その他施工実例

2019.03.13 / その他施工実例 オリジナルの建具を効果的にデザインに取り入れコストダウン “和テイスト”の空間

今回は千本今出川に位置する総戸数400戸超えの大型分譲マンションの一室のリノベーションでした。このお施主様も「中古購入×リノベーション」のケースで、物件をお探しの段階からご相談頂いておりましたが、結果的にご購入自体は他社でされましたので、弊社としては主にリノベーションの部分に携わらせて頂きました。

 

ご購入時のお部屋の状況は、恐らく30数年前の時点から一度も改装等を施されていないであろう状態で、良く言えばリノベーション向きではありましたが、相当に古く、お世辞にも美しいと言える状態ではありませんでしたので、ご決断に際しては結構思い切られたのではないかと思います。
しかし、高層階ならではの景観が素晴らしく、大文字も一望できるお部屋からの眺望を拝見させて頂き“なるほど”とご決断されるに至った理由に納得しました。

 

建物全体としては、京都のマンションの中でも比較的古い部類に入るもので、リノベーションに際しても、古いが故のマンション側の制約が色々とありましたが、収納庫や牛乳受けが共用部の廊下に各戸専用にあったりなど、最近のマンションでは見かけることのない、どことなくユニークな施設が、時間の流れをゆったりと感じさせる、古き良き和やかなコミュニティを物語っている様な感じがしました。

 

リノベーションに際してのお施主様のご要望は、元のお住まいが京町家で、家具類も味のある骨董の和のもので揃えておられることから、全体的に和テイストでまとめることと、お仕事柄たくさんの蔵書を持っておられることから、壁面全体に大きな本棚を設えること、そして間取りついては元々閉鎖的に仕切られていた4DKを、開放感のある1LDKのゾーニングすることでした。
その他にも、バスルームをタイル貼りの在来工法にして、高級感のある据置式の浴槽にしたいなどのご要望を持っておられましたが、これらについてはマンション側の制約により、ユニットバスでの入替えのみしか対応できない等の理由から断念して頂かざるを得ませんでした。
しかし、そういった制約があったことにより、その分の予算を他の造作費用などに充てることができたため、結果的に全体のコストパフォーマンスは上がったのではないかと思います。

 

和空間の場合には特に、本格的にその意匠や要素を取り入れようとすると、それらの全てが膨大なコストアップに繋がってくるため、元々あった和室の障子に塗装だけを施しそのまま再利用したり、オリジナルの格子建具や和室の天井の竹組みなど、和の要素を効果的にデザインの中に配しながら、お施主様のご予算の範囲内で、リボーンキューブのデザインコンセプトのひとつでもある“禅スタイル”の和空間をご提案させて頂きました。

また今回、リビングルームの床の仕上げをフローリングではなく、市松貼りのタイルカーペット敷きにすることによって、ここでも大幅なコストダウンを図ると共に、フローリングとはまたひと味違った、落ち着きと品格のある佇まいを演出しました。

 

作品名である「Sabi」については、日本の美意識のひとつである“侘び寂び”から名付けました。
“寂び”の意味する「時と共に経年劣化した様子や、古びた様子に美を見出す意識」と言うところが、リボーンキューブのリノベーション全体のコンセプトにも共通するのですが、今回のお部屋のイメージやお施主様のご趣味のイメージにとても合う様な感じがしました。
また、数寄屋の様な完璧な和の設えではなく“禅スタイル”の和空間であることから、敢えてローマ字表記で「Sabi」とネーミングさせて頂きました。

 

