを取り入れることもありリボーンキューブでお馴染みの建具や家具を木目にせず、ホワイトのメラミン化粧板で設えるようにしました。それによりいつもと違いすっきりとシャープな仕上がりになったのではないでしょうか。
その他についてはお施主様のご要望通りできるだけシンプル且つすっきりとした空間に仕上げさせていただきました。
立地的に若干寒冷地であることから当初は床暖房や蓄熱暖房も検討されたのですが実際にはコストが掛かり過ぎることやランニングコストも同じように掛かることから採用せず、全ての窓をペアサッシに替え、床下や天井などの断熱を計ることで寒さを和らげ、コストとランニングコストの比較的掛からないエアコンを選択いただきそのエアコンの容量を通常よりもかなり大きめにとることで暖房効率を上げるように設えさせていただきました。
そしてまた何と言っても最初にお話しした広い南庭をどのようにデザインするかということになり、まず来客用のガレージを設けそれでも余る広い南庭には一面芝生を敷き詰め、枕木とウッドデッキで仕上げるように設えました。今回芝生を一面に敷き詰めるように設えたのはお施主様が植木の手入れをあまりされなくてもいいようにというご要望があったため、手入れを要す植木は植えないということにしました。
結果的にはシンプルな南庭になったのですがその分すっきりと使いやすい南庭になったのではないでないかと思います。
南庭に繋がるウッドデッキには日よけのために可動式のテント屋根を設けさせていただきまるでカフェにいるかのような設えにさせていただきました。
このように今回建物だけでなく外回りも含めて全てをトータルにリノベーションさせていただけたことで統一感のあるリボーンキューブらしいデザインの仕上がりになったのではないかと思っております。
今回の作品名は「noter」とさせていただきました。意味はフランス語で「音符」です。理由はお施主様がご夫婦ともに音楽に大変親しまれていることからイメージしました。お施主様のイメージにピッタリなネーミングではないかと思います。
お施主様にゆったりとお住まいいただき、ぜひ落ち着かれた頃にお伺し南庭も含めてどのように素敵にお住まいになっているのかを拝見するのが本当に楽しみなリノベーション作品となりました。
今回も大変楽しくリノベーション作品を一緒に造らせていただけたことに感謝を込めて締めくくりたいと思います。
■物件概要/1987年新築(築後25年)・大津市・個人住宅リノベーション・延床面積119.82m²(壁芯)・構造:木造スレート葺2階建
■主要各部仕上および素材/壁面:PB下地の上AEP塗装仕上(一部シナベニア下地)・天井:PB下地の上AEP塗装仕上・床材:オーク無垢フローリング(オスモワックス仕上)・バスルーム:INAX製ユニットバス・シェルフ、クローゼット、建具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:モザイクタイル囲いの上、INAX製システムキッチン・便器:INAX製アメージュC・その他:キッチンおよび洗面収納(メラミン化粧板仕上)、洗面入口建具(チェッカーガラス入り引き戸)・サッシ:一部入替え・ガラス:ペアサッシ・屋根:スレート瓦葺き替え・外壁:塗装塗り替え・外部鉄部:ペンキ塗り替え・玄関:スチール製玄関ドア、スチール製窓・ウッドデッキ:セランガンバツ、SPF材(オスモ塗装仕上)・外構:芝生、枕木、橋梁工事、ブロック積み、ヨウ壁、カーポート、オーニングテント等
■リノベーション期間/約2.5ヶ月(解体工事期間含む)
2019.03.13 / その他施工実例 「珈琲と音楽が楽しめる光の家」 広めのワンルーム空間をおしゃれに家具で間取るマンションリノベ
今回の案件も中古物件のご紹介からリノベーションまでの全てをお手伝いさせて頂きました。また、今回はお問い合わせ頂いてからごく短期間のあいだに物件の方もお決め頂き、とんとん拍子な流れの中でこのたびの完成を迎えました。
実際のタイムスケジュール的には、昨年の9月の1週目くらいに初めてお問い合わせを頂いたあと早速メールでいくつかの物件をご紹介させて頂き、翌週にはその中のひとつの物件をご内覧頂き、さらにその場でその物件を即決して下さり、その後住宅ローンの仮審査の結果を得て9月末頃に売買契約を締結、そして残金決済(引き渡し)までおよそ2ヶ月間の猶予を頂き、その間にリノベーションプランの打ち合わせを進め、引き渡しより少しだけ遅れた12月下旬頃に着工、そしてこの2月初旬に完成となりましたので、お問い合わせ(ご相談)からリノベーション完成(お引っ越し)までほぼ6ヶ月と言うことになります。また、時期的に年末年始を挟みましたので、それがなければあともう少しくらいは早く仕上がっていたと思います。(よく皆さまより物件探しからリノベーション完成までどのくらいの期間が必要ですか?と言う質問を頂くのですが、そういう意味では今回のケースがその最短モデルではないかと思います。)
