その他施工実例

2019.03.15 / その他施工実例 生活感のないラグジュアリーな空間へリノベーション

今回は、お洒落なショップや飲食店が並ぶ京都屈指の中心地で、セントラルスクエアと呼ばれるエリアに建つ高級マンション(億ション)の一室をリノベーションさせて頂きました。リノベーションをご決断されるまでには、住みかえ等も含めてご検討されていたそうですが、やはり利便性や暮らし易さの条件を比較検討された結果、住み慣れたお住まいでのリノベーションをご依頼頂くことになりました。

 

専有面積が108.30m2と、一般的なマンションよりもかなり広い面積のお部屋で、またリノベーション前のお部屋もリフォームを施された状態で美しくお住まいでしたが、2LDK+納戸のゾーニングだった為、お子様のご成長と共に手狭な使い勝手になって来ておられました。(リビングルームと和室が繋がっていた為に実質的には1LDKの様なゾーニングになっていました。)
また、3帖大の広さの納戸はあったものの、下駄箱を始めそれ以外の各室の収納スペースがが少なく効率の良い収納ができなかった為、お部屋の広さに比して物が多く溢れている様な印象でした。

 

リノベーションに際してのお施主様からのご要望は、主寝室とお二人のお子様の個室と書斎のある4LDKのゾーニングにすることと、来客が多い為できるだけ生活感の出にくい(住宅っぽくない)空間にしたいと言うものでした。またお料理好きの奥様からは、いつも緊張感を持って美しさを保てる様、アイランドキッチンにしたいとのご要望を頂きました。基本的にそれ以外のデザインコンセプトについてはお任せ頂く形でご依頼頂きました。

 

そこで、まず使い易そうで使いにくく、且つ空間を分断していた納戸を無くし、代わりにそれぞれの空間で、それぞれに必要なものを効率良く収納して頂ける様に収納スペースを見直すと共に、効率の良いゾーニングを妨げる位置に配置されていたバスルームを、こちらも大幅に移動しました。そうすることによって、それぞれに繋がりがありつつも独立性の保たれた4LDKのゾーニングを実現しました。
書斎とふた部屋の子供部屋のあるゾーンは、下の写真の様に一見扉の無いワンブロックの大きなハコがある様に配置し、隠し扉を開ければ各部屋への入口と大容量の収納スペース、そしてピアノが現れると言うデザインになっています。
この様にデザインそのもので生活感を消すと共に、実際にお住まい頂いた後もほとんどの物を収納の中に仕舞って頂ける様にすることによって、扉を閉じて頂ければ細々した物や生活感のある物が隠せ“凛”とした空間としてご使用頂ける様配慮しています。

 

また、今回は家具や建具を始めサッシ枠に至るまで、あらゆる箇所の木部の面材に、高級家具や楽器などにも使用される縞黒檀(マカッサエボニー)と言う高級材を使用させて頂きました。この素材感によって、よりラグジュアリーな雰囲気が演出できたと思います。
夜になってライトアップされたお部屋は、さらにラグジュアリーな雰囲気が増し、まるでどこかの高級レストランにいる様な、まさにワイン好きなお施主様に心地良いカクテルタイムをお過ごし頂ける様な空間になったのではないかと思います。
最後に今回の作品名である「ebenum」は、今回使用させて頂いた縞黒檀の学名とのことで、そのままではありますが、どこか上品な文字と響きに惹かれてネーミングさせて頂きました。

 

■物件概要/1991年新築(築後17年)・京都市中京区堺町通姉小路下る・区分所有マンション・個人住宅リノベーション・床面積108.30m2

 