■物件概要/1972年6月新築(築後36年)・京都市上京区五辻通浄福寺西入一色町・区分所有マンション・個人住宅リノベーション・床面積60.19m2・構造:RC造11階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面:スケルトンAEP塗装仕上(一部モルタルシゴキのうえ塗装)・天井:スケルトンAEP塗装仕上(和室染竹組仕上)・床仕上:タイルカーペット貼り仕上(和室畳敷)・バスルーム:Panasonicユニットバスリノーヴァ・洗面室:シナULCL塗装仕上造付洗面カウンターのうえ床Pタイル貼り仕上・玄関:Pタイル貼り仕上・造作家具:シナOSCL塗装仕上・建具等木部:シナOLCL塗装仕上・和室およびリビング格子(オリジナル格子建具・和室サッシ側障子のみ既存利用)・キッチン:業務用ステンレスキッチン(特注仕様)

 

■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.13 / その他施工実例 “禅スタイル”を取り入れ、シンプルな中に凛とした“和”を感じる空間へ

今回の作品は“couleur(クルール)”と同じマンション内で専有面積が2倍弱ある100m2強の現状3LDKを、広い1LDKにリノベーションさせていただきました。 ゾーニングからも分かるように1LDKをご夫婦のみでお住まいになります。

 

勤務先からほど近く、バルコニーが広く開放的で、なおかつ南西向きの非常に陽当りの良いマンションをご購入〜リノベーションまでの全工程をご依頼いただきました。
当初お施主様は新築マンションなどを主にご検討されておられましたが、海外での生活経験もおありの事から、日本の新築マンションの持つ個性のない空間に、違和感をお持ちでなかなかしっくり来られる物件がなく決めかねておられました。
その時にたまたまインターネットを検索していて当社のHPにたどり着かれました。当社HPに掲載している、当社のリノベーションコンセプト等に非常にご共感いただき、また新築にはない独特の仕上がり感に海外で生活されていた頃のお住まいを連想されて自分たちの探していたモノだと感じていただき、すぐさまお問い合わせいただきました。
またタイミング良く内覧会にもお越しいただけて、HPで見ているだけではない実際のリノベーション空間を体感いただき、ますます当社でリノベーションをとお考えを固めていただきました。
そしてご要望いただいていた内容の物件がタイミング良く勤務先の近くで見つかりました。

 

その見つかった物件は、もちろん古いマンションですが、管理状態が非常に良い、レトロ感のあるヴィンテージマンションの雰囲気を醸し出すマンションでした。
ただ現状は倉庫として長年使用されていたことから全く使えるモノはなく、見た感じもホコリが被っており、到底出来上がりを想像いただく事がかなり難しい物件でした。
ですがバルコニーが南側で非常に幅が広く、ウッドデッキ張りにすると現状では活用出来ていないバルコニーをLDKに取り込むことで生かせる事や専有面積が広い割には割安感のある物件でしたのでポテンシャルが高い、まさにリノベーション向きな物件でした。
その様な観点から全面的に当社をご信頼いただき、お話を進めさせていただくことになりました。
また先にご説明したようにご夫婦のみでご使用されるために広い専有面積を充分に生かしたリビングが確保出来るのとその広いリビングにバルコニーを取り込むことでプラスアルファな広がりを得られる事が魅力でした。

 

また、お施主様はお仕事柄たくさんのお客様がお越しになると言うことで、リビングに可変性のあるタタミコーナーを設けて、障子を開放しリビングと一体としてお使いいただくことも出来、なおかつ障子を閉めることでお部屋として独立するために、来客用に泊まっていただくことも可能にしました。
またお施主様は外国からの来客も多いという事で“和”を感じられるオリエンタルな仕上がりをご要望されました。

 