物件の方は立地的には地下鉄延伸でますます便利で暮らしやすくなった中京区の「西ノ京」で、築年数はそこそこ経っているものの、行き届いた管理運営を窺わせる落ち着いた雰囲気を持つマンションでした。そして特筆すべきは7階南向きからのその眺望で、遮るものが一切ない景色の抜け感は即決頂くに十分値するものでした。(その他にも“ペット可”と言う条件が合致したことも即決頂けた理由になったと思います。)お部屋の専有面積は63m²弱と一般的なファミリータイプの広さでしたが、お客様がご希望されていた“ 将来的に2LDKに可変可能な1LDK空間 ”を実現するのにジャストなサイズ感でした。(逆にお客様的にはもう少し小さめの面積でも良いとのご希望でした。)
元の間取りは和室と洋室が各1部屋ずつの2LDKのゾーニングになっていましたが、その間取りの配置がイマイチで和室の裏側にあるキッチンや中途半端なカタチでゾーニングされている洋室など、せっかくの南向きの良さが活かされていないともすれば暗いイメージのお部屋でした。しかし、リビング(およびキッチン)と和室を隔てているカベを取り除けば、リビング南面が全面ガラスのカタチになり、大変明るい空間に生まれ変わることは容易にイメージできました。さらにカベ側(北向き)に向いていたキッチンを対面タイプ(南向き)にすることで、その素晴らしい景色を眺めながら日々の炊事を楽しんで頂けるスタイルにリノベーションできることを現地でご説明させて頂きました。
打ち合わせに際しては、お客様の方で“ リノベーション企画書 ”と題した要望書をご用意下さり、その中でオーディオ(音楽鑑賞)がご趣味でインテリアにも造詣が深いご主人と、珈琲(淹れること)やアートがお好きな奥様のそれぞれの要望を満たした空間のイメージやマテリアルなどについて、文字とビジュアルの両方で分かりやすく提示して下さいましたので、ファーストプランから細部の仕上げに至るまでかなりスムーズに進めて行くことができました。(あと家具や電化製品や衣装ケースに至るまでそのサイズの方も全て網羅して記載頂いていましたのでプランの方に落とし込みやすかった点もとても助かりました。)
その具体的なご要望とは“ 珈琲と音楽が楽しめる光の家 ”と言うもので、デザイン的にはシンプル&スマートながら、どこか無骨さとレトロっぽさが感じられる様な空間で、完成写真にあるリビング側面のコンクリートベンチもそうしたお客様のリクエストから生まれたものです。また、細部のディテールにもかなりこだわられ、電気のスイッチやコンセントカバーや照明器具、そしてドアノブやタオルハンガーなどの備品に至るまで細かにご指定および支給頂きました。(今回調光スイッチの方も従来のモノとは異なったアメリカ製のレトロデザインのスイッチを見付けて来て下さったものを取り付けさせて頂きました!)
さらにコストダウンが必要な場面では、エアコンやキッチンのガスコンロ(ハーマンガスコンロ)を自らネットオークションで落札して支給して下さるなど、お忙しいなか逆に側面からサポートして下さいました。
こうして細部に至るまでそのこだわりが詰まった無骨さとレトロな雰囲気がミックスした、お客様のイメージ通りの“ シンプル&スマート ”な空間が誕生しました!
今回の作品名である「switch(スイッチ)」は、お客様より提供して頂いたもので、大阪から京都へ生活の拠点を“ スイッチ ”されること、また従来型の住まいからリノベーション空間へとその暮らしを大胆に“ スイッチ ”されること、さらに文字通り電気の“ スイッチ ”などにも一方ならぬこだわりをお持ちだったことなどの意味を込めてネーミングされました。
あとはこだわりの家具やインテリアやオーディオなどを実際に配置され、さらにそこに経年変化が加われば、よりレトロで味わい深い空間へと変化して行くものと思います。
■物件概要/1972年2月新築(築後42年)・京都市中京区西ノ京北壺井町・区分所有マンション・個人住宅リノベーション・床面積62.41m²(壁芯)・構造:SRC造9階建
■主要各部仕上および素材/壁面仕上:スケルトン(一部PB貼り)の上AEP塗装仕上・天井仕上:スケルトンAEP塗装仕上・床仕上:無垢オークフローリングオスモオイル塗布仕上・浴室:INAXユニットバス(リノビオ)・洗面室:TOTO壁付洗面ボウルおよびIKEA製ミラー貼り(施主支給品)、床Pタイル貼り仕上・WC:既存利用(レトロな形状のため修理の上敢えて利用)の上床Pタイル貼り仕上・玄関:300×600角磁器タイル貼り仕上・建具:シナOSCL塗装仕上(各建具とも施主支給無垢真鍮製金物使用)・リビング家具、棚板等:シナOSCL塗装仕上・キッチン:モザイルタイル貼りオリジナル対面キッチン(業務用特注キッチン使用)・その他:リビングコンクリートベンチ制作、寝室仕切りウッドブラインド(タチカワブラインド)施工
■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)