■主要各部仕上および素材/天井:スケルトンAEP塗装仕上・壁面:PB下地AEP塗装仕上・床材:床暖対応無垢オークフローリング仕上(書斎、子供部屋:カーペット敷仕上)・洗面室:マカッサエボニー突き板張りULCL塗装仕上造付洗面カウンター・玄関:磁器タイル貼り・造作家具:マカッサエボニー突き板張りOSCL塗装仕上・建具:マカッサエボニー突き板張りOLCL塗装仕上(リビングドア:テンパーガラスドア)・キッチン:TOYO KITCHEN STYLE BAYアイランドタイプ・浴室:日ポリ化工OVALユニットバス(浴室暖房乾燥機付)

 

■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.15 / その他施工実例 飲食店舗ビルを工房兼住宅へリノベーション

今回は久々の鉄骨造の一戸建リノベーションでした。リノベーション前は和食の飲食店舗ビルとして使用されていた、屋上付3階建の建物で、1階がメイン厨房とカウンター席、2~3階が座敷席で、浴室や居室などの住宅設備が全く無い建物でした。

 

お施主様自身も1階を楽器修理の工房兼店舗として使用できる事を条件に物件を探されていたため、大通りに面したこの店舗ビルがイメージに合われたのだと思います。
前述の通り、お施主様ご自身が“コントラバス”と呼ばれる弦楽器の修理・修復を職業にしておられ、それこそ100年以上も前の楽器を修復されたり、言わば楽器のリノベーションを本職にされている事から、住まいに関しても新築や普通の中古リフォームでは無く、味わいのある「中古購入×リノベーション」を選択されました。

 

※コントラバス ・・・ 主にクラシックのオーケストラ等で演奏される、見た目はバイオリンに似た大きな楽器の事です。ジャズやその他の音楽ジャンルで使われている“ウッドベース”と言う呼び名の方がピンと来るかも知れません。

 

ちなみに実際に見せて頂いた古い楽器も、何度も塗り重ねられて来た塗装の色合いや、絶妙の木目の表情など正にヴィンテージの味がありました。(音の方も古くなるにつれてより深みのある良い音になって来るそうです。)
ただそれでも、決して美しいとは言えない元の和食の飲食店舗の状態からリノベーション後の完成形をある程度頭の中でイメージしてご決断して頂くには、かなりの思い切りを必要とされた事と思います。

 

ご購入自体は他の不動産会社でされたのですが、物件の下見の段階から建物そのものの現状や問題点の有無を始め、どの程度の予算でどの様なリノベーションが出来るのか等々の細かな点までご相談を頂き、お施主様と一緒に実際に建物の内覧等、事前確認もさせて頂いておりましたので、リノベーションの打ち合わせを始め、実際の設計や施工にも大きなズレが無く進めて行くことが出来ました。

 

リノベーション前は、内外装ともに完全な和風で、1階のカウンターと厨房以外は殆ど畳で、壁面も聚楽色の飲食店仕様だったので、内装については鉄骨の階段を残す以外はスケルトン状態まで解体し一からゾーニングをし直しました。

 

今回デザインに関しては特にテーマの様なものはありませんでしたので、1Fを工房兼店舗にされる事を始めとして、雑誌切り抜きやイメージ写真を見せて頂きながらご希望のテイストや間取構成、マテリアル等々をお伺いし、リボーンキューブのデザインテイストを織り込んで打ち合わせを進めて行きました。

 

ただ、建物の規模がそこそこ大きい店舗併用住宅であるため、外壁も屋上もあそこもここも、と範囲を広げて行くとどうしても予算が膨らんで行ってしまう事から、外観的にはファサードのみに限定し、その他の外壁や屋上など現時点でどうしても補修等の必要のない箇所については基本的には手を付けず、内装に関しても2Fのリビングルーム以外は必要最小限にシンプルにと、お施主様にもご協力を頂きながら打ち合わせを重ね、プランを固めて行きました。

 

こうした打ち合わせと見積りの過程を経て行く中で、お施主様自身にも本当に必要で実現したい事とそうでない事、どうしても今しなければならない事と将来でも良い事等々を改めてご確認頂きながら、過剰なムダを削ぎ落とした、よりシンプルでカッコいい、リノベーションならではの空間を創る事が出来たのではないかと思います。