ですので全体的なリノベーションコンセプトとしてリボーンキューブが得意とする“和モダン”を表現する手法として “禅スタイル”を取り入れ、シンプルな中に凛とした“和”を感じていただけるように設えました。
またこちらもリボーンキューブの得意とする照明を利かして空間を楽しんでいただけるように、本作品にあった照明計画を立て、主にタタミコーナーの下部とキッチンバックの上部に効果的に間接照明を配して夜になってからゆっくりと大人の時間をくつろいでいただける空間を設えました。
そして水回りはお施主様のご要望でもあり浴室、洗面、トイレを1室空間に仕上げて広く開放的に設えました。またその水回りですが、今回当初の間仕切り壁がブロックで区画されていたために解体を控え、リノベーション前と同じスペースで効率的にゾーニングすることで、広がりを感じられ清潔感があり明るい仕上がりにしました。
そして、これもお施主様にご要望いただき“琉球ガラス”を用いてオリジナルの洗面ボウルを製作し空間にポイントとして効果的に配しました。
またリボーンキューブならではの壁面と天井を出来るだけスケルトン仕上げとすることで新築では絶対に出せない、古いマンションならではのコンクリートのもつ粗さがシンプルな空間に溶け込み、計画的に配した照明と相まって、非常にリノベーションらしい独特の仕上がり感を得ることが出来ました。
また床材もチークの無垢フローリングをお施主様にご要望いただいた事で、高級感のある仕上がりの中にどことなくオリエンタルな雰囲気を醸し出すことが出来ました。

 

以上のようにお施主様に絶大な信頼をいただけた事でリボーンキューブらしさを随所に出せたリノベーションをすることが出来ました。そして最後に今回の作品名「la divina」はイタリア語で「女神、神聖な」と言うような意味を持ち、ベジタリアンで信仰の深いお施主様のライフスタイルからイメージしてお施主様と一緒に考えネーミングさせていただきました。
本作品をお施主様が住みこなされ、落ち着かれた頃にご訪問させていただくのが大変楽しみなリノベーション作品となりました。

 

■物件概要/1974年新築(築後35年)・京都市左京区・個人住宅リノベーション・専有面積101.46m2・構造:RC造7階建3階

 

■主要各部仕上および素材/壁面:スケルトンの上AEP塗装仕上(一部PB下地)・天井:スケルトンAEP塗装仕上・床材:無垢チークユニフローリング(オイル仕上)・バスルーム:在来工法の上壁、床100角ホワイトタイル全面張り・シェルフ、クローゼット、建具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:磁器タイル囲いの上、INAX製システムキッチン・洗面:琉球ガラスボウル(オリジナルにて作成)・バルコニー:セランガンバツ張り

 

■リノベーション期間/約2ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.13 / その他施工実例 レトロな雰囲気を残した空間をこだわりのマテリアルで飾る

今回の作品は“couleur”“la divina”と同じマンション内で専有面積が“couleur ”と全く同じ広さのお部屋をご夫婦でお住まいになるために、1LDKにリノベーションさせていただきました。また、今回もお施主様より物件のご紹介〜ご購入〜リノベーションまでの全工程をご依頼いただきました。
当初の予想では“couleur ”と同じ広さであることから1LDKにプラスこの部屋の広さからは大きめのウォークインクローゼットを設けてのゾーニングにすることから、全ての部屋が小さめでかなり圧迫感が出てくるであるだろうと思われましたが、実際に出来上がった空間を体感してみると全くその様な懸念はなく、逆にそれぞれの空間が充分な広さを確保できている事が不思議に思えるほどの空間に仕上がりました。

 

そもそもお施主様がリノベーションにご興味を持たれ、当社にご依頼いただくことになった経緯については、既存の新築マンションなどの内装に違和感を持たれながらも当初は築浅の中古マンションや新築マンションをお探しになっておられました。
しかしなかなか気に入られる物件がありませんでした。そしてそれまでお住まいになって居られたマンションも、元々は古い事務所ビルをリノベーションして賃貸マンションにされたお部屋だったため、そのことからもリノベーションというモノに興味を抱かれておりましたところ、ネットでリノベーションを検索され、たまたま当社のHPを見つけていただき、その作品がお施主様の感性にピッタリであったことから当社にご依頼いただくことになりました。

 