 

特に一番始めの段階から、こだわりの素材としてご要望頂いていたローズウッドのフローリングが、とても味わいのある表情でイイ感じに空間を印象づけていると思います。これから先も経年変化を重ねて行く中で、楽器と同様に更に味わいやヴィンテージ感のあるものになって行くのではないかと思います。

 

作品名である「BASE」については、結構早い段階から決まっていました。響きの通り“コントラバス”や“ウッドベース”の「BASS」からネーミングさせて頂きました。が、もう少し思い入れをお話しさせて頂くと、この楽器自体が前述の通り、元々はクラシックで演奏されていた楽器なのですが、奏でられる奥深い低音の音色と存在感のある独特のスタイルから、現在ではジャズ・ポップス・ロカビリー・カントリー等々の様々な音楽ジャンルで愛されており、実際にお施主様のところへ修理に持って来られるお客様も、様々な立場・スタイル・音楽ジャンルの方々だそうです。

 

プロもアマチュアも社会人も学生さんもクラシックもジャズもポップスもロカビリーもカントリーもetc・・・立場もスタイルもジャンルも違うけれど、同じ楽器を愛しているミュージシャン達の交流の場、情報発信の拠点にして行きたい、との思いをお聞かせ頂き、その「拠点・基地」の意味も込めてネーミングさせて頂きました。

 

■物件概要/1979年7月新築(築後29年)・京都市北区紫野・一戸建・個人住宅リノベーション・延床面積144.12m2・構造:鉄骨造陸屋根3階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面:PB下地AEP塗装仕上(3Fのみクロス貼り仕上)・天井:PB下地AEP塗装仕上(2FのみスケルトンAEP塗装仕上)・1F床材:無垢ボルドーパインフローリング着色オイルフニッシュ仕上・2F床材:無垢ローズウッドフローリングオイルフィニッシュ仕上・3F:パイルカーペット貼り・洗面室:シナULCL塗装仕上造付洗面カウンターのうえ床Pタイル貼り・浴室:TOTOバスピアシステムバス・玄関:カラークリート土間仕上・造作家具:シナOSCL塗装仕上・建具:シナOLCL塗装仕上(一部アンティークモザイクガラスはめ込み)・キッチン:施主様支給IKEAシステムキッチン・ファサードデザイン:オリジナルサンメント框ドア(店舗入口アンティークモザイクガラスはめ込み)、正面壁面ジョリパッド仕上(ガラスブロックはめ込み)、黒革スチール抜文字サイン・その他:階段踏板タモ集成材OSCL塗装仕上、オリジナル木製手摺、店舗入口シャッター

 

■リノベーション期間/約2ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.15 / その他施工実例 中古マンションをヴィンテージ空間にリノベーション

今回は河原町通に面した比較的こぢんまりとした分譲マンションの一室のリノベーションでした。また今回は「中古購入×リノベーション」の全てお任せ頂きました。

 

ファーストコンタクトは、お施主様の方でほぼ購入を決めておられた物件があり、その物件の下見への同行でした。どこまでスケルトンにでき、どの様なリノベが可能か、どの程度の予算が必要かなどをアドバイスさせて頂くためにご一緒させて頂きました。その結果もほぼお施主様がご要望されていた通りでしたので、あとは最後のご決断をされるのみと言う段階でした。が、あと一歩何かが足りない?と言う感じで悩んでおられ、もしも他に良い物件があれば教えて欲しいとのご要望を頂きお別れしました。
そしてそれから数日後、先の物件よりも古びたマンションでしたが、眺望が良さそうなリノベ向き?と思える物件がたまたま売りに出て来ました。眺望は良さそうなのですが、バルコニーが無かったり、建物そのものもマンションと言うよりもビルっぽい感じで、かなりマニアックそうな物件ではありますが、とお断りした上でご案内させて頂きました。 実際に内覧してみると、部屋そのものは築34年相応の状態で、天井も低く圧迫感がありましたが、点検口からチェックするとスケルトン状態では天井高が3m近くとれそうな事や、窓も大きく予想していた以上の眺望で、鴨川や大文字が一望できる絶好のロケーションだった事、そしてマンションでは珍しく屋上も開放されており、その屋上からの眺めが更に素晴かった事などから、いくつかの課題は残っていたものの、一目惚れに近いかたちで即決して下さいました。

 

打ち合わせに際しては、お施主様の方でご購入を決められている家具を含め、空間を構成する要素など、全てにおいて明確なイメージをお持ちでした。それらの要素を取り入れて、ヴィンテージ感の漂う無国籍なイメージの空間をつくる事がデザインのテーマでした。
具体的な要素としては、「アイアン」「木」「白ペンキ」「モルタル」「グリーン」の5つで、器(部屋)としてはそのうちの「木」と「白ペンキ」と「モルタル」の3つの要素でイメージを表現し、残りの2つの要素は家具と植物などで表現する事として打ち合わせを進めて行きました。

 

床のフローリングをはじめ、木部には100年以上も前に使用されていた本物のヴィンテージウッドを使い、粗さのある躯体の壁や天井をそのままに、新たに造作するブロックの壁や囲いも、積みっ放しの粗い仕上げとしヴィンテージ感を表現し、ラフなイメージのアイアンの家具や観葉植物がしっくりと溶け込む様にする一方、バスルームにはジェットバスなど快適性も兼ね備えた最新の設備を導入しました。

 

また、経年変化によって表面に錆びが出てヴィンテージ感と味が出て来る様に敢えて仕上げの塗装を省いた無垢のスチールドアや、それに使用する「ビス」も同じく錆びが出てくる様に表面のメッキを酸で剥がして使用したり、モルタルの塗り方や仕上げ方も注文するなど、施工の過程においても細部に至るまで注意を払いながら、全てにおいて妥協のない空間づくりを目指しました。

 

こうして完成した空間ですが、正確にはまだ完成していない状態です。もちろん、どのお施主様のどのお部屋もそこに家具やインテリアが入り、「主」がそこに住まわれて初めて完成すると言えるのですが、今回は特に先に触れたデザインの重要な構成要素である5つのうち「アイアン」と「グリーン」の2つがまだ欠けている状態だからです。
と言う事で、差しあたり?工事が完了した状態の写真を掲載させて頂きますが、実際にお施主様がお住まいになられて全ての構成要素が揃った段階で、再度撮影させて頂き、その写真も掲載させて頂く予定ですので、そちらの方も楽しみにしておいて頂ければと思います。

 

作品名である「Trunk」については、トランクと言う言葉から、使い込まれて味がある感じや、良い意味で古びてくたびれた様な感じや、無国籍な感じが連想された事、またミニマムなワンルーム空間の中にそれぞれの要素を集約した(詰め込んだ?)、と言う様なイメージから決めさせて頂きました。

 

■物件概要/1974年6月新築(築後34年)・京都市上京区河原町通今出川下る・区分所有マンション・個人住宅リノベーション・床面積39.06m2・構造:RC造6階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面:スケルトンAEP塗装仕上(一部モルタルシゴキのうえ塗装)・天井:スケルトンAEP塗装仕上・床仕上:無垢パイン材フローリング仕上(ヴィンテージ古材)、モルタルクリア塗装土間仕上・バスルーム:造付のうえ床、壁面45角タイル貼仕上・玄関:モルタルクリア塗装土間仕上・本棚等木部:無垢パイン材(ヴィンテージ古材)により製作・収納およびWC建具:黒革スチールドア・キッチン:コンクリートブロック囲いオリジナルアイランドキッチン(SANWA COMPANYコンパクトキッチン使用)・トイレ:INAX REGIOノーブルブラック(床モルタルクリア塗装土間仕上)・その他:TOTOジェットバス施工、浴室暖房乾燥機