また、今回のマンションを決めていただくに当たって、当初はお仕事を持たれている奥様の通勤便を考えて、地下鉄沿線をご希望され探しておりましたが、なかなか気に入っていただける物件が見つからず、それでも予算内でご購入いただけそうな物件は、築浅のマンションから古いマンションまで片っ端からご覧いただきました。
しかし築浅のマンションは新しいのは良いのですが、マンション全体の雰囲気が雑然としていて気に入っていただけなかったり、逆に古いマンションはヴィンテージマンションと言うよりは、ただのボロマンションと言った感じのモノが多くお施主様の感性にピッタリくる物件がございませんでした。
そんな時にたまたまお探しのエリア外でしたが、ヴィンテージ感のある本マンションをご紹介させていただき、大変気に入っていただました。そして当初のご要望であった奥様の通勤便も許容できる範囲である事から本マンションをお決めいただきました。もちろん何よりその佇まいを気に入っていただけたのが一番決定的な理由ですが・・・。

 

そして物件が確定し、いよいよリノベーションに取り掛かることになり、お施主様のご要望をお伺するとキッチンを含めて水回りにご要望が強いこと、そしてリノベーションし過ぎずに、どことなくレトロ感が残るような空間にしたいと言う事でした。
それらのご要望を踏まえて、壁や天井はスケルトン仕上げとし、ドアノブや取っ手などもの小物類をアンティークな風合いのモノで纏めることにしました。そしてキッチンは奥様たってのご要望でトーヨーキッチンを採用しました。また、その他水回りとして、バスルームにグローエ製のシャワー金具を使用し、使い勝手と高級感を同時に醸し出す事とし、こちらもお施主様のこだわりで最終的に採用された、丸くてかわいいモザイクタイルとの相乗効果で相性抜群の出来上がりになりました。
また洗面ボウルやタオル掛けなどの小物類や便器に至るまでの水回りについても同様にお施主様のこだわりをひとつひとつカタチにし、ご納得いただける仕上がりに努めました。
またリビングのフローリングは今回初めて使用するカリンの無垢フローリングで、今後経年変化でどのような深みが増すかが楽しみな素材をお選びいただけました。
と言うようなリノベーション内容でひとつひとつのパーツ毎に、お施主様のこだわり抜かれて厳選品を使用させていただき、それらを用いて、全体的にはリボーンキューブのベーシックなテイストで纏めさせていただきデザイン的な統一感を出しました。そしてこのようなこだわりからも、どことなくレトロ感を醸し出す空間が出来上がったのではないかと思っております。

 

そして最後に今回の作品名「décor」はフランス語で「飾りつけ、 装飾」と言うような意味合いがあることからネーミングさせていただき、今回リノベーションさせていただいたお施主様のリノベーションイメージにピッタリなネーミングではないかと感じました。
そして本作品も他の作品同様にお施主様にお住まいいただき、落ち着かれた頃にお伺し、どのようにお住まいいただいているかを拝見するのが大変楽しみなリノベーション作品となりました。

 

■物件概要/1974年新築(築後35年)・京都市左京区・個人住宅リノベーション・専有面積57.77m2・構造:RC造7階建4階

 

■主要各部仕上および素材/壁面:スケルトンの上AEP塗装仕上(一部PB下地)・天井:スケルトンAEP塗装仕上・床材:カリンユニ無垢フローリング(オイル仕上)・バスルーム:在来工法の上壁、床ホワイト丸モザイクタイル全面張り・シェルフ、クローゼット、建具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:ホワイトモザイクタイル囲いの上、トーヨーキッチン製システムキッチン・グローエ製シャワー金具・便器:INAX製サティス使用・その他:ドアノブ、取っ手にアンティーク金物使用等

■リノベーション期間/約2ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.13 / その他施工実例 リビング空間のポテンシャルを最大限に活かしスマートな空間へ

今回の作品は当社で初めて手がけた“RADIUS”と同じマンションでのリノベーションでしたので、正直感慨もひとしおでした。また、今回リノベーションさせていただくお施主様は、新婚でお住まいになられると言うことで、そのための物件のご紹介〜ご購入〜リノベーションまでの全工程をご依頼いただきました。

 