 

■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.15 / その他施工実例 開放的なリビングとデッキでビーチサイドに建つサーフハウスのような空間に

今回のお施主様は当初一戸建でお探しいただきなかなかご希望に添うような物件が見つからず、中古マンションにシフトしお探しいただきそれでもなかなかご希望される条件の物件が見つからずに、もう一度一戸建に戻り条件を緩和して探すことにより、当初の予定よりも郊外ですが予算を含めてご希望に沿う物件を見つけることが出来ました。最終的にご相談いただいてから物件が見つかるまでに1年半以上かかりましたので当初予定されていた時期を多少過ぎてしまいました。
しかしながらリノベーション内容についてはご要望を満たすことが出来る物件ですので結果的にお施主様にご満足いただけるリノベーションをすることが出来ました。と言うような経緯でお施主様と一緒に物件探しからご購入~リノベーションまでの全てをさせていただきました。

 

そしてリノベーションを進めるにあたり、最大のご要望は「広々と開放感のあるリビングとそこからつながる広いデッキが欲しい。」そしてお施主様の趣味であるサーフィンのサーフボードやウェアなどを土足のまま収納出来る納戸が欲しいと言うことでした。その2点を満たすべくゾーニングを考え今回のプランに纏まりました。

 

玄関を入るとまず目に飛び込んでくるのが広い土間空間とサーフボードを4セットまで飾れるラックです。一見するとサーフショップではと見まがうばかりの空間に設えてお施主様の遊び心をくすぐるようにしました。そして同じ空間内に全長4m以上あるポールを設置しサーフィン時に使用されるウェットウエア等を好きなだけ吊下げていただけるようにしました。
そして玄関を土間空間にすることで天井高が3m程確保でき、非常に空間として広く感じられるゾーニングになりました。また土間はブラックのカラークリートで粗く仕上げ、天井は内張を剥がして元の躯体をむき出しにし、建具などと同色で塗装しシンプルですがまとまりのある空間に仕上げました。

 

またお施主様があまり家具を置きたくないとおっしゃったので寝室にはパソコンやTVが置けるデスク代わりの棚板を取付けました。
また寝室から出入りするウォークインクローゼットも家具を置かずに済むように広い目に設けて、洋服や細々したモノを効率よく収納していただけるようにしました。

 

そしてメインの2階リビングは階段を上がるなり広々とした1室空間が視界に飛び込んでくるようにゾーニングしました。素材として床をパインの無垢フローリングに濃い目の塗装を施し、壁と天井の白い部分を吸収するように仕上げました。

 

またあまり料理などはされないと言うことでミニマムなキッチンを採用しましたが機能的には充分使えるオールステンレスの存在感があるキッチンを採用し、使わない時でも絵になるような仕上げにしました。そして Re:BORN cube の真骨頂であるキッチンバック収納は今回コストを抑えるためにも建具を採用せずに遊び心があるビロード調カーテンを採用し、いつもとはひと味違った仕上がりになりました。

 

またビフォア時には勾配のない平坦な低い天井でしたが天井の内張を剥がしてみると勾配をだせる高い天井に仕上げることが出来ることが判明したため補強のための梁も見せる仕上げで、あたかもそういう風にデザインしたかのような空間に設えました。

 

そしてリビングから広いデッキへは引込み可能なサッシを採用し出来るだけ開口を広く確保し、開放感と一体感を出すことに成功しました。またそのデッキ部分の一部を思い切ったゾーニングにより造った洗面・バスルームが一体になった空間には、1面全てをサッシによりガラス張りにすることで非常に明るく開放的な水回りに仕上げることが出来ました。

 

また今回、物件購入からリノベーションまでの予算がシビアに決っており余分なコストをかけられる余地が無いことで、逆にお施主様の本当に必要なご要望のみをスポイト出来たために非常にシンプルだけれどもデザインされたメリハリの効いた空間を造る事に成功しました。