今回ご購入いただいた物件の当初の間取は3LDKで専有面積が約70m2ありますが、その広さを全く活かせていないゾーニングがされており、水回りも狭い、暗い、汚いと3拍子揃った不快な空間でした。また南向きであることを感じさせない閉鎖的な間取で、南向きである利点を全く活かせていませんでした。
それはこの空間の長所を無視し、リビングを中心に個室を3部屋ゾーニングした間取に起因しておりました。
ですのでリノベーションに際しては、いつものことですが、この空間の持つポテンシャルが何であるかを含めて、それを最大限に発揮するためにはどうすれば良いかを考えゾーニングします。その考えとお施主様のご要望とを鑑みて、この空間を南向きの大きな窓に面した21帖ほどある広いリビング+そのリビングからつながる寝室+水回りをゆったりと明るく清潔感のある空間+出来るだけのモノを上手に収納出来るウォークインクローゼットとにゾーニングする空間構成にリノベーションさせていただくことになりました。

 

また、お施主様自身がデザイン関係のお仕事をされていることもあり、明確にリノベーションのご要望をお持ちでしたので、全ての工程に置いて非常にスムーズに打ち合せが進みました。またその前段の物件選定に置いても同じで、エリアを絞られていましたので、一戸建かマンションかで若干迷われましたが、ご予算の兼ね合いからもそのエリア内でマンション物件に絞っていただき、探させていただくことが出来ましたのでスムーズに物件をお決めいただく事が出来ました。
そして前段でお話ししたようにリノベーションのご要望が明確で、なおかつリボーンキューブのデザインテイストを気に入っていただいていることから、ご要望を取り入れた提案に対してレスポンス良く打ち合せが進捗しました。

 

そのご要望とは簡単に纏めますと“白を基調としたシンプルでナチュラルそしてスマートな空間を造りたい”という内容でした。ただ唯一の問題としては、専有面積の割合からすると予算面が若干厳しかったのですが、こちらも割り切るところは割り切っていただき、また、レンジやコンロ、便器などをお施主様支給にしていただいたりしたことでコストを抑えるように努めました。
またバスルームも機能面を優先することで、割り切っていただきユニットバスを採用してコストダウンを計りました。そしてそれらで抑えたコストをリビングに集約し、今までのリボーンキューブとは、ひと味違ったデザインテイストに仕上げるようにしました。

 

そしてその一番注目いただくデザインが、アフター写真でご覧いただいている通り、キッチン部分と巨大な52インチ液晶TV部分とを、床と同じバーチの無垢フローリングで立上げることで、少し不思議な視覚効果とお施主様のご要望されるナチュラル感とを融合するように設えました。
またそれと連動してキッチンから玄関にかけてを黒い石目調タイルで仕上げ、シンプルでナチュラルなだけでない、シックでモダンなテイストを織り込みました。そうすることでお施主様のご要望される非常にスマートな空間に仕上がったのではないかと自負しております。

 

そしてこれらの要素が見事に調和した空間が、今回の最大のポイントであるリビング空間のポテンシャルを最大限に高めたのではないかとも思っております。
また、細かなところでは、液晶TVの右手に間接照明を配することで、空間にしまりを持たせる効果としました。もちろん照明ですので、その効果は暗くなってから発揮されるのですが、南窓から燦々と差し込む明るい陽ざしのあるデイタイムと陽が暮れ落ち着いたナイトタイムとのギャップを楽しんでいただく一躍を担っています。

 

と言うように全ての要素を広いリビング空間に集約したことで、昼夜を問わず楽しんでいただけるパーフェクトな空間が出来上がったと思っております。
そして最後に今回の作品のネーミング「nem」は、連想されるファーストインスピレーションから“北欧”のイメージがあることから、デンマーク語で「シンプル」と言うような意味のあるこの言葉が、今回の作品名にピッタリだと思いネーミングさせていただきました。
そしてどの作品にも共通して言えることですが、本作品も同様にお施主様に住みこなしていただき、住みこなされた頃にお伺して、実際に住みこなされている様子を拝見するのが非常に楽しみな、リボーンキューブの新たなデザインテイストを持ったリノベーション作品になりました。

 

■物件概要/1972年新築(築後37年)・京都市中京区・個人住宅リノベーション・専有面積66.53m2・構造:RC造13階建4階

 

■主要各部仕上および素材/壁面:スケルトンの上AEP塗装仕上(一部PB下地)、リビング壁面一部バーチ無垢フローリング仕上・天井:スケルトンAEP塗装仕上・床材:バーチ無垢フローリング(オイル仕上)・キッチン、玄関床:300角石目調タイル張り・バスルーム:200角タイル張りUB・シェルフ、クローゼット、建具:シナOSCL塗装仕上・キッチン:バーチ無垢フローリング囲いの上、業務用ステンレスキッチン・キッチン、洗面水栓金具:TOTO製・便器:TOTO製ネオレスト使用・その他:ドアノブ、取っ手にWEST製使用等

 

■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)

2019.03.13 / その他施工実例 こだわりが詰まった東欧テイストのリノベーション空間

今回は「 中古購入 × リノベーション 」のケースで、物件のご紹介からリノベーションまでの全てを弊社でお手伝いさせて頂きました。
今回の物件は、近年の地下鉄東西線の延伸に伴って格段に利便性が向上した“ 西大路御池 ”から徒歩4分とほど近く、それでいてとても閑静で落ち着いた住宅地と言う立地です。
専有面積も71.27m2と比較的広めで、また所在階が5階にありながら、その内部がメゾネットになっている( 5 〜 6階メゾネット )と言う、マンションでは希少なタイプのお部屋でした。
お客様と共に現地内覧に行った際のお部屋の状態は、空家ではありましたが、“ たった今までそこに住んでおられた? ”と思えるほど、家財道具一式がそのまま残されており、また室内もどちらかと言えば“ コテコテ ”に汚れている様な状況でした。

 

しかし、5 〜 6階の南向のバルコニーからは遮るものが一切ない、遥か遠くの景色までもが一望できる眺望が、さらに北側の窓からは程良い距離感で大文字がクッキリと望めると言う絶好のロケーションがありました。

 

また、驚くほどの風通しの良さなどもあり、リノベーション後の快適な暮らしが容易にイメージできる、とてもポテンシャルの高いお部屋でした。( さらに6階にあったリビングダイニングには3帖大のルーフテラスも付いていました。 )

 

その様な好条件のお部屋でしたので、それまでの数件の物件の内覧では「 悪くはないけれど決め手に欠ける・・・ 」と、何かと躊躇されていたお施主様も、まさに即決でお決めになられました。

 

リノベーションに際してのお施主様からのリクエストは、デザインテイスト的には、ルーマニアに在住経験がおありだったことから( 在ルーマニア日本大使館の公邸料理人と言うご経歴で、現在はフランス料理のレストラン「DOLCH」を経営されています。 )、全体を東欧風にまとめること、そして、間取り的には将来に備え、可変的に使用できる2LDKのゾーニングと、併せてグラフィックデザインのお仕事をされている奥様のワークスペースとしてのアトリエをプラスしたゾーニングにしたいとの内容でした。  まず、お施主様が頭の中でイメージされている東欧風のテイストのデザインをビジュアル化するため、インテリア雑誌から気に入られたお部屋の写真などの切り抜きを頂いたり、手書きのラフなイラストを頂いたりしながら打ち合わせを進めて行きました。

 

また、ゾーニング的には上記のご要望を事前にお伺いした上で、まずはこちらの方で2通りのゾーニングプランをご用意させて頂きました。
“ A案 ”は、リノベーション前の間取と同様、リビングダイニングを上階( 6階 )に配したプランで、ルーフテラスとの繋がりを生かしたものでした。
対してもうひとつの“ B案 ”の方は、より広いリビングダイニングを確保するため、上階( 6階 )にあったリビングダイニングを下階( 5階 )に移動したプランで、比較的床面積の小さい上階( 6階 )に寝室とバスルームを配したものでした。