 

そしてお施主様がRe:BORN cube のリノベーションに絶大な信頼をいただいていることで提案を受け入れていただきやすくリノベーションならではの作品を造ることが出来ました。そして最後に今回の作品名「kuria」はお施主様のお子さんのお名前をとっています。スペルは違いますがまさにクリア=透明で明るく開放感のある今回の作品にピッタリのネーミングであると思います。さながらビーチサイドに建つサーフハウスのような空間に住みこなされることが想像出来るお住まいになることと思います。

 

■物件概要/1981年新築(築後28年)・京都市右京区鳴滝・個人住宅リノベーション・1階62.33m2、 2階 34.78m2・構造:木造スレート葺2階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面:PB下地の上クロス仕上・天井:PB下地の上クロス仕上(1階玄関ホール及び2階デッキ部分 スケルトンの上OS塗装仕上)・床材:2階リビング 無垢パインフローリング(オイル塗装仕上) 1階ホール及び寝室 カーペット仕上・洗面及びバスルーム:100角タイル張り在来工法仕上・建具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:オールステンレス製キッチン(2口ガスコンロ)・トイレ:ウォシュレット付便器・玄関土間:カラークリート仕上(ブラック)・デッキ:FRP防水下地の上 無垢パインフローリング(オイル塗装仕上)

 

■リノベーション期間/約2.5ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.15 / その他施工実例 リノベーションでお互いが快適に住み分けできる二世帯住宅を

今回のお施主様は若いご夫婦とお母様との2世代でお使いいただくためのリノベーションと言うことを踏まえコストを抑えつつ、世代が異なることでの趣味や生活スタイルの違いを受け止めて、お互いが違和感なく快適に同居できる空間を造ることを目指しました。

 

また造り込まれた整然とした空間ではなく、少し片づいていないぐらいのラフな空間がお好きとのご要望がございました。特にキッチン周りのご要望が食器やフライパンなどを見せた状態で飾るような感じが欲しいと言うリクエストでした。今までRe:BORN cube で手掛けてきたお施主様のリクエストはあまり片づいていないところを見せたくないのでスッキリと隠したいというご要望が多かったため、今回は全く逆のリクエストを承りました。

 

そして今回キッチンを含むリビングスペースを大幅に広くするようなゾーニングがプラン上難しいため、当初リビングに向かってI型の対面式キッチンをお施主様がご要望でしたがI型では幅が狭くお施主様のご希望される充分な収納を持ったキッチンが収まらない事もあり、シンク側とコンロ側に分割させて前後に配列することで使い勝手を良くし、充分な収納力も確保出来るように配慮しつつ、キッチンスペースとして広々と使えるように設えました。
そしてご要望であった見せながら食器や調理器具を仕舞えるようにするために棚を出来るだけオープンで確保し、機能的にもご満足いただける様にしました。

 

またもう一つのご要望であったリビングのシーリングファンとデッキを設けるべく、出来るだけ天井を高くとりシーリングファンを設置出来るようにし、リビングから掃き出し窓を通して一直線につながるデッキを設置して広がりを持たせました。

 

また1階リビングのちょうど上階がお母様のリビングと寝室になるため若いご夫婦が遅くまでリビングでくつろがれても音が上階に伝わりにくいようにスケルトンにするのではなく床材に用いるのと同材質の無垢の杉板を天井にも張り遮音とデザインの両方を満たすように設えました。

 

次に玄関ホールですが、この建物が造られた当時に流行した吹き抜けになっており広々とはしていましたが取って付けたような下駄箱がポツンと置いてあり、非常に無駄に広い空間に感じました。
その空間を当初のご要望では吹き抜け部分の1面全体を書棚にしたいと言うリクエストでございましたがコストの問題と吹き抜けの高い位置の書棚が実際には使用不可能であろう事から計画を変更し、ローボードを配して現実的な収納力と吹き抜け空間全体を取り込んだ一体感のある空間にすることにしました。