 

そして、この2通りのプランを熟孝して頂いた結果、最終的に“ B案 ”の方で進めて行くことになりました。

 

 “ A案 ”のプランは、ルーフテラスの魅力を最大限に生かすと言う点ではとても良いプランではありましたが、上階( 6階 )の床面積が小さいことから、どうしても現実的なリビングダイニングの広さが確保しにくいと言うデメリットがあったためです。

 

このため、より広いリビングダイニングが確保できる“ B案 ”を選択されたのでした。( このプランの場合、ルーフテラスは寝室にあるプライベートスペースとして利用するスタイルになります。 )

 

そうすることで、結果的に下階( 5階 )はご友人などの来客を気兼ねなく招くことができるスペースとして利用でき、一方上階( 6階 )は完全なプライベートスペースとして完全に区分けることができ、ある意味メゾネットのメリットを最大限に生かせることができました。

 

また、今回のリノベーションの特徴的な仕様に、奥様のたってのご要望で実現した“ ヘリンボーン ”貼りの床フローリングがあります。
専有面積が比較的広く、またメゾネットであることから、同等面積の平面の部屋よりも全体の施工面積が増えることから、そのぶん予算的に若干タイトな状況になりがちで、一時は採用が危ぶまれる?場面もありましたが、最終的には無事に実現して頂くことができました!

 

その他にも、奥様のお好みで揃えて頂いた真鍮製のドアノブやアンティークや陶器製の取っ手、そして洗面ボウルや水栓器具などの設備品、さらに“ IKEA ”で購入された洗面ミラーやトイレの便座カバーなどの備品などを取り付けさせて頂くことで、お施主様のこだわりがより反映された空間に仕上げることができました。( こうしたお施主様とのコラボレーションもリノベーションの楽しみのひとつです。 )
この様にして、お施主様の沢山の想いを詰め込んだ“ 東欧テイストの1LDK( 可変2LDK )+ アトリエスペース ”のリノベーション空間が誕生したのでした!
最後に今回の作品名である「 kiki 」ですが、このネーミングは、お施主様ご自身にお決め頂いたのですが、これは在ルーマニア時代の慣れない暮らしの中で色々な辛いことなどもおありだった中、その苦楽を共にされた“ 愛猫 ”の名前だそうです。その愛猫が生活に多くの潤いをもたらしてくれたそうで、共に過ごされた楽しい時間への愛着と、これから、この部屋でスタートする素敵な暮らしへ想いを込めてネーミングされました。
こうした過去の素敵な想い出を呼び起こしたり、素敵な未来へのイメージが膨らむのもリノベーションの魅力ではないでしょうか。

 

■物件概要/1986年3月新築( 築後24年 )・京都市中京区西ノ京原町・区分所有マンション・個人住宅リノベーション・床面積71.27m2( メゾネットタイプ )・構造:RC造6階建

 

■主要各部仕上および素材/壁面および天井:スケルトンAEP塗装仕上( 一部PBうえAEP塗装 )・床仕上:無垢チーク材フローリングヘリンボーン貼りオスモオイル塗布仕上( 寝室のみタイルカーペット貼り仕上 )・浴室:INAXシステムバス( リノビオ使用 )・洗面室:造付洗面カウンターのうえ床Pタイル貼り仕上( ミラー施主支給品・IKEA製 )・WC:Pタイル貼り仕上( 便器は既存利用・便座は施主支給品・IKEA製 )・玄関( アトリエスペース併用 ):300角テラコッタ風磁器タイル貼り仕上・建具、棚板等木部:シナOSCL塗装仕上・キッチン:モザイクタイル貼りオリジナルカウンターキッチン( 業務用キッチン使用 )・その他:アトリエスペース壁面「 黒板塗装 」仕上、キッチン背面扉ウッドブラインド使用

 

■リノベーション期間/約1.5ヶ月(解体工事期間含む)