 

また1階の若いご夫婦の寝室やウォークインクローゼット部分などはコストを抑えるために床・壁・天井の仕様を市販のクロスや合板床材で仕上げるようにしました。ただし機能的にもデザイン的にも Re:BORN cube らしさを保てるように入口ドアや収納扉は誂えるスタイルとしコストを考慮しつつもメリハリの効いた仕上がりとしました。

 

そして洗面室はいつもの Re:BORN cube テイストを踏襲しシンプルだけれどデザインされていてスッキリと清潔感のある水回りに仕上げ、浴室はシンプルなバリアフリーのユニットバスとして機能的にお使いいただけるのは元よりコストにも配慮しました。

 

次に2階のお母様のリビングは狭い空間ですが機能的にお使いいただけるように現在お持ちの食器棚や冷蔵庫等の寸法をプラン上に落とし込みキッチンと1列で収まるゾーニングとしました。そして床材も1階リビングと同じ杉の無垢フローリングをリクエストいただきナチュラルな空間に仕上げました。

 

また2階に元々あった和室はそのまま和室としてお使いになることからお客様の応接を兼ねられるように旧来の和室から Re:BORN cube テイストを取入れた和モダンな空間へと変貌させました。

 

以上のように今回のリノベーションでは、リビング以外ほとんどゾーニングを変えずに元の状態での使用となりますが、それぞれの空間をお施主様の使い勝手を考えリノベーションすることでそれまでとは違う個性的な空間に仕上げるように設えました。
またこのようにゾーニングを変更しないことや内部の使える素材をそのまま使用したり、外部も特に傷みがなかったために全く手を加えずにリノベーションすることでコストを抑えながらもその他の部分に効率よく費用を配分することで、メリハリの効いたリノベーションをすることが出来ました。

 

そして今回のコスト抑制のために和室や寝室などの室内には市販のクロスを使用し、そのクロス柄をお施主様に大胆に選んでいただくことで、今までの Re:BORN cubeテイストとはひと味違った、お施主様のカラーが非常に出せたおもしろい仕上がりになってのではないかと思っております。
そして若いご夫婦と年配のお母様とがお互いに快適に住み分けしていただけるようなリノベーションをさせていただくことが出来たと自負しております。

 

また最後に今回の作品名「aile」はフランス語で「翼」という意味があり1階リビングと寝室に設置したシーリングファンがあたかも飛行機のプロペラであるような趣と、日本ではなくどこか外国の家の趣を連想さすような今回の作品にピッタリのネーミングとしました。

 

■物件概要/1987年新築(築後22年)・京都府八幡市橋本・個人住宅リノベーション・1階71.18m2 2階 47.85m2・構造:木造スレート葺2階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面:1階リビング、ローカ、玄関吹き抜け及びホール部分 PB下地の上AEP塗装仕上(1階寝室、2階リビング、寝室、和室、ローカ、洗面部分 PB下地の上クロス仕上)・天井:1階リビング、ローカ、玄関吹き抜け及びホール部分 PB下地の上AEP塗装仕上(1階寝室、2階リビング、寝室、和室、ローカ、洗面部分 PB下地の上クロス仕上)・床材:1階リビング、玄関ホール及びローカ、2階リビング、寝室部分 無垢杉フローリング(オイル塗装仕上)・2階和室部分 無垢オークフローリング(オイル仕上)縁取りの上 縁なしカラー畳・1階寝室、ウォークインクローゼット及び2階ローカ部分 ナショナルカラーフロアー・洗面室部分 ビニル床タイル・浴室:トステムユニットバス・建具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:45角タイル張りオーダーメイドオリジナルステンレス製キッチン(IH3口コンロ)・トイレ:ウォシュレット付便器・デッキ:無垢杉フローリング(クリア塗装仕上)・オール電化仕様

 

■リノベーション期間/約2ヶ月(解体工事期間含む)